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バーチャルからリアルに展開したビジネスを目の前にした。
これは、他のブランドやアパレル業界にとっては、脅威となるのではないか!
先日、家族で某百貨店に買い物に行った。
すると、ある子供服の店だけが、若いお母さんと子供でいっぱいで、だれもが先を争って数着の服を抱えて買っているではないか。
しかも一着当たりの値段は他の有名ブランドと変わらないし、レジ前では万札が数枚財布らか出ていっている。
どこのブランドかと嫁に聞くと、何やらゲームのキャラクターが着ている洋服を売っている直営店らしい。
㈱セガが運営している「LB Style Square」というオフィシャルショップだった。
「オシャレ魔女 ラブandベリー(通称:ラブベリ)」というカードゲームで、登場する洋服をそのままのデザインで実際の洋服を作り、販売しているというではないか。
帰りにゲームセンターに寄って、列を作っている女の子達にジロジロ見られながらも、「ラブベリ」というゲームを観察した。
このカードゲームは、小学生くらいの男の子の間で流行している「ムシキング」の女の小版のようなものであった。
ゲームの仕組みを一言でいうと、
ラブとベリーという二人の女の子が洋服やアクセサリーなどをコーディネートして、オシャレやダンスで勝負するというゲームである。(らしい)
- ・まず、「ディスコ」や「舞踏会」などの6つのステージを選択するとパジャマにボサボサ頭のキャラクターが登場する。
- ・そこでカードを読み込み、洋服や髪型・靴・アクセサリーなどでコーディネートする。
- ・そしてファッションが決まったら、パーティーに出かけて勝負する。
そう、バーチャルな着せ替えゲームと言ったら失礼かもしれないが、私にはそうとしか思えなかった。
調べてみると、ゲーム機の設置台数は全国で約6,800台、カード発行枚数にいたっては1億4,000万枚に達しているそうで、今や「ムシキング」を超えるブームらしい。
ゲームプロデューサは、言っている。
「親が子供に与えたいメッセージを入れるようにしている」
「身だしなみはオシャレの第一歩。オシャレはTPOが大切、大変だけど楽しいこと」
さらに、オフィシャルショップは年末までには、約200店舗を展開する予定らしい。
しかも、百貨店を中心に展開している。
ここには、ゲームが流行したから急遽ショップ展開をしているのではなく、用意周到に計画されたものではないだろうか。
他のアニメがキャラクターグッツや映画などに展開しているのとは、違うのではないだろうか。
ゲームを通じて「ラブベリ」ブランドを認知させ、コーディネートを疑似体験してイメージさせ、共鳴を得ている。
そして、バーチャルからリアルへ展開すれば、共感を得たファンが買うのは確実である。
しかも、ゲームでのファッション性豊かな洋服でも、女の子が実際に着ると課題となりそうなところは、イメージを損なうことなしに性能・機能面でも配慮されている。
例えば、ゲームでは「ヘソ出し」の洋服もあるが、実際の洋服は長めにして「お腹の冷え」に配慮されている。
あくまでも、「親子でコーディネートを楽しむ」コンセプトが貫かれている。
親と子供のコミュニケーションの場をつくっているし、一つの文化をも創造しうると言っても過言ではないと考える。
これこそ、ケビン・ケラー教授のいうブランドビルディング(CBBE)ピラミッドを登りつめているブランドではないか。
バーチャルとリアルの間を行ったり来たりしながら、相乗効果を得ているビジネスの成功例ではないかと考える。
そういえば私の小さい頃、「リカちゃん人形」で妹が一生懸命遊んでいたのを思い出した。
そして母がミシンを踏みながら、「リカちゃん人形」が着ている洋服を試行錯誤して作り、妹に着せていた。
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