次世代企業になるための6ステップ、DSMフレームワークを使用した変革を推進していく上でのガイド

次世代企業になるための6ステップ、DSMフレームワークを使用した変革を推進していく上でのガイド

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DBM_6step

『デジタル・ビジネスモデル』を参考にしてATY-Japanで作成

ここでは、『デジタル・ビジネスモデル 次世代企業になるための6つの問い』で紹介されている「6つの問い」について、概要を整理します。

「次世代企業になるための6つの問い」に順番に答えていくとにより、DSMフレームワークを使用した変革を推進していく上でのガイドとなります。

次世代企業になるための6つの問い

自社が変革を定める道標となり、各ステップは自社のデジタル・ビジネストランスフォーメーションを遂行する際に答えられるようにしておくべき重要な問いを示している。

自己診断を行うことで、行動を起こすべきポイントを理解できるし、議論の出発点にしたり、必要な行動を見極めたりするときに役立つ。

1.脅威

問い:あなたの会社のビジネスモデルに対して、デジタル化がもたらす脅威はどれほど大きいか

自己診断(5問×20点)で70点以上の場合、自社で売れている製品やサービスが、デジタル化によって破壊的影響を受ける危険性が非常に高いと言える。

今後5年間に自社の収益の何%がデジタル化によって脅威にさらされるか、緊急性に関する問いであるが、通常始めは脅威の大きさについての社内の意見は一致しなく、チーム内で議論をくり返して合意を形成していく。

  • ・結論が30%を超える場合は、新たな製品やサービス提供のトライアルを行い、将来のためのオプションを購入する必要がある。
  • ・50%を超えるようであれば、新たな事業運営に転換できるよう、ビジネスモデルと組織構造の大幅な見直しを行う。

デジタル化によるビジネスモデルへの脅威や、顧客と直接つながるデジタルソリューションを実現できた場合どのような事業機会が得られるかについて検討し、自社の複雑性の問題を解決して顧客体験をシンプルにするとともに、デジタル化によるビジネスへの破壊的影響が起こる前に対処しなければならないことを理解する。

2.モデル

問い:あなたの会社の未来には、どのビジネスモデルがふさわしいか

自己診断(5問×20点)の最高点はDBMフレームワークの縦軸と横軸それぞれ100点で、50点より高い点数は上部(または右側)、低い場合は下部(または左側)に位置付けられる。

自社がDBMフレームワークのどこに位置するかを確認し、どこへ移動したいのかを検討する。

デジタル化に伴って、ビジネスがよりオープンかつネットワーク化されたものになり、競争の激化と統合が進むにつれて、企業はDBMフレームワークを上かつ右に移動し、一層エコシステムドライバーに近づいていく。

3.競争優位

問い:あなたの会社の競争優位は何か

デジタル化のおかげで、顧客はいつでもどこでも企業とやりとりができるだけでなく、かつてないほどナレッジを蓄え、選択肢を広げられるようになっている。

顧客とうまく関係を築けるか、デジタルディスラプションにどううまく対応できるかが、大きな勝負どころとなっている。

競争優位は、3つの内1つあるいは複数の要素から生まれるため、自己診断でどの程度優れているかを特定して発展させる必要がある。

自社がDBMフレームワーク上のどこに位置しているかを判断するために自己診断から始め、最も収益性の高いビジネスが位置する場所(フレームワークの上かつ右)に移動する方法を見出す。

  • ■コンテンツ
    ・製品や情報
    ・顧客のニーズに対応する良質なコンテンツを提供し、頻繁に更新していく。
  • ■顧客体験
    ・コンテンツと顧客との間で生じるインタラクションの質
    ・顧客が何をしているか、何が欲しいと言っているかを継続してモニタリングし、優れたユーザーインターフェースに投資して顧客とコラボレーションする機会をつくるなど、良質な顧客体験をつくり出す。
  • ■プラットフォーム
    ・自社のデジタルプロセス、データ、インフラや外部のサービスを通じて、コンテンツを顧客に届ける方法
    ・デジタルプラットフォームを構築し、企業全体で共有し再利用する。

自社の競争優位が今後重要になるかを特定し、DBMフレームワークにどのように適合するかを議論する。

  • ・バリューチェーン:コンテンツ
  • ・モジュラープロデューサー:プラットフォーム
  • ・オムニチャネル:顧客体験
  • ・エコシステムドライバー:コンテンツ、顧客体験、プラットフォーム
4.コネクティビティ

問い:「デバイスやヒトとつながって(コネクトして)学びを得る」ために、モバイル技術やIoTをどのように使いこなすか

モバイルとIoTが結びつくことにより、コネクティビティは強化されるため、企業はモバイルで顧客につながるための最も良い方法を見つける必要がある。

自社のモバイル戦略を明確にし、IoTにどのようにコミットしているかを検証して、モバイルとIoTのオーバーラップ分野の中で最も成果を上げることのできる領域を見極める。

モバイルアプリを開発する際、モバイル戦略をIoTと組み合わせることにより、DBMフレームワーク上でエコシステムドライバーの方向へ導くことができる。

  • ・ブランド強化戦略
    役に立つサービスを提供することによりブランドを強化する。
  • ・マルチチャネル戦略
    複数のチャネルにおける体験を統合することにより顧客体験を改善する。
  • ・B to B to C戦略
    最終顧客と直接つながりを持つ。
  • ・重要セグメント特化戦略
    重要な顧客セグメント向けの独自の商品・サービスをつくる。
  • ・モバイルファースト戦略
    あらゆるイノベーションをモバイルチャネルから開始する。

IoTへのコミットメントが強ければ強いほどイノベーションがもたらす成長は著しいものとなり、4つの要素が重要な役割を果たす。

  • ・脅威
  • ・ビジョン
  • ・新しいIoTの能力
  • ・組織の対応
5.能力

問い:将来のためのオプションに投資するとともに、必要な組織変革の準備をしているか

改革を実現するためには、最高の顧客体験を提供しつつ、俊敏性、効率性、革新性を維持し、働きがいのある職場を作り、取引相手としてもふさわしい企業をつくり上げるような説得力のあるビジョンが必要である。

経営層は将来に向けた投資や見直しの対象として、ビジネスモデル、組織構造、スキル、プラクティスのどこでトライアルに取り組むかを決定する必要がある。

バリューチェーンからエコシステムへの移動には、文化面の大きな変化と技術面の新たな能力の獲得が求められるため、モジューラーを経由してエコシステムドライバーになる企業は比較的少ない。

多くの大企業は、オムニチャネルを経由してエコシステムドライバーになることを目指すが、そのためには自己改革につながるようなオプションに投資し、その過程で業績改善をしながらデジタル文化を創出し、デジタルエコノミーで成功するために必要なことを学ぶ。

自己改革の成否は、企業が「8つの能力」を獲得できるかで決まるため、自己診断に基づいて自社はどのレベルにあるかを確認する。

6.リーダーシップ

問い:変革を起こすために、すべての階層にリーダーとなる人材がいるか?

次世代企業を生み出そうとする際に、トップが行わなければならない重要な決断は、変革を推進できる人物を社内から見つけ出し、支援することである。

そして、変革を断行するためには、会社のあらゆる部門から、トップダウンからボトムアップ両方の視点でリーダーを探す。

どんなに大規模な変化でも、CEOと役員会、取締役会、CIO、従業員の4つのグループが重要な存在となる。

  • ■CEOと役員会
    トップダウンで推進、コミュニケーション、企業文化の見直しと強化
  • ■取締役会
    コンプライアンスなどの問題を回避するための守備、変革プロジェクトの監督、デジタル戦略
  • ■CIO
    ・バックオフィスのシステムだけに責任を負ったり、単に事業部門のニーズや意見を聞き取ったりするだけの存在だけではない。
    ・複数の製品及びマルチチャネルによる体験の創出、顧客情報の一元管理、製品とデータを組み合せたサービスの実現など、統合する能力が必要である。
  • ■従業員
    変革は、人材の能力を解き放ち、自社をより良くするための機会ととらえ、若手スタッフも登用してデジタル知識を共有

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ピーター・ウェイル(著)、ステファニー・L・ウォーナー(著)
出版社:日本経済新聞出版社(2018/11/17)
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