このページ内の目次
相変わらず、毎日メールがたくさん来る。
読んで、返信するだけでも大変である。
スタッフや上司からの連絡・指示メールはともかく、最近特に多いのは部下が社内の他部門やお客様と取り交わすメールのCCである。
時には、他部門の人から突然CCで来るメールもよくある。
メールの内容は、議事録や問合せ、そしてその回答など様々である。
上司や関係者に経過を知っておいてほしいという気持ちはわかるが、何でもかんでもCCで送る必要はないと思う。
しかも、営業にとっては昼間のゴールデンタイムにもメールが飛び交っている。
ということは、外出もせずにPCの前で一生懸命メールを打っているのか。
昼間はお客様と会える貴重な時間なのに、社内でメールを打つことが仕事だと思っているのではないかと不安に感じる。
メールは、送信者も受信者も都合の良い時に読み書きでき、履歴が残るなど便利なツールではあるが何かおかしい。
こんなことを言うと、「古臭い営業」と思われるかもしれない。
特に商品やサービスが短時間でコモディティ化する現在においては、フロント業務である営業力で差別化し、お客様の信頼を勝ち得ることが重要ではないかと考える。
確かにAmazonやeBayなどのように、ITだけでフロント業務をこなして成功している企業もあるが、当社のようなITベンダーは「ITと人間が適切に融合したフロント業務」が必要であると考える。
それなのに、ITにばかりに頼りすぎて、人間ならではの業務をなおざりにしているようにしか思えない。
お客様との第一接点が営業である。
だからと言って、大した用件でもないのに「会って会話をしろ」とは言わない。
当然、相手には「会って話をしたい」気持ちになってもらわなければならない。
そのためには、役に立つ情報を提供し、期待以上の価値を提供しなければならない。
確かにITは、人間が従来していた業務を効率化してくれたし、インターネットや携帯端末などはフロント業務の仕組み自体をも変えている。
その分、質の高いサービスを人間が提供できる余裕ができるはずである。
フロント業務のITと人間の組合せは、業種業態によって違うが、いづれにしてもお客様に提供できる価値の最大化を目指すべきである。
フロント業務で重要な情報は、
①相手の個人情報、②相手の行動(購買)履歴、③相手や自分が受ける感情
と言われるが、①や②をデータとして蓄積・抽出するのはITの得意な業務である。
しかし、③はお互いの気持ちで決まる情報であり、会う人や会話の状況などによって変化するため、人間に委ねるしかない。
(誰もが均一に感情をデータ化できれば別であるが、まだ困難であろう)
メールも時間や距離を短縮してくれ、広範囲で情報交換や連携できるツールの一つなので、有効活用すべきである。
しかし、ちょっと電車に乗ればお客様に行けるし、ちょっとエレベータに乗れば他部門に行けるではないか。
直接行って会話し、相手と「感情の交換」をすればよい。
これがリレーションシップの始まりではないかと考える。
関連記事
前へ
ITセキュリティ投資の評価
次へ
デジタル中吊り広告発見