国内の主要電機6社業績と動向

国内の主要電機6社業績と動向

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2004年度、国内の主要電機6社業績と動向は、どんな状況なのか整理してみました。

近年、米国経済の力強さが戻るなど世界各地で景気の回復傾向が明確になり、国内でも好調な輸出に支えられて景気は緩やかに回復し、デジタルAV機器など個人消費にも明るさが見られてきました。

今後のIT市場は、製品・サービスの価格低下など依然厳しい環境で推移すると考えられるが、誰もが、いつでも、どこでも情報のやりとりができる「ユビキタス社会」の到来も予想されます。

そこで、国内主要電機企業6社の2004年度までの業績と主要指標推移を整理し、各社の動向を考察してみます。

国内主要電機企業6社

富士通㈱→略称:富士通、日本電気㈱→略称:NEC、㈱東芝→略称:東芝

松下電器産業㈱→松下、ソニー㈱→略称:ソニー、㈱日立製作所→略称:日立

対象期間:2004年度 4-9月期の業績及び通期の見込み

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国内電機8社について、2010年4~6月期決算と2010年度の予想をまとめましたので確認下さい。

国内主要電機企業6社の比較(2004年度4-9月期)

1.合計売上高

6社の合計売上高は、前年比4%増の10兆1,781億円と1Qから伸び率は低下したが増加傾向を維持した。

ただし、1Qでは6社全てが増収であったが、2Qは松下が21%増収となった半面、ソニーが減収、NEC及び富士通がほぼ横ばいに留まるなど、企業間の差が生じた。

松下電器は、松下電工・パナホームが連結対象子会社になったことに加えて、アテネオリンピック効果でデジタル家電が好調であった。

2.営業利益

6社合計で前年比50%増の3,629億円と高水準に達し、営業利益率で見ても各社ともに右肩上がりの推移が続いていることが伺える(注:移動平均であり、四半期単位では異なる)

個別企業では、NECを除いた5社が増益を達成し、富士通がシステムLSIや3G基地局が好調から89%営業増益、松下電器が連結子会社増加に加えて、デジタルAV・エアコンなどの好調から89%営業増益を達成した。

3.棚卸資産金額

6社合計で5,084億円と、6月末の5,131億円から減少し、また回転期間は1.52ヶ月となり前年2Qの1.52ヶ月と同数、今期1Q末の1.55ヶ月からは改善を見せた。

1Q末比で棚卸資産削減幅が大きいのはNEC、東芝で、増加したのはソニーと松下であるが、クリスマス商戦向けの在庫積み増しだけでなくデジタル家電の伸び悩みによる意図せざる在庫も懸念される。

4.電子デバイス関連事業の営業利益

6社合計は978億円となり、前期比で200億円の減少となった。特に富士通、東芝、ソニーなどでは1Qから2Qにかけてのマイナス幅が大きかった。

一方、富士通、NEC、日立のシステム関連事業の営業利益3社合計は前年比25%減の703億円となり、価格低下などに加え、四半期業績開示に合わせた利益計上均等化なども影響していると考えられる。

5.民生電機事業及びコンピュータ系ハードウェア事業

日立、東芝、松下、ソニーの民生電機関連の利益額はソニーの不調で低水準。

日立は同部門の利益額が前年比4.5倍、東芝は黒字転換、松下も同2桁増となり、デジタル家電の好調や白物家電の高機能化などが利益面でも貢献する形となった。

NEC、富士通、日立、東芝、ソニーのコンピュータ系ハードウェアの売上高は、前年比2%減となり、NEC、富士通、日立などでPC売上高が落ち込んだことが響いたと考えられる。

6.設備投資計画

電子デバイス関連を中心に前年比30%増の1.91兆円となり、前期末の計画値1.87兆円からは340億円の増加となった。

個別企業では東芝が3,060億円から3,300億円、日立が3,500億円から3,600億円に増加させた。

セグメントで見ると、東芝が電子デバイス部門の設備投資を270億円増の2,150億円としたほか、富士通も総額は変わらないが電子デバイスを50億円増の950億円とした。

また、富士通とNECの近年の推移を見ると、特に2001年度以降の設備投資が激減しており、これは業績低迷による設備投資の抑制と主力事業(本業)に絞り込んだ投資によるものであると考えられる。

7.株主資本比率の推移

松下、ソニー、日立は大きな変動はなかったが、富士通、NEC、東芝については近年改善が見られた。

富士通の2003年度の株主資本は8,271億円、株主資本比率は21.4%まで回復しており、これは本業の収益力回復による利益の計上に加え、投資有価証券売却益などの特別利益を計上したものと考えられる。

また総資産残高も3兆8,665億円と前年度末に比べて3,587億円減少しており。これはフラッシュメモリ事業やリース事業、FDK㈱の持分法適用関連会社への移行によるものと考えられる。

一方NECの2003年度の株主資本は7,115億円、株主資本比率は17.6%と大幅に回復し、これは本業の収益力回復と1,854億円の増資、厚生年金基金の代行部分返上などによるものと考えられる。

8.ネットD/Eレイシオの推移

2003年度に入り、富士通、NEC、東芝の改善が著しい。

特にNECの改善幅は大きく、これまでの数多くの改善策の結果が現れてきたと考えられる。

富士通の2003年度の有利子負債残高は1兆2,771億円となり、D/Eレイシオは1.54倍に改善した。

これは、本業の収益力回復とキャッシュフローの創出力の強化によるものと考えられ、今後1.0倍への達成が期待される。

特に有利子負債が前年度から4,866億円減少したのは、本業の収益力回復に加え保有株式の売却やリース事業会社の持分法適用関連会社への移行によるもの、さらに資本合計が1,247億円増加したのは、本業の収益の計上に加えファナック社が持分法適用関連会社でなくなり時価評価の対象となったことによると考えられる。

一方NECの有利子負債残高は1兆1,710億円となり、D/Eレイシオは1.65倍に改善した。

これは、本業の収益力回復に加え、特にたな卸し資産などの流動資産や設備投資の効率化、注力事業への経営資源の集中による資産整理などの資産圧縮に取り組んできたことや、NECエレクトロニクスなどの子会社上場による資金調達で手許金が増加したもの考えられる。

今後も中期成長戦略を実行し、利益増による資本充実に努めてさらなる改善が期待できる。そのためには、国内市場を中心とした確実な収益確保と成長を図り、さらに成長機会を獲得するために国内で実証された先進優位事業領域の海外展開を図ることが有効である。

9.固定比率の推移

2003年度に入り、NEC、東芝の改善が著しい。

また富士通の固定比率の改善は、2003年度の固定資産残高が前年度に比べて3,037億円減少したことによると考えられる。

これは、有形固定資産がフラッシュメモリ事業の持分法適用関連会社への移行や設備投資の選別、投資その他の資産がファナック社株式の売却影響やリース事業会社の持分法適用関連会社への移行影響などによるものと考えられる。

一方NECの固定比率の改善は、固定資産の減少と自己資本の充実との両面によるものと考えられる。

特に有利子固定資産の減少は、技術開発体制の強化に伴う事業場の一部売却、さらに日本航空電子工業及びその子会社が連結子会社から持分法適用関連会社になったことなどによるものと考えられる。

参照

富士通㈱ホームページIR情報(https://jp.fujitsu.com

日本電気㈱ホームページIR情報(https://www.nec.co.jp

松下電器産業㈱ホームページIR情報(https://ir-site.panasonic.com/jp/

ソニー㈱ホームページIR情報(https://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/

㈱東芝ホームページIR情報(https://www.toshiba.co.jp/about/index_j.htm

㈱日立製作所ホームページIR情報(https://www.hitachi.co.jp/IR/index.html

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