ワンランクＵＰするための 戦略脳のつくり方

戸村　智憲(著)
出版社:アスカ・エフ・プロダクツ

ワンランクＵＰするための 戦略脳のつくり方

ワンランクアップする「効率化＋効果性」で、ものごとの本質を突く「戦略脳」を身につけよう！

ＭＢＡの本当の考え方

さすがＭＢＡと言われる人、ＭＢＡのくせにと言われる人々の違いとは？

米国ＭＢＡ修了（全米トップ０.５％に授与される全米優秀大学院生を受賞）し、国連戦略立案ミッションエキスパートリーダーや国連グローバルコンパクト広報などを歴任後、近年は講演やコンサルティングをされている著者が、右脳と左脳、効率性と効果性の織りなすバランス感覚のある戦略脳のつくり方を、ご自身の経験を基にまとめられた一冊です。

「ＭＢＡかぶれ」につける薬は、現場に行って肌で感じる学びしかない。

机上の空論ばかり繰り広げるのではなく、優秀な頭脳をいかに活かすか
現場の方々の思いを肌で感じ、経営視点と現場の両方から戦略や改善案をたてていくことの重要性が記述されています。

戦略的な思考や戦略ツールなど詳細記述はありませんが、戦略思考の一般的流れを一通り整理できます。

また、巻末資料に主要フォーマットが例示されていますので、参考になります。

そして、最後の「７つの質問」は、自分自身でも常に答えを考えていきたいと思います。

論理的思考でるロジカルシンキング

一見して何となく異なるように見えがちな物事に潜む共通性を見抜く力「論」と

一見して同じように見えそうな物事の違いを見抜く力「理」の双方が必要。

因果関係が成立するためのルール

１．時間的な順序が正しい

まず原因があり、その後に帰結や結果がある

２．相関関係が認められる

一方が変化すれば他方もそれにつられて変化する

３．第三因子が存在しない

ある２つの事象の原因として、他の要因が関わらない

統計の基本的なルール

１．統計をとる対象者の性質と対象者数を明示する

２．統計をとるサンプル集団は、無作為抽出かどうかを明示する

３．調査票を送った方法や総数と、回答を得た総数などを明示する

４．一人１回の回答なのか、延べ人数での回答なのかなどを明示する

５．統計調査の再現可能性を確保する

ロジカルシンキングの思考ツール

１．ミッシー：「モレなく、ダブりなく」全体最適を目指す

MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)

２．SEPT分析：マクロ的な経営環境分析

社会的側面（Social）、経済的側面（Economic）、政治法律的側面（Political&Legal）、ＩＴ技術的側面（Technology）

３．５force分析：経営環境分析（自社業界内での５つの影響分析）

４．SWOT分析：経営環境分析（自社内外の環境分析）

強み（Strength）、弱み（Weakness）、機会（Opportunity）、脅威（Threat）

リーダーシップスタイルにおけるＰＭ理論

（二つの強弱とスタイルの組合せ）

１．Ｐ機能：パフォーマンス、指示命令

２．Ｍ機能：メンテナンス、仲間への配慮

プレゼンのチェッククリスト

１．プレゼンの最終目的は何か

２．聞き手は、どんな立場の人か、どんなことに興味があり、どんな性格か

３．ライバル企業のアピールポイントは何か

４．自社のアピールポイントは何か

商品の良さはどこか、ライバル企業との何が違うのか

５．今回のプレゼンのウリをズバリ一言でまとめると何

６．どんなストーリーとシナリオで相手を説得するのか

７．ビジュアルエイドの活用：グラフ、フローチャート、映像など

８．話し方の留意点：声のトーンや大きさ、アイコンタクト、ジェスチャー

９．身だしなみやマナー：服装や髪型、挨拶や姿勢

１０．事前のリハーサル

あなたの生き方を左右する「７つの質問」

１．お金だけのために生きたいですか？

２．能力の活用において、名誉欲にひた走り、助けの手を差し伸べるべき人を踏み台にしてのしあがろうとしていませんか？

３．「レベルアップ」にこだわり過ぎ、基礎的な大事な「正しいこと」を軽視していませんか？

４．レベルが高ければ良いとして、「正しいこと」をするのを忘れていませんか？

５．有名になることに躍起で、無名でも大切なことをしている人々を軽視していませんか？

６．ＭＢＡやその他の専門スキルや知識を得て、それを何のために活かそうとしていますか？

７．あなたの知識や高い能力を、誰かを救うために役立てていますか？

それとも、私利私欲だけのために知識や高い能力を身につけようとしているのですか？

私自身もＭＢＡを終了して数年が経ちますが、戦略のフレームワークやツールを復習できたというよりも、最後の「７つの質問」、「自分にとっての正しさとは何か」、「成功や幸とは何か」を改めて考えました。