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スタンフォード大学d.schoolによる公式ガイドブック(翻訳版)が無料公開されていますので、ご紹介します。(ダウンロードサイトは、当ページ下段)
この翻訳版ガイドブックは、8月27日(月)に無料公開され、30日には2万件を超えるダウンロードがあったようです。
「慶応義塾大学SFCデザイン思考研究会」が編集し、岡山大学大学院 自然科学研究科 コミュニケーション教育コース 非常勤講師の柏野尊徳氏が監訳されたものです。
私は、今回初めて知りましたが、大変興味深い活動をされています。
「デザイン思考」は、当初IDEOの発想法として、最近ではアップル、そしてスタートアップを中心とした多くの書籍で注目されおり、従来の「事前に分析をして、計画を立て、実行する」という経営アプローチに対する思考の一つです。
基本的には「試行錯誤型アプローチ」であり、
- ・まずプロトタイプを作り、
- ・それをテストマーケティングなどで市場で試験・検証し、
- ・問題を発見し解決していく。
というサイクルを回しながら、完成に近づけていくというものです。
スタンフォード大学のd.schoolは、デザイン思考やデザイン方法論の教育を専門としており、IDEOの共同創設者であるデイビッド・ケリー(David Kelly)も創立に参画されています。
今回公開されたガイドブックは、d.schoolによるデザイン思考の実践的ガイドブックを翻訳されたものですので、これまで原書(英語版)の理解に不安があった方々にとって、お薦めです。
このガイドブックは、『7つの心構え』に加え、『デザイン思考の5ステップ』『39のメソッド』で構成されており、デザイン思考を実践する方々のためにつくられたツールキットです。
デザイン思考における7つの心構え
デザイン思考を実践する上で不可欠な心構え
・言うのではなく見せる
・人々の価値観に焦点を当てる
・明快な仕事
・素早く形にする
・課程に注意
・行動第一
・徹底的な協働
デザイン思考の5ステップ
Step1.Empathize:共感
Step2.Define:問題定義
Step3.Ideate:創造
Step4.Prototype:プロトタイプ
Step5.Test:テスト
39のメソッド
デザイン思考の実践者が知っておくべき具体的なメソッド
1.初心者としての思考法を身につける
2.何を?どのように?なぜ? ~What/How/Why~
3.ユーザーのカメラを通して学ぶ
4.インタビューの準備
5.共感のためのインタビュー
6.最高のユーザー
7.類推共感
8.物語の共有と把握
9.アイデアの拡散と分類
10 共感マップ
11.ジャーニーマップ
12.空想キャラクター作成
13.10のべき乗
14.22マトリックス
15.「なぜ?」と「どのように?」のはしごツリー
16.着眼点の穴埋め問題
17.アナロジー着眼点
18.着眼点の求人広告
19.クリティカル・リーディング・チェックリスト
20.デザイン原則
21.「〇〇してはどうか?」 ~how might we questions(HMW)~
22.即興ゲーム
23.ブレインストーミングのルール
24.ブレインストーミングでのファシリテーション
25.アイデア選択
26.ボディーストーミング
27.制約をつける
28.共感のためのプロトタイプ
29.プロトタイプのテスト
30.ユーザーとのテスト
31.プロトタイプから意思決定する
32.変数を決める
33.ユーザー主導のプロトタイプ
34.オズの魔法プロトタイプ
35.フィードバックマップ
36.ストーリーテリング
37.ビデオを撮る
38.ビデオ編集
39.「〇〇がいい」「希望は〇〇」「もし〇〇なら」
参考
翻訳版ダウンロードサイト(柏野尊徳氏サイト)
原書『The Bootcamp bootleg』(pdf)
『慶應義塾大学sfcデザイン思考研究会』のfacebookページ
この研究会は、
- ・『未来社会において、問題発見・解決を得意とするクリエイティブクラスの人材を育成する』という目標を掲げ、
- ・d.schoolの翻訳資料やワークショップなどのイベントをはじめ、様々な情報を発信していらっしゃいます。
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