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携帯ビジネスも一般的インターネットと同様、上位のコンテンツや異業種の参入によるサービスが多様化し、市場が活性化することが予想される。
そこで、既存携帯インフラ事業者・携帯事業を形成していた既存事業者・携帯ビジネスに新たに参入する事業者の今後のサービス化に向けた対応策を以下にまとめる。
(1)既存携帯インフラ事業者
番号ポータビリティ制度により、Yahoo!等のコンテンツ事業者の参戦が活発化し、ユーザの獲得競争が激化する中で、既存の携帯事業者はこれまでの垂直統合モデルが弱みとなる可能性がある。
そこで、これまでの垂直統合を超えて、異分野事業者や生活インフラ攻略に向けた業務提携・資本参加を積極的に行っていくべきである。
特に、これまでの携帯ビジネスにおけるブランドを利用して、サービス事業者として変革する。それは、これまでの事業で蓄積してきた技術・ビジネスのノウハウ及び組織体制等は、他事業者との差別化の基盤とすることができ、今後も強みとなる。
そのためには、事業の効率化を図ることにより柔軟な価格設定、利用環境やニーズを意識したサービスの企画・提供等、サービス事業展開に向けたバリューチェーンを構築するキープレーヤーとなることが必要である。
(2)携帯事業を形成していた既存事業者
携帯を取り巻く環境変化に伴い、これまでの携帯事業のバリューチェーンを構成していた事業者も変化が余儀なくされることになる。
特に携帯端末メーカ、OS・プラットフォーム事業者の今後の方向性をまとめる。
①携帯端末メーカ
これまでの携帯インフラ事業者への依存からグローバルを視野に入れた事業展開を目指す。
そのためには、国内事業者はハード開発からソフト開発へ拡大し、必要により業界規模で再編成を実施することが必要である。
特にこれまでは携帯インフラ事業者を顧客としてハードを開発してきたが、今後は利用者やサービス事業者との連携も視野に入れた事業展開も検討すべきである。
また、海外市場で膨大なシェアを保有する端末メーカが、低価格を武器に国内に本格参入することは必至であり、これに対して今後はハードの仕様を共通化し、製品の違いは機能や使い勝手、デザイン等を打ち出して差別化を図るとともに、低価格で提供できる仕組みを構築すべきである。
またPDAと携帯電話の両方の機能を持つ携帯ビジネス端末の開発もビジネス拡大の可能性がある。
②OS・プラットフォーム事業者
今後のインフラや端末選択の多様化に備えて、デファクト化に努める。特にOS分野では主に3つのOSの流れがあるが、それらと同期を取りながら共通で利用できるソフトやプラットフォームを開発する。
さらには一般的インターネットや携帯サービス事業者との連携を視野に入れて、共通で利用できるソフトやプラットフォームの開発を目指すべきである。
(3)携帯ビジネス参入事業者
インフラの高速・低価格化、番号ポータビリティ制度、さらにMVNOにより、既存のインターネット接続事業者やケーブルテレビ事業者に加え、小売・自動車・セキュリティ等のリアル事業者、コンテンツ・サービス事業者等にとっては絶好のビジネス拡大のチャンスである。
そこで各事業者の強みを活かし、リアルビジネスや一般的インターネットと融合し、さらにモバイル性を追求した様々なサービスを展開すべきである。
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