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前回、国際連合経済社会局人口部が発表している「人口推計の2010年改訂:World Population Prospects, the 2010 Revision」の中位値(MEDIUM)データを使用して、世界の人口の変化を整理しました。
使用したデータによると、日本の人口の順位は、以下の通り今後大きく低下していくと予測されています。
今回、総務省や国立社会保障・人口問題研究所などが発表しているデータで確認しましたが、数値は多少の違いはあるものの傾向は同様でした。
まさに「少子高齢化」と「人口の減少」が、同時進行で急速に進んでいく状況です。
日本の人口の推移
例えば、厚生労働省が発表している「社会保障制度を取り巻く環境と現在の制度」では、以下の通りです。
- ・総人口は、1984年に1.2億人を超えて以来、近年横ばい状態でしたが、2008年の1億2,808万人を境に減少に転じて2010年は1億2,806万人となっています。
今後は、2025年は1億2,066万人、2050年は9,708万人、2060年は8,674万人と予測しています。
- ・生産年齢人口(15~64歳)は、1995年の8,717万人(総人口の69.4%)から減少に転じて2010年は8,174万人(同63.8%)となっています。
今後は、2025年は7,085万人(同58.7%)、2050年は5,001万人(51.1%)、2060年は4,418万人(50.9%)と予測しています。
- ・65歳以上の人口は増え続けており、2010年は2,948万人(高齢化率23.0%)となっています。
今後は、2025年は3,657万人(同30.3%)、2050年は3,768万人(38.8%)、2060年は3,464万人(同39.9%)と予測しています。
前回は「世界の人口の変化」、今回は「日本の人口の変化」について、公開されている情報の一部を利用して整理しました。
今後も増加し続けるアジア地域(2050年ごろから減少傾向)とアフリカ、これに対して日本はすでに減少過程にあり、今後は順位が大きく低下していくと予測されています。
「少子高齢化」と「人口の減少」は、消費力や労働力の縮小、そして国力の低下につながり、早期に根本的な対策が必要です。
特に企業においては、付加価値重視の経営に転換していくことが必要ですが、その中での働き方も変えていかなければなりません。
- ・独自の専門分野(ノウハウ)をつくり、継続して高め続ける。
- ・知的労働や高付加価値サービスへ転換する。
- ・高度なノウハウを持った外部(他国)と連携する。
ちょうど今朝、厚生労働省が「厚生年金基金制度を将来的に廃止する方針を固めた」と報じられました。
少子高齢化と人口減少の同時進行というかつて経験したこのない局面の中で、個人も企業も政府も発想を転換し、新たな社会システムを作り上げていかなければなりません。
日本は、これまでに様々な課題を解決し、発展してきました。
その過程で蓄積してきた多くの知恵を世代を超えて引き継ぎ、次世代の人たちも時代に応じて適用して欲しいと思います。
次回は、世代の構成と変化について、世界及び主要国の人口構成(人口ピラミッド)を整理します。
書籍『ワーク・シフト 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図』
リンダ・グラットン(著)、池村 千秋(翻訳) 、出版社:プレジデント社(2012/7/28)
参考:日本の人口に関する政府系の主なサイト
総務省
厚生労働省
国立社会保障・人口問題研究所
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≫ ワーク・シフトの要因「人口構成の変化と長寿化」を調べてわかったこと
2012.9.27 世界の人口の変化
2012.9.28 日本の人口の変化
2012.10.1 世界及び主要国の人口構成(人口ピラミッド)
2012.10.2 主要国の平均寿命と高齢化の推移
2012.10.5 主要国の男性割合、中国の婚期(20~39歳)人口の変化
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