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ブランド・エクイティとは、製品やサービスに与えられた付加価値であり、企業にとって心理的価値と財務的価値を持つ重要な無形資産である。
- ・この価値は、消費者があるブランドに関して、どう思い、感じ、行動するかに反映される。
- ・そのブランドが企業にもたらす価格、市場シェア、収益性にも反映される。
消費者が製品とそのマーケティング方法に対して、ブランドが特定される時の方が、されない時に比べて、
- ・好意的に反応する場合 :肯定的な顧客ベースのブランド・エクイティ
- ・好意的でない反応の場合:否定的な顧客ベースのブランド・エクイティ
ブランド・エクイティの構成要素
1.ブランド・エクイティの誕生
ブランド・エクイティは、消費者の反応の違いから生まれる。
もし、何の違いも生じなければ、そのブランドはコモディティか一般的な製品として分類される。
2.反応の違い
反応の違いは、消費者のブランドについての知識の結果である。
ブランド知識は、ブランドから連想される全ての考え、フィーリング、イメージ、経験、信念などからなる。
特にブランドは、強く、好ましく、ユニークなブランド連想を顧客に作り出さなければならない。
3.ブランド・エクイティの反映
ブランド・エクイティを作り上げている消費者の差別化された反応は、ブランドのマーケティングのあらゆる面に関する知覚や選好や行動に反映される。
また、デービッド・A・アーカー(David A.Aaker)教授の『ブランド・エクイティ戦略(Managing Brand Equity)』では、ブランド・エクイティを「ブランドの名前やシンボルと結びついたブランドの資産(あるいは負債)の集合であり、製品やサービスの価値を増大させるもの」としています。
そして、ブランド・エクイティに含まれる資産を、大きく5つに分類しています。
ブランド・エクイティに含まれる資産
ブランド・ロイヤルティ
- ・顧客がブランドに持つ愛着
- ・特定の製品カテゴリー中で、特定ブランドに対する消費者の忠誠心であり、一貫して購買する程度を指す。
ブランド認知
- ・顧客のブランドに対する認識、知識
- ・どのようなブランドであるかを顧客に潜在的に知られている。
特定のブランドを識別する消費者の能力を反映するものであるが、単にブランドを知っているというだけではなく、ある状況下でブランドを思い出す容易さ、思い出される購買や使用の状況の範囲がブランドにとって重要となる。
知覚品質
- ・顧客が他のブランドと比較して違いを感じる品質
- ・製品やサービスなどを購入する際には、その品質の客観的な特性を主観的に意味づけ知覚した結果に基づいて評価し選択する。
このような消費者側からみた対象の知覚をいう。
ブランド連想
- ・ブランドに対する顧客のイメージ、記憶
- ・ブランドが提示された際、そのブランドに関して何らかの知識やイメージ、感情が想起されること。
他の所有権のあるブランド資産
- ・特許権、商標権、取引関係など
強いブランドを構築するためには、顧客が製品やサービス及びマーケティング・プログラムを適切な形で経験し、ブランドにとって望ましいブランド知識構造を作り出すことです。
これをいかに実現するかが、マーケターの課題となります。
なお、別途本ブログで、緑茶ブランド「お~いお茶」「ヘルシア緑茶」「伊右衛門」のブランド連想について私なりに考察してみましたので、合わせてご確認ください。
緑茶ブランド「お~いお茶」「ヘルシア緑茶」「伊右衛門」のブランド連想
2005.5.7
参考書籍
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コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント
フィリップ・コトラー、ケビン・レーン・ケラー(著)
恩藏 直人(監修)、月谷 真紀(翻訳)Amazon.co.jp:コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント
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ブランド・エクイティ戦略
競争優位をつくりだす名前、シンボル、スローガン
デービッド・A. アーカー(著)、陶山 計介、尾崎 久仁博、中田 善啓、小林 哲(翻訳)Amazon.co.jp:ブランド・エクイティ戦略
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