ARやVRが本格的に拡大する兆し、MRやXRを含めた主な違いと今後拡大していく可能性を整理

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スマートスピーカと同様に、昨年からAR(拡張現実)VR(仮想現実)を使った様々なデバイスが発売され、それらの活用事例も多くなり、急速に普及してきています。

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この分野の事例は以前からあり、以前当サイトでもご紹介してきましたが、近年のプロセッサの小型軽量化や高性能化、関連するコンテンツやサービスの展開などにより、一般向けやビジネス向けに急激に広がってきています。

そこで、AR(仮想現実)やVR(仮想現実)及びMR(複合現実)の主な違いと最近の動向について整理していきます。

 

AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、MR(複合現実)

メガネやゴーグルのようなものを装着したり、スマートフォンを通したりして、人が右往左往している姿を垣間見たことがある方も多いと思います。

特に昨年は、ゲームでヒットしたことから、ARやVRという言葉を聞くケースが多くなってきています。

いづれも、画面やスマートフォンを通して疑似体験するものですが、ARとVRとは違いがあります。

  • ・ARは「拡張現実」と訳され、直接見える現実の世界に、実際には存在しない映像や情報を新たに追加表示(拡張)したものと合わせて利用する。
  • ・VRは「仮想現実」と訳され、独自に作成した映像やCGを映して、仮想空間や映像空間内に人が入り込んで利用する。
  • ・MRは「複合現実」と訳され、マイクロソフトが唱えたもので、ARやVRより進んだ概念として主張しています。
  • ・XRは、上記の3つと違って具体的な技術を指すものではなく、ARやVRなどの関連技術の総称を表しています。

 

AR(Augmented Reality):拡張現実

AR(Augmented Reality)は「拡張現実」と訳され、メガネやスマートフォンを通して直接見える現実のモノに、実際には存在しない映像や情報を新たに追加表示(拡張)したものと合わせて利用するものです。

メガネなどを通して肉眼で見えている実物に、新たな情報をメガネ上に重ね合わせて表示させるところに特徴があります。

代表的な例としては、メガネを通して風景や建物を見ると、それらの説明や関連する情報などを画面上に付加表示したり、市街地を見ると現れたキャラクターをゲットすると点数を獲得できるゲームなどがあります。

実在の背景に様々な情報を付加することができることから、ゲームや観光などの一般向けに加え、ショウルームなどでの配置シミュレーション、点検やメンテナンス作業などのビジネス向けに、活用の範囲が広がってきています。

主要メーカの動きでは、Appleが「iOS 11」で「ARKit」フレームワークを公開したり、GoogleがAndroidデバイス向けに「ARCore」フレームワークを発表したり、さらにインテルもARスマートグラス「Vaunt」を公開したりするなどの動きがあります。

 

VR(Virtual Reality):仮想現実

VR(Virtual Reality)は「仮想現実」と訳され、独自に作成した映像やCGを映して、仮想空間や映像空間内に人が入り込んで利用します。

ディスプレイには、独自に作成した映像やCGなどのデジタル情報のみを表示するのが特徴です。

ARは実在の背景に付加した情報と合わせて利用するのに対し、VRは現実世界から隔離された状態で、CGなどで作成された仮想空間に入り込んで利用するところに違いがあります。

また、ARは実在の背景が必要なため、屋内外で利用する場合が多いのに対し、VRは主に屋内、据え置き状態で利用する場合が多くなります。

そのため、サイズは、ARは小型軽量の携帯性を追求することが必要となってきますが、VRは利用者の負担にならない大きさと重量、機密性及び安全性を確保することが必要となり、さらには椅子などと組み合わせた体感型環境を構築することも考えられます。

映画(シアター)及びアトラクションやゲームなどの一般向け、教育やシミュレーションなどのビジネス向けに、様々な領域で活用されてきています。

VRデバイスは、ディスプレイの一つという位置づけにあり、PCやゲーム本体などと接続して利用するのが基本となっており、単体で利用できるデバイスは今のところ少ない状況です。

また、VRに最適化された機能を兼ね備えたスマートフォンを取り付けて利用するタイプもありますが、最近は単体(スタンドアロン)で利用することができるデバイスも発売されています。

 

MR(Mixed Reality):複合現実

MR(Mixed Reality)は「複合現実」と訳され、マイクロソフトが唱えたもので、ARやVRより進んだ概念として主張しています。

製品としては「Microsoft HoloLens」があり、個人開発者向けに「Development Edition」(税込直販価格:333,800円)、エンタープライズ向けに「Commercial Suite」(同555,800円)があり、主に研究や特定業務向けのビジネス利用が多い状況です。

本体内にCPUやGPU、独自の「ホログラフィック・プロセッシング・ユニット(HPU)」が内蔵されており、OSはWindows 10上で単体で動作するのが特徴です。

透明のディスプレイを通して実際の背景にCGを組み合わせて表示させたり、周辺認識カメラを4つと慣性計測ユニットなどを搭載し、視線やジェスチャーの検知、デバイスの移動量検知、CGオブジェクトなどを認識する機能を利用したりすることができます。

そのため、ARとVRを兼ね備えたデバイスと言うこともできます。

MRは、現実空間に「拡張された情報」を表示することについてはARと同じですが、ARが現実のモノなどとは直接関係を持たずに目の前に情報を表示するのに対し、MRは現実世界に仮想のモノを組み込んだ空間をつくり出すことができるところに違いがあります。

また、「Windows Mixed Reality(Windows MR)」は、加速度やジャイロなどのセンサー、コントローラー検知用のトラッキングカメラと密閉型ディスプレイを組み合わせたデバイスで、Windows PCに接続して使用します。

最近では、デル「Dell Visor with Controllers VRP100」、日本HP「HP Windows Mixed Reality Headset」、富士通「Windows Mixed Reality対応ヘッドセット」など、主要PCメーカからも発売されています。

 

XR(Extended Reality):ARやVRなどの関連技術の総称

XR(Extended Reality)は、具体的な技術を指すものではなく、ARやVR及びMR、さらにCinematic Reality(CR)、SR(Substitutional Reality)なども加わって、関連技術の総称として使われています。

XR関連では、AR/VRの標準化規格「OpenXR」があり、そこにはAMD、ARM、Google、インテル、マイクロソフト、NVIDIA、Unity、エピックゲームズ(Unreal Engine)などが参加しており、OSVR(Open Source Virtual Reality)を推進しているSensicsも参加しています。

今回、OSVRが対応したことにより、利用できるAR及びVRアプリケーションが増えていくことが予想されます。

 

今後、拡大していく可能性

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VR(仮想現実)やAR(拡張現実)といえば、やはり10代から20代の若年層を中心に、体験者が多い傾向にあることは想像できます。

若年層は、新しい技術への取り組み意欲が強い傾向にあるだけではなく、様々なコンテンツやサービス、利用できる施設などの環境が整ってきたことによるものと思います。

利用領域では、VRは映画やゲームの他に、ファッションや旅行・観光など、ARは「Pokemon GO」などのゲームの他に、「Instagram」や「snow」などの写真や動画系での利用が想定され、若年層以外にも広まってきています。

そして、利用シーンが多くなるとともに低価格化が進むと、利用環境も特定の施設だけではなく、家庭内や個人での利用が進んでいくこととなります。

2018年5月に、VRヘッドセットとして、Facebook傘下企業のOculus VR「Oculus Go」やLenovo「Lenovo Mirage Solo with Daydream」が発売され、この分野での拡大が予想されます。

「Oculus Go」は32GBモデルが税込み23,800円、64GBモデルが同29,800円、「Lenovo Mirage Solo with Daydream」は同55,296円です。

主な違いは以下の通りですが、両モデルとも単体(スタンドアロン)で利用できることに大きな特徴があります。

  • ・「Oculus Go」は、頭の前後左右の傾きなどの限定的な動きに対応している。
  • ・「Lenovo Mirage Solo with Daydream」は、全身を使ったVR体験ができる。

これまでのモデルは、スマートフォンを組み込んだり、PCやゲーム機本体と接続したりして利用することを基本としていましたが、今回の両モデルは単体で手軽に利用できることが魅力となります。

この分野も未だ発展途上であり、今後の技術開発とともに関連するコンテンツやサービスが展開されることにより、一般向けやビジネス向けに拡大していくことが予想されます。

 

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