書籍 マネー・コネクション(MONEY CONNECTION)/ジェイ・エイブラハム(著)

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マネー・コネクション(MONEY CONNECTION)
あなたのビジネスを加速させる「戦略」の見つけ方

ジェイ・エイブラハム(著)、島藤 真澄(監修)
出版社:KADOKAWA(2017/5/12)
Amazon.co.jp:マネー・コネクション(MONEY CONNECTION)

 

20171124

10,000社以上の経営者を成功に導いた原理原則とは何か?

全米トップマーケター、待望の最新刊!

 

 

本書は、全米トップクラスのマーケターで、「フォーブス」誌が選出した全米トップ5のビジネスコーチの著者が、ビジネスを加速させるための戦略、概念、アプローチ、手法などの普遍的な原則を詳しく解説した一冊です。

著者自らの経験に加え、多くの事例を例示しながら解説されていますので、マーケティングを担当されている方々に加え、戦略リーダーの方々にとって、自身のビジネスの発展や他ビジネス展開に向けたコンサルティング実践の手引書となります。

マネー・コネクションは、あらゆる実践がひとつのものに組み合わさったときに発生します。

そのときあなたは市場のトップにまで上りつめ、誰よりも強く、魅力的な存在になっているでしょう。

マネー・コネクションは、急激に収入を増やす戦略が、本のページを飛びだして現実のものとなり、実体のない概念が、具体的なお金に変わっていくときに明らかになります。

まさに錬金術の発動です。

本書は14章で構成されており、主に以下の二つの目的を果たすことを目指しています。

  • ・ビジネスをよ効果的に、サービス志向に、クライアント第一に、そして究極的にはビジネスに関わった人全てが利益を上げ、楽しむことができるための指針を与える。
  • ・本書で明らかにした知識と情報を使って、新たなコンサルティングビジネスを創り出すとともに、それによって得た知識と経験を他の経営者とシェアする。

 

UPS(Unique Selling Proposition)

ビジネスを築き上げる技術のうち、最も効果的なもののひとつは、「いかにして自分を競合と差別化するか」ということである。

UPSは明確でなければならないので、めりはりのきいた表現を心がけ、クライアントに対し必ず嘘偽りのない、具体的な価値を提供するようにする。

需要があり、かつ他では手に入らない商品やサービスがあればあるほど、成功は確かなものになる。

UPSは、あらゆる人から自分を差別化する要因であり、商品やサービスが他の誰にもできないやり方で問題を解決し、空虚を埋め、チャンスを生む方法である。

「自分たちのUPSを定義する」こと、「その可能性を最大限に活かす」こと、「既存のクライアントを活用する」こと、「足の遠のいたクライアントとの関係を取り戻す」ことにより、ビジネスが新たな高みに昇る。

 

UPS(ユニーク・セリング・プロポジション)を定義する

ビジネスにおいて他とは違うもの、理想的には、他よりは優れたものを指す。

価値があり、効果の期待できるUSPをひとつに絞ることが重要である。

  • ・見込み客が他社ではなく、あなたの会社を選ぶ明確な理由となる、大きな強みをひとつ定義する。
  • ・自分の技術に対して高い需要のある特定市場を見つければ、その技術をビジネスの有意義なUPSに変換することもできる。
  • ・料金体系や値引き率など、コストの面で差別化を図ることもできる。
  • ・納期や営業時間、購入後の保証期間など、時間でも差別化を図ることもできる。
  • ・他にはない機能や品揃え、保証した配達日に未達となった際の無償化など、独自の品質からUPSが生まれることもある。

 

既存のクライアントとのビジネスを拡大する

ビジネスを一番早く成長させる方法は、新たな売上を増大させたり、新しいクライアントを獲得することではなく、既存のクライアントを最大限活用することである。

既存のクライアントは、継続的に力を注ぐ必要がある資源であり、そのためのコストは、新規クライアントを獲得するためのコストより大幅に低い。

クライアントが、「自分は特別視されている」と感じれば感じるほど、さらに商品を買うようになるし、購買回数が増える度に結びつきを強める機会も増え、将来も販売が続いていく。

1.一番のクライアントに特別な「優先権」を与える。

2.クライアントが購入する度に、他のアイテムやサービスも提案する。

3.優良クライアントに期間限定品や特別優待割引を伝える。

 

足の遠のいたクライアントを呼び戻す

既存のクライアントと同様に、過去に取引があったが現在は関係が途絶えてしまっているクライアントも重要な資源である。

クライアント個別の事情、商品やサービスに対する不満など、関係が途絶えた理由は様々かもしれないが、再び関係を取り戻すことに努める。

その際は、電話や個別訪問などの方法により、シンプルで誠実なアプローチを取ることで、クライアントの信頼関係が結ばれることを努力する。

クライアントの意見に関心を持っていることを示し、批判を恐れないどころか貴重なものとして受け止めるつもりであることを明らかにする。

 

卓越論

マーケティングを思考するためには、マインドセットや世界観を根本的に変える必要がある。

限界や恐れを引き起こす、時代遅れで機能不全に陥った意識を捨て、自分には無限の可能性が潜在していると確信できるように、意志を持って自分を鍛えていかなければならない。

卓越論をマスターするためには、枠にとらわれずに思考し、独創性を育てる練習が必要である。

卓越論は、「関係者全員のために資源を最大限活用する」という考えに基づいたマインドセットであり、どのようなビジネス上のアプローチをとるかだけでなく、人生のあらゆる面に関わってくる。

 

情熱の側面

成すこと全てが、自分だけでなく周囲の人にも利益をもたらすと考えるならば、無限の情熱を持って、人生と向き合うことが必要である。

その情熱こそが、マーケティングを思考する中核にある。

1.エネルギー

  • ・健全な自尊心と、「自分のビジネスが日々多くの人に価値をもたらしているのだ」という認識から生まれる。
  • ・尊敬されるためには、自分を大切にし、自信を持つ。

2.ビジョン

  • ・「自分に何が可能で、人に何を与えられるか」という明確なイメージを持つ。
  • ・自分のビジョンが価値あるものだと心の底から信じて初めて実現するもので、金儲けのビジョンではなく、人を助けるビジョンの可能性を信じることから始まる。

3.集中力

  • ・「クライアントの役に立とうとしている」という視点で、商品やサービスの価値を明確にして進める。
  • ・だれもが、その価値を理解できるよう、あらゆることに意識を集中させる。

4.実行力

  • ・全力をあげて専念する。
  • ・ビジョンを達成し、その結果を楽しんでいる自分の姿を頭の中で思い描ける。

5.行動規範

  • ・全てにおいて、全力で最善を尽くす。
  • ・行動規範を守り、目標にふさわしい人であること。

 

マーケティングは育成すること

マーケティングは、クライアントに自分のメッセージを届けるための、唯一にして最大の効果的なツールである。

他の人の人生をより良いものにしようと全力を挙げて取り組んでいるのであれば、マーケティングは人を騙すことではなく、育成することだとわかるはずである。

的確に、説得力をもって、問題(クライアントの痛み)と解決方法(商品やサービス)を述べる方法を見つけることが、クライアントを導くことになる。

 

戦略的マーケティングのステップ

クライアントの数を増やし、1回の取引量を増やし、取引頻度を増やすことに集中する。

重要なことは、自分の懐にお金を入れることではなく、クライアントの問題を解決することである。

1.最も望ましい見込み客の質と人数を特定し、彼らとつながり、彼らをたきつける。

2.見込み客を初回購入に至らせ、彼らをリピーターにする。
サービスの恩恵を最大限に受けたいと感じさせ、戻ってこれないようにし続ける。

3.リピーターとの関係を拡大する。
クライアントの人生を向上させる。

 

マーケティングの達人になるためのステップ

1.市場で信用を得る。

  • ・市場で人々が直面している最も大きな問題と、それらの問題が引き起こしている不満は何か、詳細なイメージを描く。
  • ・その問題のリストを発生順に並べ、どの問題が最初に発生して次につながっているか、どの問題が最も大きく、最も難しいかを見出す。
  • ・その問題を明確に説明し、それぞれの問題ごとに明快で論理的な解決方法を考え出す。

2.市場に対するビジョンを構築する。

  • ・ビジョンは、自分のビジネスのためだけではなく、市場全体ののためだと認識する。
  • ・クライアントの人生をどのように改善できるか、クライアントの生活がどのように変わっていくのかを明確にし、クライアントに見えるようにする。

3.創造神話を語る。

  • ・人のストーリーを聞けば、その人がどのように生き、なぜそれをしているのかを理解することができる。
  • ・「私はあなたの痛みがわかります」という真実で胸を打つストーリーは、見込み客との間に一瞬でつながりを生み出す。

4.誰とも違う達人の人格を確立する。

  • ・マーケティング計画の一部は誰とも違う人格を考案することで、平凡とはほど遠い、市場におけるリーダーでなければならない。
  • ・人格は、独自の特徴、強み、時には弱みさえもが、市場で最も共感を呼ぶ特徴と組み合わさったものであるべきである。

5.正しいこと、間違ったことをはっきりとさせる人物になる。

  • ・自分を改善者と考える。
  • ・何が欠けているか、改善が必要なのは何か、絶対に容認できないものは何かを市場に知らせ、改革運動のリーダーになる。

6.自分だけのスタイルを作る。

  • ・特徴的な言葉遣いや際立たせる行動をしているうちに、人は認識し予期するようになり、最終的には信頼するようになる。
  • ・個性的な例えや独特な表現、思い切ったシンプルな表現を忘れてはならない。

7.特徴となるコミュニケーション手段を使う。

  • ・ウェブサイト、フェイスブック、ツイッターなど、様々な手段があるが、重点的に取り組み、目印となるコミュニケーション手段を決める。
  • ・信頼できるもの、圧倒的な情報量の中でも頼みの綱となるような手段を選ぶ。

8.VIPコミュニティを立ち上げる。

  • ・マーケティングは対話でなくてはならないこと、意味のない商品を押し付けるのではなく、クライアントと意見交換しながら相手の問題を解決していく。
  • ・「大多数とは異なる」「卓越したポジションである」「特別な人のように扱われる」雰囲気のコミュニティを作り、全社で取り組む。

9.メンターを得てプロセスを加速させる。

  • ・ビジネスの知識は、実践、テストと分析、経験から生まれてくる。
  • ・自分より先に道を歩き、うまく歩んだ人々の指導を求めて頼る。

 

コンサルティング販売

販売員の第一の基本は、クライアントと接する際に「私はこの人をどうしたら助けられるだろうか」と常に考えるということであり、「コンサルティング販売」とは「共感」という言葉と同義語である。

目標は、クライアントが特定の商品に関してアドバイスを求めに来るような、信頼できるプロフェッショナルのアドバイザーになることである。

クライアントの相談を受けるときは、画一的なアプローチではなく、相手が欲しいと思っているやり方でしてあげることである。

  • ・クライアントの問題によく耳を傾け、まずはクライアントに話をしてもらう。
  • ・クライアントの問題と見解をよりよく理解するために、適切な質問をする。
  • ・問題解決に向けて、クライアントと一緒に動き出す。

コンサルティング販売を行う際のポイント

  • ・提供する商品のアドバイザーであり、販売者ではない。
  • ・クライアントのニーズを理解することで、注文内容ではなくクライアント本人に焦点を合わせる。
  • ・医者と同じように、問題をくまなく診断し、躊躇なく処方を申し出る。
  • ・クライアントがして欲しいと思っているやり方で、その人にしてあげる。

コンサルティング販売が成功する主な理由は、「育成」に力点を置いているからである。

  • ・売り込みとは、相手に買わせることを目的とした利己的なものである。
  • ・育成者は、人々がより大きな利益を得ることができるよう、知識や情報を提供する人である。

購入サイクルに参加し、クライアントのニーズにどのように応えるかをアドバイスする。

  • ・見込み客は、ニーズを認識する。
  • ・それについて、行動を起こすかどうかを決定する。
  • ・選択肢を吟味する。
  • ・販売業者を選ぶ。

B2Bの場合

  • ・見込み客は、現在信頼している業者のもとに行く。
  • ・最も良い供給者について、その業者が知っているか問い合わせる。
  • ・その業者は、知っている供給者に連絡を取る。
  • ・適切な供給者について色々と調べる。

 

本書を何度も読み返して学ぶことをお勧めします。

私が包み隠さずお伝えしている考え方は、世界中のあらゆる規模の会社や業種に対して驚くほどの成功をもたらしてきました。

普遍的な原則は、適切に活用すればどこでも通用するものです。

 

まとめ(私見)

本書は、新たな理論やノウハウを提言しているのではなく、全てのリーダーに通用する普遍的な原理原則を体系立てて詳しく解説しています。

特に、著者の長年の経験に基づいたマーケティングノウハウを、わかりやすい多くの実例を示しながら説明されていますので、ボリュームが多い割にはあっという間に読めてしまいます。

専門用語が多い分野にもかかわらず、文脈を崩さず理解しやすく丁重に翻訳されているためだと思います。

なお、章のタイトルに、第4章「クライアントと恋におちる」や第10章「紹介システムを構築する」など、他の章を含めた全体を通しても精神論的な記述があり、古典的な理論を整理した書籍かと思われましたが、最近忘れがちなマーケティングの根本を改めて考えることができました。

また、ビジネスが停滞している主な理由に、「最適化」よりも「イノベーション」を重んじることが多いからであると、著者は指摘しています。

企業の最近の動向を考えると違和感を持ちましたが、「イノベーション」を否定しているのではなく順序の問題で、「まずは自社の根本的な課題を解決した後に、外に撃っていくべきである」と指摘しているのではないかと思います。

  • ・最適化とは、既存のプロセスを使い、それを最適なかたちで働かせることで、最小限の投資で最大限の収益を生み出すこと、投資は時間、リスク、資金のどれに向けたものでも構わない。
  • ・一方、イノベーションとは、ある程度のリスクを引き受けつつ、業界の外に新しいアイデアを求めながら、ブレークスルーを生み出だそうとすることである。
  • ・最適化は戦略的で結果志向であるのに対し、イノベーションは先を見通しにくいものである。
  • ・最適化は、収益構造の柱を把握し、うまく働いていない部分を強化したり入れ替えたりしながら、うまく働いている部分を最大限伸ばす。
  • ・最適化は、必ずイノベーションの前に行わなければならない。

本書は、規模の大小を問わず、商品又はサービス、その両方を提供しているかどうかを問わず、ウェブサービスやフリーダイヤルにおける初期段階のクライアントサービスをはじめ、商品やサービスの提供、どうすればリピーターとしてクライアントを呼び戻すことができるかに至るまで、ビジネスの全ての側面を改善する方法を解説してくれています。

マーケティング、さらにはお客様との信頼関係を構築するための戦略に関わる原理原則を改めて教えてくれた一冊でした。

 

目次

第1章 あなたは仕事に働かされていませんか

第2章 あなたのUSPは何か?

第3章 卓越論を身につけよう

第4章 クライアントと恋に落ちる

第5章 あなたの事業の「眠れる宝石」を見つける

第6章 コンサルティング販売こそ大金を生む鍵

第7章 価格構造が原因で大金を失っていないか?

第8章 テストマーケティングの重要性

第9章 市場にメッセージを送る

第10章 紹介システムを構築する

第11章 「最適化」のための権限移譲

第12章 自分に合った推薦者を見つけよう

第13章 ジョイント・ベンチャーの無限の可能性

第14章 ビジネスコンサルタントになろう

 

マネー・コネクション(MONEY CONNECTION)

20171124

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