ブルー・オーシャン・シフト(Blue Ocean Shift)の5つのステップ

このページ内の目次

ブルー・オーシャン・シフト(Blue Ocean Shift)

W・チャン・キム(著)、レネ・モボルニュ(著)、有賀 裕子(翻訳)
出版社:ダイヤモンド社(2018/4/19)
Amazon.co.jp:ブルー・オーシャン・シフト

 

blue_ocean_shift

激変するビジネス環境で生き抜くために
『ブルー・オーシャン戦略』は、新たなステージへ進化する

『ブルー・オーシャン戦略』後、10年に及ぶ研究成果を踏まえた市場創造の指南書!

 

 

書籍『ブルー・オーシャン・シフト』は、あらゆる企業・組織がブルー・オーシャンへ移行<シフト>するための実践的な一冊です。

特に、本書の第2部第5章から13章では、ブルー・オーシャン・シフトの5つのステップを取り上げ、ブルー・オーシャンに近づくための枠組みや分析の指針となるツールが詳細に説明されています。

 

ブルー・オーシャン・シフトの5つのステップ

ブルー・オーシャン・シフトの流れは、STEP1から5まであり、各ステップとそれに対応する分析ツールや指針が定義されています。

そして、感性と知性、人間らしさ、自信、創造性がうまく調和されており、これにより皆が行動を起こしてくれるようになります。

その手順は、STEP1から5までで完結しますが、出発点は組織ごとに異なるとしています。

なお、各ステップには、「細分化」「実体験に基づく発見」「公正なプロセス」の人間らしさの三要素が組み込まれているため、自信と創造性が増すような仕組みが備わっています。

 

STEP1.準備に取り掛かる:PMSマップ

PMSマップで、ブルー・オーシャンの創造を目指すにあたり、どこに的を絞るべきかを判断する。

ブルー・オーシャン戦略の対象範囲を決められるよう、縦軸に「パイオニア」「安住者」「移行者」の3つのセグメント、収益を円の大きさで表したPMSマップを作成します。

これにより、既存の事業ポートフォリオや製品・サービス全てを一つの図表上にプロットして評価し、業績の先行きを見通すことができます。

PMSマップの作成方法

  • ・ポートフォリオのカギを握る製品又はサービスを特定する。
  • ・製品やサービスを、パイオニア、移行者、安住者に分類する。
  • ・個々の事業や製品、サービスに関する評価を書き入れる。

目的は、現金を創出して収益安定に寄与する安住者と、将来に向けた成長源であるパイオニアを、健全に調和させることになります。

ブルー・オーシャン・シフトにふさわしいチームを築く。

  • ・新製品や新サービスの市場導入に重要な役割を果たす職能部門や組織階層全てから、横断的に人材を選ぶ。
  • ・リーダーに求められるのは、チームの窓口役を果たし、方向性と高揚感を維持し、全員への情報提供を怠らず、チームが組織内でうまく活動できるよう先導する。

 

STEP2.現状を知る:戦略キャンパス

戦略キャンパスで、チームの皆で競争の現状を簡単な図表にまとめることにより、戦略転換の必要性を悟り、合意する。

戦略キャンバスの横軸は、業界が競争及び投資する要因を記録し、縦軸はこれらの競争要因から買い手が得る提供レベルを記録します。

戦略キャンパスは、自社の製品・サービスが何にどのくらい力を入れているかを、他社製品と比較・分析し、ビジュアル化したものであり、①競争要因、②各要因の提供度合い、③自社と他社の戦略プロフィール、④自社と他社のコスト構造を明確に示すことができます。

  • ・既知の市場スペースでの状態を記録するため、業界で競争されている要因及び競争がつぎ込まれている場所が分かりやすくなる。
  • ・業界の競合他社から代替産業へ、また顧客から非顧客に、焦点を再配置し、顧客が行動を起こすよう推進する。

戦略キャンパスの作成方法

  • ・業界を特定する。
  • ・業界の主な競争要因を特定する。
    競争要因は、最小で5つ、最大で12を特定し、買い手の視点に立って言葉を選ぶ。
  • ・比較対象に適した主力競合企業を選ぶ。
  • ・主な競争要因に対して、自社と業界リーダーそれぞれの製品を評価する。
    1は「非常に低い」、3は「平均」、5は「非常に高い」というような、5段階のリッカート尺度を用いて、競争要因ごとに自社と他社の製品を評価する。
  • ・現状の戦略キャンパスを描く。
    横軸の一番左に「価格」を書き入れ、次に価格以外の主な競争要因を並べ、現状の戦略キャンパスがジグザグ曲線にならないよう気を付ける。

戦略キャンパスが完成したら、そこから戦略的な意味合いを引き出すために、作成を通して得た主な知見をチーム全員に書き出して披露してもらい、自由回答式の質問を投げかけ、各自の意見を掘り下げ、チームとしての戦略的知見を浸透させます。

 

STEP3.目的地を思い描く:買い手の効用マップ、非顧客層グループ

買い手の効用マップで、業界が顧客に強いている苦痛を探り出す。

買い手の効用マップは、「自分達の業界を含むほぼすべての業界が、解決すべき大きな問題を抱えている」という気づきを引き出す役割を果たします。

縦軸に効用を生み出す6つのテコ、横軸には顧客の6つのステージを並べ、全体で36の効用スペースができます。

  • ・縦軸(効用を生み出す6つのテコ)
    ①顧客の生産性、②シンプルさ、③利便性、④リスク低減、⑤楽しさや好ましいイメージ、⑥環境への優しさ
  • ・横軸(顧客の6つのステージ)
    ①購入、②納品、③使用、④併用、⑤保守管理、⑥廃棄

効用マップの作成方法

  • ・顧客体験のサイクルから始める。
  • ・効用を生み出す6つのテコを理解する。
  • ・買い手の効用マップを完成させる。
    効用を妨げる要因が見えてきたら、問題が明らかになった欄に「」を記入し理由を記録し、さらに業界が重視する分野に「○」を記入する。

 

非顧客層の3つのグループで、開拓可能な需要全体を把握する。

潜在的な需要全体
= 関数(業界の既存顧客+非顧客層の第一グループ+同第二グループ+同第三グループ)

  • ・第一グループ
    潜在的な非顧客層は市場の縁にいて、すぐに離反しかねない顧客
  • ・第二グループ
    断固たる非顧客層は、この業界の製品やサービスを検討した結果、意識的に購入を見送る人々
  • ・第三グループ
    未開拓の非顧客層は、現状では一見したところ無関係な市場にいる人々

 

STEP4.目的地への道筋を見つける:6つのパス、4つのアクション

6つのパスで、体系的な経路をもとに市場の境界を引き直す。

6つのパスというフレームワークは、市場を見るためのレンズを変えて、新しい価値コスト・フロンティアを開拓するための体系的な手法からなっています。

パスレッド・オーシャンブルー・オーシャン
パス1
代替業界に学ぶ
同業他社に着目する 代替業界に学ぶ
パス2
業界内の他の戦略グループから学ぶ
戦略グループ内における競争上のポジションに焦点を当てる 自分達の業界ないしターゲットとする業界の戦略グループを見渡す
パス3
別の買い手グループに目を向ける
業界の既存の買い手グループに焦点を当てる 複数の買い手グループを見渡して、業界の買い手グループを再定義する
パス4
補完財や補完サービスを見渡す
業界が定義する製品やサービスの価値をもとに、その最大化に焦点を当てる 顧客が求めるトータル・ソリューションを見渡して、製品やサービスの価値を増減させる補完財や補完サービスについて理解する
パス5
機能志向と感性志向を切り替える
業界の機能志向ないし感性志向の枠内で、費用対効果を高めることに焦点を当てる 自業界ないしターゲット業界の機能志向/感性志向を問い直す
パス6
外部トレンドの形成に加わる
外部のトレンドの適応に焦点を当てる 自業界やターゲット業界に間違いなく影響を及ぼす外部トレンドの形成に加わる

 

4つのアクションで、差別化と低コストをもとに実現する戦略案を考える。

4つの問いと向き合うと、業界の戦略ロジックやビジネスモデルに疑問を持ち、差別化と低コストの二者択一を乗り越えるブルー・オーシャン施策を見つけることができます。

  • ・減らす
    業界標準と比べて、大幅に減らすべき要素は何か
  • ・創造する
    業界で、これまで提供されていない、今後創造すべき要素は何か
  • ・増やす
    業界標準と比べて、大胆に増やすべき要素は何か
  • ・取り除く
    業界常識として、製品やサービスに備わっている要素の内、取り除くべきものは何か

 

行動手順

  • ・パスが浮き彫りにした主な知見を抽出する。
    集まったコメントや現地調査での観察結果を丁寧に読み込み、考察する。
  • ・4つのアクションの対象とすべき要素を洗い出す。
    4つのアクションの具体的な行動を記述したERRCグリッドを作成する。
    そのためには、コストをかなりの程度まで見通せる、行動の土台となる具体的な要素を用いる。
  • ・目指すべきは差別化と低コストの両方だと確認する。
    「増やす」「創造する」だけではなく、「取り除く」「減らす」対象の見極めにも努力を傾ける。
    なお、「創造する」の対象は、業界や市場にほとんど普及していない要素、業界の垣根の外側にある要素に注目する。
  • ・ブルー・オーシャン戦略案をビジュアル化する。
    できあがったERRCグリッド上の主要要素にスコアを付け、最初に「価格」、続いて「取り除く」「減らす」「増やす」「創造する」の順に並べていく。
  • ・製品やサービスの経済効果を社内に説明する。

 

STEP5.戦略を絞り込み、実行に移す

ブルー・オーシャン見本市で、実行すべき戦略を決め、短期の市場テストを行い、戦略を改良する。

  • ・レッド・オーシャン化した業界の現状を概観し、ブルー・オーシャン・シフトの必要性を述べる。
  • ・ブルー・オーシャン戦略案のプレゼンテーション
    製品を説明する、理想の戦略キャンパスを紹介する、ERRCグリッドを説明する、顧客にとっての効用を簡潔に紹介する、自社にとっての経済的便益をおおまかに説明する。
  • ・全てのコーナーを訪れてから投票するよう、参加者に呼びかける。
  • ・最大限のフィードバックと学習を引き出す。
  • ・どのブルー・オーシャン戦略案を実行に移すかを決める。

自社と顧客の両方に恩恵をもたらす大局的なビジネスモデルを仕上げ、戦略を完成させる。

製品やサービスを市場に投入し、展開していく。

 

目次

はじめに

第1部 ブルー・オーシャン・シフト

第1章 至高の先へ

第2章 市場創造戦略の基本

第3章 ブルー・オーシャン戦略家の発想

第4章 人間らしさ、自信、創造性

第2部 ブルー・オーシャン・シフトの5つのステップ

STEP1 準備に取り掛かる

第5章 出発点を決める

第6章 望ましいブルー・オーシャン・チームの構築

STEP2 現状を知る

第7章 現状を明確にする

STEP3 目的地を思い描く

第8章 業界の規模拡大を妨げる苦痛を探り当てる

第9章 非顧客層の海を見つけ出す

STEP4 目的地への道筋を見つける

第10章 市場の境界を体系的に引き直す

第11章 代替となるブルー・オーシャン戦略の立案

STEP5 戦略を絞り込み、実行に移す

第12章 ブルー・オーシャン戦略の選択と短期の市場テスト

第13章 ブルー・オーシャン戦略の完成と実行

むすび 国家によるブルー・オーシャン・シフトの実例

付録 日本企業ケース

 

参考

Blue Ocean Shift

Blue Ocean Shift Exercise Templates | Blue Ocean Shift

 

関係する書籍

blue_ocean

[新版]ブルー・オーシャン戦略
競争のない世界を創造する
W・チャン・キム(著)、レネ・モボルニュ(著)、入山 章栄(翻訳)、有賀 裕子(翻訳)
出版社:ダイヤモンド社 新版(2015/9/4)
Amazon.co.jp:[新版]ブルー・オーシャン戦略

 

 

ブルー・オーシャン・シフト(Blue Ocean Shift)

blue_ocean_shift

ブルー・オーシャン・シフト(Blue Ocean Shift)

W・チャン・キム(著)、レネ・モボルニュ(著)、有賀 裕子(翻訳)
出版社:ダイヤモンド社(2018/4/19)
Amazon.co.jp:ブルー・オーシャン・シフト

 

トップに戻る

関連記事

前へ

書籍 ブルー・オーシャン・シフト(Blue Ocean Shift)/W・チャン・キム(著)

次へ

世界AR/VR関連市場規模は2022年2,087億ドル(年平均71.6%)、日本は遅れるが製造や輸送で成長

Page Top