ロボットの市場動向-種類と特徴及び販売台数構成、ロボット産業の市場動向と今後の予測

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世界の産業用ロボットの販売台数

出典:国際ロボット連盟(IFR)「世界の産業用ロボットの販売台数」、2018年10月18日

世界のロボットの市場規模は、日本・欧州等における労働力人口減少、中国・新興国などにおける賃金上昇や品質向上ニーズ拡大などを背景として増加傾向にあります。

2006年から2016年にかけて、日本製ロボットの世界出荷は2倍近く増加しているものの、中国製の伸びなどを背景としてシェアは減少しています。(中国では、2011年から2016年に3倍以上に拡大)

そこで、産業用ロボットの種類と特徴及び販売台数構成、ロボット産業の市場動向と今後の予測について、世界と中国の状況を整理します。

 

産業用ロボットの種類と特徴

ロボットの種類

 

富士経済「ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望(2017)」によると、2016年の業種別機種別販売台数構成(世界)は以下の通りとなっています。

  • ・アクチュエーター系と組立・搬送系は、多くの業界で用いられている。
  • ・溶接・塗装系は自動車業界、クリーン搬送系は電子デバイス業界が主な需要セクターとなっている。
  業種別機種別販売台数構成(2016年、世界)
自動車業界 電子デバイス業界 コンシューマー 食品・医薬・化学
市場規模 23万台 14万台 12万台 4万台
アクチュエーター 38% 70% 53% 54%
組立・搬送系 33% 17% 46% 45%
クリーン搬送系 29% 13% 2%

富士経済「ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望(2017)」を参考にしてATY-Japanで作成

 

今後は、既にロボット導入が進んでいる自動車・電子デバイス業界において、中堅企業への導入が拡大し、食品・医薬品・化学品などの「その他の業界」で普及していくと予想しています。

 

ロボットの市場動向

政府「ロボット新戦略」(2015年1月23日)では、ロボットの市場規模を当時の6,000億円から2020年には2兆4,000億円へと成長させることを目標としており、その内訳は、製造業で1兆2,000億円、非製造業で1兆2,000億円にすることとしています。

また、経済産業省の「ロボット産業市場動向調査結果」(2013年7月18日)によると、ロボット産業の将来市場は、2025年に5.3兆円、2035年には9.7兆円になり、製造分野以外でのサービス分野の伸びが特に著しくなると予測しています。

2035年 9.7兆円の分野別内訳:製造分野 2.7兆円、ロボテク(RT)製品分野 1.5兆円、農林水産分野 0.5兆円、サービス分野 4.9兆円

日本のロボット出荷

出典:経済産業省「第7回 産業構造審議会 製造産業分科会」、2019年4月10日

そして、2019年4月10に開催された「第7回 産業構造審議会 製造産業分科会(経産省)」の「【参考】製造業を巡る環境変化に対する課題と方向性」では、以下の指摘がされています。

  • ■ロボット産業の担い手は、日独の二極化から多極化し、特に中国が著しく伸びている。
  • ■日本製ロボットの世界出荷は2倍近く増加しているものの、中国製の伸び等を背景にシェアは減少している。
    ・全世界の出荷台数:2006年 111,052台 → 2016年 294,312台
    ・日本製の出荷台数:2006年 79,476台(シェア72%) → 2016年 152,672台(同52%)
  • ■製造業へのロボット導入は、数で中国がトップとなる。
    ・日本の導入台数:2006年 37,393台(シェア34%) → 2017年 45,566台(同12%)
    ・中国の導入台数:2006年 5,770台(シェア5%) → 2017年 137,920台(同36%)

 

中国の産業用ロボットの動向

中国の国家戦略構想

出典:経済産業省「2019年版ものづくり白書」、2019年6月11日

中国は、2015年5月に「中国製造2025」、同10月に「重点領域技術ロードマップ」を公表し、製造業の「全体的な底上げ」と「重点分野強化」により製造業の競争力強化を目指しています。

ロボット産業は10大重点分野の一つとして、製造業全体の効率・品質向上に対して重要な役割を果たすものと位置づけています。

さらに、2016年4月に「ロボット産業発展計画(2016~2020年)」を公表し、ロボットのコア部品とハイエンド製品水準という「二つの突破」、品質の信頼性・、自主ブランドの市場シェア・大手企業の競争力の「三つの向上」を掲げ、今後5年間における中国ロボット産業の高度化の方向性を示しています。

中国の産業用ロボットの販売台数

  • ■2014年(実績):5.7万台
    ・自主ブランド:1.7万台
  • ■2020年(予想):15万台
    ・自主ブランド:10万台(国内市場シェア:50%)
    ・国産コア部品自給率:50%
    ・平均無故障時間:8万時間
  • ■2025年(予想):26万台
    ・自主ブランド国内市場シェア:70%
    ・国産コア部品自給率:70%
    ・平均無故障時間:国際先進レベル

 

近年の中国市場の拡大要因は、EMSやスマートフォン関連、自動車関連分野においてロボットへの設備投資が好調でであり、特に小型垂直多関節ロボットやスカラロボットなどの小型ロボットの需要が増えたことによります。

 

産業用ロボットは、日欧中などにおける労働力人口の減少、賃金上昇、品質向上ニーズ拡大を背景にして、自動車・電子デバイス業界を中心に普及が進んできましたが、現在では他業界にも広がりを見せつつあります。

今後は、これまでロボットが導入されてこなかった業界への展開に伴い、システム構築に向けたロボットメーカーやSIerの活用も進むと予測されます。

  • ■需要拡大が見込まれる分野への販売先開拓
  • ■依然、成長している中国市場への攻略
  • ■ヒト協調ロボットなどの新しいロボット(協働ロボット)の開発によるロボットの利用機会拡大
  • ■IoTやAI技術の活用によるスマート工場などの実現に寄与

 

参考:ロボット市場動向に関する主なサイト

株式会社 富士経済

 

国際ロボット連盟(IFR:International Federation of Robotics)
Global industrial robot sales doubled over the past five years

 

第7回 産業構造審議会 製造産業分科会(METI/経済産業省)

 

株式会社 三井住友銀行
産業用ロボット市場の動向(PDF)

 

ロボット導入.com

 

 

ロボット関係

 

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