国内電機の2013年度第2四半期決算と通期予想、日立製作所、東芝、三菱電機は得意分野を活かして増収

国内電機の2013年度第2四半期決算と通期予想、日立製作所、東芝、三菱電機は得意分野を活かして増収

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国内の電機8社の2013年度第2四半期決算(2013年4月1日~9月30日)と通期予想が出そろいましたので、概況を整理します。

ここでは、日立製作所、東芝、三菱電機の3社について、2013年度第2四半期(2013年4月1日~9月30日)の各社の決算概要を整理します。

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日立製作所や東芝及び三菱電機は、リストラ主導型の回復から、得意分野での売上拡大と利益増加というパターンに移行しつつあります。

  • ・日立製作所は、自動車関連事業に加え、鉄道や情報システムなどの社会インフラ関連事業の伸長、円安やコスト削減効果
  • ・東芝は、スマートフォン向け半導体メモリ、太陽光発電や自動車向けに加え昇降機やITソリューション事業などの社会インフラ事業の伸長
  • ・三菱電機は、中国や韓国のスマートフォンメーカー向けのファクトリーオートメーション(FA)、海外の昇降機や自動車機器事業が伸長

日立製作所、東芝、三菱電機の3社の2013年度第2四半期(2013年4月1日~9月30日)の決算概要は、以下の通りとなっています。

日立製作所

  • ・売上高は、前年同期に対して1,152億円(2.6%)増の4兆4,707億円
  • ・営業損益は、同99億円増の1,735億円
  • ・純損益は、同27億円増の328億円
  • ・通期決算予想は、中国金融引き締めの影響や新興国を中心としたリスクを考慮して、前回予想を据え置いています。
    売上高:9兆2,000億円、営業損益:5,000億円、純損益:2,100億円

東芝

  • ・売上高は、前年同期に対して3,533億円(13.2%)増の3兆392億円
  • ・営業損益は、同369億円増の1,056億円
  • ・純損益は、同36億円減の215億円
  • ・通期決算予想は、上期増収とNADN型フラッシュメモリ好調による営業損益増などを見込んで、前回予想に対し売上高で2,000億円増、営業損益で300億円増と、上方修正しています。
    売上高:6兆3,000円、営業損益:2,900億円、純損益:1,000億円

三菱電機

  • ・売上高は、前年同期に対して1,159億円(6.8%)増の1兆8,119億円
  • ・営業損益は、同99億円減の797億円
  • ・純損益は、同47億円増の483億円
  • ・通期決算予想は、円安影響に加え、中国などの海外昇降機事業の好調、アジアでのFAシステム事業や北米での自動車機器事業の堅調により、前回予想に対し売上高で1,400億円増、営業損益で150億円増、純損益で100億円増と、全ての指標を上方修正しています。
    売上高:3兆9,500円、営業損益:2,200億円、純損益:1,200億円

日立製作所

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売上高、営業損益、純損益

売上高、営業損益、純損益の全指標で、前年同期を上回っています。

  • ・売上高は、前年同期に対して1,152億円(2.6%)増の4兆4,707億円となっています。
    国内原子力発電システムの減少により電力システム部門が減収したものの、中国での昇降機事業が好調であった社会産業システム部門に加え、サービスが好調に推移した情報通信システム部門、海外の空調や白物家電が伸長したデジタルメディア民生機器部門などの増収が貢献しています。

    なお海外売上比率は、46%となっています。
  • ・営業損益は、前年同期に対して99億円増の1,735億円となっています。
    電子装置システム部門や電力システム部門が減益したものの、自動車関連市場の回復や構造改革効果により高機能材料部門に加え、建設機械部門や情報通信システム部門の増益が貢献しています。
セグメント別

セグメント別では、3部門が増収増益、2部門が増収減益、3部門が減収増益、2部門が減収減益となっています。

  • ・情報通信システム部門は、サービスやATMの売上増に加え為替影響により前年同期比6%増の8,847億円
    営業損益は、売上増加と原価低減施策により41億円の増益で313億円
  • ・オートモーティブ部門は、北米及び中国などの海外の自動車受容の堅調により同6%増の4,267億円
    営業損益は、売上増加と操業度改善により15億円の増益で208億円
  • ・デジタルメディア民生機器部門は、海外の空調及び白物家電の伸長により同7%増の4,591億円
    営業損益は、売上増加と事業構造改革により15億円改善したものの8億円の赤字
  • ・社会産業システム部門は、中国向け昇降機事業の好調と鉄道システム事業の堅調により同10%増の5,973億円
    営業損益は、インフラシステム事業の海外プロジェクト悪化により5億円の減益で26億円
  • ・その他(物流サービス他)部門は、日立物流の増収と民生用電池の増収により同3%増の5,749億円
    営業損益は、物流量減少や新規事業立ち上げにより22億円の減益で185億円
  • ・建設機械部門は、中国や国内油圧ショベルが増加したものの、アジア太平洋州向けマイニング機械の売上減少により同3%減の3,580億円
    営業損益は、コスト削減により66億円の増益で294億円
  • ・高機能材料部門は、自動車関連製品などが堅調に推移したものの、ハードディスクドライブ関連事業の低迷により同1%減の6,695億円
    営業損益は、自動車関連の堅調と構造改革効果で110億円の増益で492億円
  • ・金融サービス部門は、日立キャピタルが海外好調であったものの、大口解約があったことにより同9%減の1,636億円
    営業損益は、日本ビジネスリースの子会社化や海外事業の売上増により23億円の増益で160億円
  • ・電力システム部門は、電力流通システムは増加したものの、原子力発電システムの予防保全の大幅減により同9%減の3,763億円
    営業損益は、売上減少に伴い52億円の減益で21億円
  • ・電子装置システム部門は、電動工具は増加したものの、半導体製造や医用分析装置などの売上減により同2%減の4,998億円
    営業損益は、売上減少に伴い91億円の減益で106億円
その他

2015中期計画(売上利益率7%超)の進捗状況は、以下の通りとしています。

  • ・目標達成に向け、業務プロセス、グループ構造に踏み込んだ「Hitachi Transformation Project」として、生産コスト・直接材コスト・間接コスト改革を推進中
  • ・「社会イノベーション事業のグローバル展開」「グローバルな経営体制と財務基盤の強化」「グループ構造改革」「金融サービス機能を活用したソリューション組成の推進」を着実に推進中としています。

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東芝

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売上高、営業損益、純損益

売上高と営業損益は前年同期を上回っていますが、純損益は税金費用増加の影響で下回っています。

  • ・売上高は、前年同期に対して3,533億円(13.2%)増の3兆392億円となっています。
    その他部門以外の主要4部門で増収し、特にメモリ販売数量増加と㈱ニューフレアテクノロジーの新規連結効果により大幅に増収した電子デバイス部門がけん引しています。

    なお海外売上比率は、61%となっています。
  • ・営業損益は、前年同期に対して369億円増の1,056億円となっています。
    デジタルプロダクツと社会インフラと家庭電器の主要3部門で減益したものの、大幅に増収した電子デバイス部門が貢献しています。
セグメント別

セグメント別では、電子デバイス部門のみ増収増益、3部門が増収減益、その他部門が減収増益となっています。

  • ・電子デバイス部門は、前年同期比42%増の8,786億円
    セミコンダクター&ストレージ事業は、システムLSI需要減少で減収したものの、メモリやストレージ事業での増収に加え、㈱ニューフレアテクノロジーの新規連結効果で増収
    営業損益は、売上増加に伴い861億円の増益となり上期では過去最高の1,137億円を達成
  • ・デジタルプロダクツ部門は、前年同期比4%増の7,158億円
    テレビなどの映像事業は、前年同期とほぼ同等であったが北米市場の販売減少により減収
    スマートフォン事業は、国内や欧州で販売減少したものの、流通事務用機器事業でIBMからの事業買収効果により増収
    営業損益は、流通事務用機器の増収、映像事業の構造改革、パソコンの戦略商品投入などで改善したものの、需要減の影響で営業損益は悪化して192億円の営業赤字
  • ・社会インフラ部門は、前年同期比6%増の12,118億円
    原子力、火力、水力の発電システムが減収したものの、太陽光発電や自動車向けなどの伸長に加え、昇降機やITソリューション事業などが増収
    営業損益は、増収に伴う増益であったものの、海外原子力発電システムの悪化に伴い258億円の減益で234億円
  • ・家庭電器部門は、前年同期比8%増の3,138億円
    タイの洪水の影響解消により白物家電事業が増収
    営業損益は、円安の影響で85億円の減益で64億円の営業赤字
その他

9月19日発表の「『創造的成長』の実現に向けた組織再編について」に基づき、10月1日から従来の4事業グループから5事業に再編
「電力・社会インフラ事業」「コミュニティ・ソリューション事業」「ヘルスケア事業」「電子デバイス事業」「ライフスタイル事業」

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三菱電機

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売上高、営業損益、純損益

売上高と純損益は前年同期を上回っていますが、営業損益は重電システムと情報通信システムの2部門の減益の影響により下回っています。

  • ・売上高は、前年同期に対して1,159億円(6.8%)増の1兆8,119億円となっています。
    6部門全てにおいて増収し、特に前年同期に対して495億円(11%)増の産業メカトロニクス部門、同366億円(9%)増の家庭電器部門、同106億円(13%)増の電子デバイス部門が増収をけん引しています。

    なお海外売上比率は、40.2%となっています。
  • ・営業損益は、前年同期に対して99億円減の797億円となっています。
    産業メカトロニクスと電子デバイス及び家庭電器の3部門が増益したものの、他3部門の減益を補うことはできませんでした。
セグメント別

セグメント別では、3部門が増収増益、他の3部門が増収減益となっています。

  • ・産業メカトロニクス部門は、前年同期比11%増の5,063億円
    スマートフォン及び液晶関連設備向けのFAシステム事業に加え、依然好調な北米自動車関連事業の伸長で増収
    営業損益は、増収に伴い50億円の増益で389億円
  • ・家庭電器部門は、前年同期比9%増の4,600億円
    国内向け太陽光発電システムやルームエアコン、アジアや北米向け空調機器の増加に加え、円安の影響で増収
    営業損益は、増収に伴い63億円の増益で231億円
  • ・電子デバイス部門は、前年同期比11%増の5,063億円
    産業用及び民生用パワー半導体などの需要増加と円安影響のあった半導体事業、車載用途製品の需要が増加した液晶事業の両事業で増収
    営業損益は、増収に伴い61億円改善して45億円の黒字化
  • ・重電システム部門は、前年同期比4%増の4,772億円
    国内電力事業及び国内外の大口交通事業案件の減少により社会インフラ事業は減収したものの、国内及び中国を中心とした海外の昇降機新設事業の増加によりビル事業が増収したため全体では増収
    営業損益は、売上案件の変動などにより159億円減の183億円
  • ・情報通信システム部門は、前年同期とほぼ同じ2,425億円
    通信インフラ機器の需要が減少した通信事業、電子及び宇宙事業の大口案件受注のあった電子システム事業、情報システムサービス事業は前年同期並み
    営業損益は、売上案件の変動などにより65億円減の31億円

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2013年度第2四半期決算と通期予想

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電機各社の決算発表

富士通 株式会社

日本電気 株式会社

株式会社 日立製作所

株式会社 東芝

ソニー 株式会社

パナソニック 株式会社

三菱電機 株式会社

シャープ 株式会社

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