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EXIT-売却-
勝間 和代(原案)、奈部 真(作)
出版社:㈱マガジンハウス
変革のためには、
- ・お客様のために価値ある適切な事業戦略
- ・その実現を具体的に推し進める実行力
外資PEファンドから、業界再弱の通信社会にターンアラウンド(再建)を託され送り込まれた29歳の主人公(独身女性)。
そのミッションは、1年以内に成長戦略を立案実行しトップライン(売り上げ)を押し上げること、さらに1年後には、好条件でエグジット(売却)を完了させること。
マッキンゼーやJPモルガン証券を経て、現在は経済評論家として活躍されている勝間和代氏が、そのキャリアから得たビジネスメソッドを物語の中で再現されています。
- ・通信業界の動向、戦略コンサルティングファームの手法、外資ファンドの思考
- ・新たな事業を展開していく際の検討事項
- ・上司や部下の信頼を得て、プロジェクトを推進していくためのリーダーの姿勢
などの全体像が、物語を読んでいく中で理解できる一冊です。
しかし、事業戦略やファンドなどの実践的なノウハウやフレームワークを学びたい方には、少し物足りないと思います。
MBA修了後、世界的なPEファンドに転職直後
- ・業界最弱の通信会社の執行役員経営企画部長として出向を命じられた主人公
- ・メンバーは個性派揃いだが、その能力は会社から充分評価を受けていない
その時、主人公がとった手段。
- ・次第に信頼関係が生まれ、チームが結束して成長戦略を立案し、承認される。
市場環境の変化が激しい通信業界、携帯とPHSの争い
- ・その中で、新たな成長戦略を立てていく際の検討プロセス、
そして一旦は順調に売上を伸ばしたが、すぐに業界大手の競合が同様のプランをぶつけてくる。
- ・資本力と営業力で太刀打ちできな状況で、全社をあげての奮闘振り
本来のミッションである、EXITのタイミングも迫ってきていた。
- ・苦楽をともにした仲間を裏切るような罪悪感が主人公を襲う。
- ・技術特性が生かされる買い手を探して、海外政府系ファンドへ単身で折衝し、買い手として手を挙げてくれた。
- ・デューデリジェンス(試算調査)に忙殺される主人公たち経営企画部。
別のPEファンドが、海外政府系ファンドよりも高値での買収を企図する。
10億、100億単位の金銭のやりとりが活写される。
それらのストーリーの中でのMBA的な思考
なによりも、MBAで同じ志を持ち供に勉強した仲間の重要性、卒業後も何かあれば率直な意見交換をする。
この書籍を読みながら、MBAの友人を思い出しました。
なお本書は、iPhoneやiPadでも読むことができるようです。 → iTunes App Store
6月4日(金)~6月10日(木) 発売記念特別価格 450円
6月11日(金)より1,000円となるらしいです。
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