現地時間2月1日に「2015年4Q(10~12月期)と2015年(年間)の世界タブレット出荷台数」が、IDCより発表されましたので概要を整理します。
更新
2017年2月04日 関連情報:世界のタブレット2016年4Qと年間の出荷台数とシェア、引き続き減少
2016年8月07日 関連情報:世界のタブレット2016年2Qの出荷台数とシェア、引き続き減少
2016年7月12日 関連情報:2016年度第2四半期の全世界でのPC出荷台数は6,240万(IDC)
2016年6月28日 関連情報:2016年度 タブレット端末に関する市場動向調査(ITC総研)
2016年6月18日 関連情報:2016年第1四半期 国内タブレット市場実績値(IDC Japan)
2016年6月11日 関連情報:国内企業における利用は、2020年まで年間平均成長率10.5%と予測
2016年6月03日 関連情報:キーボード着脱式の販売増で2018年にタブレット市場回復とIDC予想
2016年4月15日 関連情報:国内タブレット所有率の頭打ちをどう見るか
2016年4月13日 関連情報:2015年 国内法人向けタブレット市場 OS別シェアを発表(IDC Japan)
2016年3月15日 関連情報:2014年4Q及び2015年国内タブレット市場実績値を発表(IDC Japan)
2016年3月08日 関連情報:2015年国内携帯電話・スマートフォン市場実績値を発表(IDC Japan)
2016年2月19日 関連情報:2015年国内クライアントPC市場実績値を発表(IDC Japan)
2016年2月17日 関連情報:2016年には、タブレットがノートPCの出荷台数を上回る(JEITA)
2016年2月03日
IDC発表によると、従来型タブレットと2-in-1デバイスの両方を対象にした2015年4Qの世界の出荷台数は、2014年4Qの7,640万台に対して1,050万台(13.7%)減の6,590万台となっています。
タブレット市場は、2014年4Qに四半期ベースでは初めて減少に転じて以来、5期連続で縮小傾向が続いています。
また、上位5位までのベンダー別の対前年同期では、1位のAppleと2位のSamsung及び4位のLenovoが減少し、2015年3Qは圏外だったAmazonが大きく飛躍して3位に入り、Huaweiも伸ばして5位を維持し、ASUSが圏外となりました。
2015年4Q(10~12月)ベンダー別出荷台数とシェア
2015年4Q(10~12月期)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。
タブレット全体の出荷台数は、前年同期1,050万台(13.7%)減の6,590万台となり、2015年3Qからは1,730万台増加しています。
シェアは、Appleは24.5%と依然トップを維持しましたが、2位Samsungの13.7%とともに減少していますが、Amazonが50ドルお手頃価格タブレットがホリデーシーズンにヒットした効果で3位(シェア7.9%)に食い込んでいます。
一方、シェア4.8%で4位Lenovoと同3.4%の5位Huaweiは、低価格タブレットを強みとして中国から海外へ展開することにより、上位圏内を維持しています。
世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移
2015年4Qの出荷台数は、以下の通りとなっています。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減数 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 1,610万台 | 2,140万台 | △530万台 | △24.8% |
2位 | Samsung | 900万台 | 1,100万台 | △200万台 | △18.1% |
3位 | Amazon | 520万台 | 190万台 | 330万台 | 175.7% |
4位 | Lenovo | 320万台 | 370万台 | △50万台 | △13.5% |
5位 | Huawei | 220万台 | 100万台 | 120万台 | 124.6% |
全体 | 6,590万台 | 7,640万台 | △1,050万台 | △13.7% |
2015年4Qの世界出荷台数の全体は、前年同期1,050万台(13.7%)減の6,590万台(2014年4Qは7,640万台)となっています。
ベンダー別では、
- ・Appleの出荷台数は1,610万台(前年度同期2,140万台:530万台減、24.8%減)
- ・Samsungは900万台(同1,100万台:200万台減、18.1%減)
- ・Amazonは520万台(同190万台:330万台増、175.7%増)
- ・Lenovoは320万台(同370万台:50万台減、13.5%減)
- ・Huaweiは220万台(同100万台:120万台増、124.6%増)
世界のタブレット、ベンダー別シェア推移
2015年4Qのシェアは、以下の通りとなっています。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減 | |
---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 24.5% | 28.1% | △3.6 |
2位 | Samsung | 13.7% | 14.4% | △0.7 |
3位 | Amazon | 7.9% | 2.5% | 5.4 |
4位 | Lenovo | 4.8% | 4.8% | - |
5位 | Huawei | 3.4% | 1.3% | 2.1 |
Appleは依然トップを維持していますが、前年同期に対し3.6ポイント減の24.5%(前年同期28.1%)
2位のSamsungは、同0.7ポイント減の13.7%(同14.4%)
3位にAmazonが入り、同5.4ポイント増の7.9%(同2.5%)
4位はLenovoで、4.8%(同4.8%)
5位はHuaweiで、同2.1ポイント増の3.4%(同1.3%)
2015年4Q(2015年10~12月期)のまとめ
2015年4Qの世界出荷台数の全体は、前年同期1,050万台(13.7%)減の6,590万台(2014年4Qは7,640万台)
タブレット市場は、2014年4Qに四半期ベースでは初めて減少に転じて以来、5期連続で縮小傾向が続いています。
その要因は、一般ユーザーのタブレット所有が一巡したことやアップグレードサイクルの伸長傾向、そしてスマートフォンの機能強化や大画面化などが考えられます。
しかしその中でも、着脱式デタッチャブル端末(2-in-1)が、対前年同期比で約2倍と急速に伸びており、特にApple「iPad Pro」がMicrosoftや他PCベンダーのモデルを超えて飛躍したことが貢献しているようです。
(販売台数:「iPad Pro」が200万台超、Microsoft「Surfaceシリーズ」が160万台、内「Surface Pro」が大半を占める)
タブレットの購入者は、価格だけでなくパフォーマンスを重視する傾向にシフトし、2015年はタブレットとパソコンとしても使える1台2役の着脱式タブレットへの転換期となったようです。
特にWindows10への移行も進み、着脱式デタッチャブル端末(2-in-1)が多くのメーカーから発売され、iOSの高価格なハイエンド市場でも、中価格帯のAndroidにも対抗してきています。
着脱式デタッチャブル端末(2-in-1)を中心としたWindowsタブレットの展開、そして「iPad Pro」の躍進と、今後のタブレット市場の活性化に期待が持てそうです。
2015年(年間)のベンダー別出荷台数とシェア
2015年(年間)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。
タブレット全体では、2014年の2億3,010万台に対し2,330万台(10.1%)減の2億680万台となっています。
1位のAppleと2位のSamsungの動向は、
- ・出荷台数は、Appleが4,960万台(前年は6,340万台:1,380万台減、21.8%減)に対し、Samsungは3,340万台(同3,980万台:640万台減、16.1%減)
- ・シェアは、Appleが前年に対し3.6ポイント減の24.0%(前年は27.6%)に対し、Samsungは、同1.1ポイント減の16.2%(同17.3%)
上位2ベンダーに対し、
- ・3位Lenovoは、出荷台数は1,120万台(前年は1,120万台:微増、0.4%増)、シェアは0.5ポイント増の5.4%(同4.9%)
- ・ASUSが、前年から470万台(39.9%)大幅に減少したものの4位となり、出荷台数710万台(同1,180万台)、シェアは1.7ポイント減の3.4%(同5.1%)
- ・5位がHuaweiで、出荷台数650万台(同300万台)、シェア3.1%(同1.3%)
参考
Worldwide Shipments of Slate Tablets Continue to Decline While Detachable Tablets Climb to New High, According to IDC
01 Feb 2016 IDC
関連情報
PC Shipments Beat Expectations in Q2 2016 as U.S. Market Returned to Growth While Other Regions Continued to Decline
11 Jul 2016 According to IDC
2016年度第2四半期の全世界でのPC出荷台数は6,240万台
- ・前年同期比で4.5%下落(当初の予測では7.4%減)
- ・その一因は、米国市場でのドルの強さや安定した需要が良い結果をもたらした。
2016年度 タブレット端末に関する市場動向調査
2016年6月28日 ICT総研
スマートフォンの普及により、タブレットの新規需要が以前ほど旺盛ではないのの、Windowsタブレットを学校や法人で利用するニーズが拡大していることや、さらに低価格のタブレット端末が今後普及していく可能性もあることから、今後もタブレット端末市場での競争はいっそう熾烈になると予想
- ・2015年度のタブレット端末市場は895万台
- 2016年度は951万台、2018年度には1,118万台まで拡大すると推計
- Windowsタブレットのニーズが増加する影響などを受けて再び拡大に転じる見込み
- ・2015年度のAndroidタブレットは393万台(シェア43.9%)
- iPadは前年比7.2%減の359万台の出荷で、初の国内出荷台数減少(シェア40.1%)
- Windowsタブレットを含むその他のタブレットの出荷は143万台(シェア16%)
- ・個人ユーザーの所有率トップはiPadで15.1%(Androidタブレットは13.4%)
- ・顧客の総合満足度は、1位がマイクロソフトSurfaceで80.3P(iPadは77.3P)
- Androidは8インチ未満が62.9P、8インチ以上が67.6P
2016年第1四半期 国内タブレット市場実績値を発表
2016年6月16日 IDC Japan
- ・2016年第1四半期の国内タブレット市場出荷台数は、前年同期比6.2%減の216万台
- 2015年第1四半期に教育市場向けの大型案件があったものの今期はなく、大企業を中心とした需要低迷をリカバリーできなかったのが減少の主要因
- 出荷台数の上位5社は、アップル、ファーウェイ、NEC Lenovoグループ、富士通、マイクロソフトの順(アップルは同10.1%減だったものの、40.8%のシェアを維持)
- ファーウェイは通信事業者向け出荷が好調で、出荷台数は同約5.7倍
- ・家庭市場向け出荷台数は、前年同期比9.4%増、ビジネス市場向けは31.1%減
- ・デタッチャブルタブレット出荷台数比率は20%超
- ハードウェアキーボードを任意に着脱できる「デタッチャブルタブレット」が前年同期比94.1%増の45万台
- 一般的な「スレートタブレット」は、同17.3%減の171万台
- デタッチャブルタブレットの出荷比率は20.7%、背景にはiPad Proのリリースなどが影響
国内エンタープライズモビリティ関連市場予測を発表
2016年6月9日 IDC Japan
- ・国内企業におけるタブレット/スマートフォン
- 2015年~2020年の年間平均成長率は10.5%と予測
(タブレット9.6%、スマホ12.2%) - 小売、サービス、教育などの分野の需要は落ち着き、日本版「インダストリー4.0」を睨んだ設備増強が期待される製造分野、東京オリンピックに向けた建設需要に対応した建設分野などが今後の成長
- 2015年~2020年の年間平均成長率は10.5%と予測
- ・国内エンタープライズモビリティ向けITサービス市場における支出額
- 2015年~2020年の年間平均成長率は21.6%と予測
- 企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた取り組みが本格化し、クラウドサービス、ビッグデータなどと組み合わせたエンタープライズモビリティの活用が進行
Tablets Set to Return to Growth in 2018 Driven by Emergence of Detachables and Ongoing Need for Slates, According to IDC
02 Jun 2016 IDC
キーボード着脱式の販売増加で2018年に回復とIDCが予想
- ・タブレット市場は全体的にピークに達しており、2016年、2017年は低迷続く
- ・しかし2018年以降は、2in1デバイス、つまりキーボードを脱着できるタブレットの販売増加によって成長すると予想
国内タブレット所有率の頭打ちをどう見るか
2016年4月15日 PC Watch
2015年 国内法人向けタブレット市場 OS別シェアを発表
出荷台数は前年比0.2%増の241万台、WindowsがiOSのシェアを切り崩す
2016年4月5日 IDC Japan
2015年第4四半期および2015年国内タブレット市場実績値を発表
2015年 国内タブレット端末出荷台数は前年比1.5%増、831万台
2016年3月15日 IDC Japan
2015年第4四半期および2015年 国内携帯電話・スマートフォン市場実績値を発表
2015年 スマートフォン出荷台数 2,749万台、前年比3.6%増
2016年3月7日 IDC Japan
2015年 国内クライアントPC市場実績値を発表
2015年 PC出荷台数は前年比31.4%減、前年から484万台少ない1,055万台
2016年2月18日 IDC Japan
2016年には、タブレットがノートPCの出荷台数を上回る
~JEITAが「黒本」でIT/AV市場動向調査を発表
2016年2月17日 PC Watch
関連情報(当サイト)
世界のタブレット出荷台数、2015年3Qも対前年同期に対し減少
2015年11月2日
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