現地時間2017年2月2日、「2016年4Q(10~12月期)と年間の世界タブレット出荷台数とシェア」が、IDCから発表されましたので概要を整理します。
更新
2017年5月23日 関連情報:世界のタブレット2017年1Qの出荷台数とシェア、10期連続で減少
2017年2月04日
IDC発表によると、従来型タブレットと2-in-1デバイスの両方を対象にした2016年4Qの世界の出荷台数は、2015年4Qの6,620万台に対して1,330万台(20.1%)減の5,290万台となっています。
年末商戦を取り込んで3Qからは増加したものの、前年4Qに対しては減少し、2014年4Qから9四半期連続で減少したこととなりました。
上位5位までのベンダー別の対前年同期では、1位のApple(18.8%減)と2位のSamsung(11.4%減)、2Qに大幅増となった3位のAmazon(0.6%減)が減少したのに対し、4位のLenovoが14.8%増、5位のHuaweiも43.5%増と今期も増加を維持しています。
IDCの発表では、従来型のタブレット「スレート型」とキーボード着脱式2-in-1「デタッチャブル型」の2つに分けて分析していますが、現在の出荷台数の大半が「スレート型」であるものの伸び悩んでおり、「デタッチャブル型」も勢いを維持するのに苦戦しているとしています。
なお、市場は依然と2-in-1型に好意的としていますが、キーボードが回転/スライドするなどしてタブレットとしても使える「コンバーティブル型」と、「デタッチャブル型」との間で性能や価格の差が縮まり始めており、今後は両者との競争が激しくなり、タブレットの成長が抑制される可能性があると指摘しています。
2016年4Qのベンダー別出荷台数とシェア
世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移
2016年4Qの出荷台数は、以下の通りとなっています。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減数 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 1,310万台 | 1,610万台 | △300万台 | △18.8% |
2位 | Samsung | 800万台 | 900万台 | △100万台 | △11.4% |
3位 | Amazon | 520万台 | 520万台 | 微減 | △0.6% |
4位 | Lenovo | 370万台 | 320万台 | 50万台 | 14.8% |
5位 | Huawei | 320万台 | 220万台 | 100万台 | 43.5% |
全体 | 5,290万台 | 6,620万台 | △1,330万台 | △20.1% |
2016年4Q(10~12月期)の世界のタブレット全体の出荷台数は、前年同期6,620万台に対し1,330万台(20.1%)減の5,290万台となりましたが、2016年3Qからは990万台増加しています。
ベンダー別では、
Appleの出荷台数は1,310万台(前年度同期1,610万台:300万台減、18.8%減)
- ・「iPad Pro」の販売に力を入れているものの、同社出荷台数の大半は「iPad Air」と「iPad mini」が占めています。
- ・高性能で高価格の「iPad Pro」の出荷台数は「タブレット10台のうちの1台程度」と、販売の中心は低価格モデルであるとしています。
Samsungは800万台(同900万台:100万台減、11.4%減)
- ・「Tab S2」や「Tab A」が、同社の最強モデルとして続いています。
- ・米国、欧州、日本を除くアジア/太平洋が、引き続き出荷の中心となってるようです。
Amazonは520万台(同520万台:微減、0.6%減)
- ・低価格タブレット「Fire」をブラックフライデー販売期間中に値下げし、販売数を維持しました。
- ・しかし、4Qの対前年同期比減を食い止めるまでには至らなかったようです。
Lenovoは370万台(同320万台:50万台増、14.8%増)
- ・幅広いラインナップを展開することにより全体で増加し、2017年も注目するベンダーであるとしています。
- ・「YOGA BOOK(日本での発売は9月)」は、市場で高評価を得ているようですが、IDCではPCとして集計しているようです。
Huaweiは320万台(同220万台:100万台増、43.5%増)
- ・セルラー(LTE)搭載モデルを提供は、同社のポートフォリオに証明されてきているようです。
- ・米国での存在感は低いようですが、アジア、欧州、中東市場での展開が拡大しているようです。
世界のタブレット、ベンダー別シェア推移
2016年4Qのシェアは、以下の通りとなっています。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減 | |
---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 24.7% | 24.3% | 0.4 |
2位 | Samsung | 15.1% | 13.6% | 1.5 |
3位 | Amazon | 9.7% | 7.8% | 1.9 |
4位 | Lenovo | 7.0% | 4.9% | 2.1 |
5位 | Huawei | 3.2% | 2.2% | 1.0 |
シェアは、出荷台数が前年比減少したAppleが24.7%と依然トップを維持し、2位のSamsungが15.1%、3位のAmazonは3.2%です。
一方、出荷台数が増加した4位Lenovoが7.0%、5位Huaweiは6.0%となっています。
Appleは依然トップを維持しており、前年同期に対し0.4ポイント増の24.7%(前年同期24.3%)
2位のSamsungは、同1.5ポイント増の15.1%(同13.6%)
3位はAmazonで、同1.9ポイント増の9.7%(同7.8%)
4位はLenovoで、同2.1ポイント増の7.0%(同2.1%)
5位はHuaweiで、同1.0ポイント増の3.2%(同2.2%)
2016年(年間)のベンダー別出荷台数とシェア
2016年(年間)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。
上段:出荷台数、下段:シェア
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減数 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 4,260万台 | 4,960万台 | △700万台 | △14.2% |
24.4% | 23.9% | 0.5 | |||
2位 | Samsung | 2,660万台 | 3,340万台 | △680万台 | △20.5% |
15.2% | 16.1% | △0.9 | |||
3位 | Amazon | 1,210万台 | 610万台 | 600万台 | 98.8% |
6.9% | 2.9% | 4.0 | |||
4位 | Lenovo | 1,110万台 | 1,120万台 | △10万台 | △1.2% |
6.3% | 5.4% | 0.9 | |||
5位 | Huawei | 970万台 | 650万台 | 320万台 | △27.5% |
5.6% | 3.1% | 2.5 | |||
全体 | 17,480万台 | 20,720万台 | △3,240万台 | △15.6% | |
100.0% | 100.0% |
参考
Tablet Market Woes Continue as Growth in Detachable Tablets Takes Its First Vacation During the Holiday Season, According to IDC
02 Feb 2017 IDC
他サイトの関連情報
Global Tablet Shipments Fell by Just 6.6% Annually in 2016
2017年2月15日 TrendForce
Gartner Says Worldwide Sales of Smartphones Grew 7 Percent in the Fourth Quarter of 2016
2017年2月15日 Gartner
関連情報(当サイト)
世界のタブレット出荷台数、2016年3Qも対前期引き続き減少も2Qからは増加
2016年11月3日
関連記事
前へ
「Diginnos Stick DG-STK4D」ドスパラのWindows搭載スティック型PC、CPUを強化して値下げ
次へ
「LAVIE Hybrid ZERO」NECがWin10搭載の13.3型回転式と11.6型着脱式2-in-1を発表(2017年春)