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日本経済の明日を読む2011
「持続回復への試練」
みずほ総合研究所 (著)
出版社:東洋経済新報社
再び減速に向かう世界経済
日本は二番底を回避できるか?
世界経済、金融市場がますます不安定化するなかで、果たして日本経済は回復基調を持続できるのか?
本著は、みずほ総合研究所のエコノミストが、日米欧及び中国やアジア、金融や原油及び不動産といった内外経済金融の現状を分析した上で、2011年の展望を示した一冊です。
特に今年は、「円高」「デフレ」「財政再建」などの日本経済にとって重要なテーマ10分野を抽出し、第3章で「日本経済を読み解く10の着目点」として個別に分析されており、とても参考になります。
2010年が金融危機からの回復を明確にするかが問われた年であったとすれば、2011年は、大恐慌期と類似するように見える主要国の財政緊縮がどのような経済展開を世界にもたらすかが明確になる年となろう。
経済動向ベクトルは2010年とは逆方向であり、明るい年となるようには見えない。
そして、2010年に引き続いて、先進国経済と中国を中心とした新興国経済との二極化が際立つのか、あるいは新興国経済の成長までが減衰するのか、不安と期待が入り混じる年となろう。
2011年への不安と期待
財政緊縮は続き、先進国経済は減速しよう。
一方、新興国の高成長は持続することとなろう。
注目は中国経済。2011年にかけて実質9%程度の高い成長を維持することとなろう。
日本経済も、
- ・2010年度下期にかけて景気が一時的に停滞する「踊り場」に向かうことになろう。
- ・しかし2011年度には、中国の高成長などに支えられて輸出が勢いを取り戻し、それが内需に波及することになろう。
第1章 内外情勢の回顧と現状
1.不安材料を抱えつつも、回復を続けた2010年の世界経済
2.2011年の世界経済―回復は続くが、不確実性は増大
3.不安増す日本経済の現状
第2章 2011年の内外経済・マーケットを読む
1.2011年の日本経済を読む
2.米国経済の現状と展望
3.欧州経済の現状と展望
4.中国経済の現状と展望
5.アジア経済の現状と展望
6.世界経済の長期不安定化リスク
7.金融マーケット(株・金利・為替)の展望
8.原油相場の展望
9.不動産マーケットの展望
第3章 日本経済を読み解く10の着目点
1.成長戦略:期待は叶えられるか?
2.円高:「円高で景気腰折れ」は本当か?
3.デフレ:デフレはいつまで続くのか?
4.個人消費:耐久財購入支援策終了のインパクトは?
5.雇用:派遣切りと就職難が浮き彫りにした日本の労働市場の問題点
6.財政再建:本当の危機はいつ訪れる?
7.消費税率引上げ:景気回復との両立は可能か?
8.国際競争力:技術力ナンバーワンでなぜ負けるのか?
9.収益力:中小企業は蘇るか?
10.地方経済:雇用創出に魔法はあるのか?
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