世界のタブレット出荷台数 | 2024年1Qは0.5%増の3,080万台、更新サイクルの開始で回復の兆し

2024年1Qの世界タブレット出荷台数とシェア

更新 2024年05月04日

現地時間2024年5月3日に「2024年1Q(1~3月期)の世界タブレット出荷台数とシェア」を、IDCが発表しましたので概要を整理します。

2024年第1四半期の世界のタブレット出荷台数は、前年同期比0.5%増の3,080万台となりました。

マクロ経済の問題は依然として残るものの、更新サイクルの開始によって出荷量は回復の兆しがあるとしています。

IDC発表によると、従来型タブレットと2in1デバイスの両方を対象にした2024年1Q(1~3月期)の世界の出荷台数は、前年同期(2023年1Q)の3,060万台に対して20万台(0.5%)増の3,080万台となっています。

タブレットは、新型コロナウィルスの影響で教育(遠隔学習)やエンターテイメントなどの分野で変革をもたらし、多くのユースケースを見出した結果、2020年から2021年にかけて大幅に成長しました。

そして、2022年は2021年の状態が横ばいで続きましたが、2021年第2四半期に前年同期に対して増加した以来、市場飽和などの影響で出荷量は鈍化していました。

特に2023年1Qは、世界中で出社率が向上したうえ、慎重な支出傾向が続いたことなどにより、需要が低下しました。

2023年2Qもタブレットの需要は引き続き低迷し、消費者信頼感と購買力が依然として低いことから、ベンダー各社は2桁減少し、2023年3Qもタブレット市場で最大規模の縮小を記録して、4Qも大きな改善が見られませんでした。

今回の2024年第1四半期は、マクロ経済の問題は依然として残っていますが、長期的な出荷量はパンデミックス中に見られた急増には至っていないようです。

しかし、更新サイクルの開始、生産性重視のデバイスを求めてプレミアムタブレットへ移行傾向などのによって、タブレット市場の回復の兆しがあるとしています。

今回の更新サイクルの開始、そして教育分野やエンターテイメントなどの分野での利用に移行していけば、商業分野での成長が続くと予想しています。

一方、PCやスマートフォンとの競争などでタブレット市場は苦戦するかもしれませんが、AI機能によってもたらされる潜在的な上振れの可能性があると予想しています。

2024年1Qの前年同期に対する世界の出荷台数は、トップ5のベンダーの顔ぶれは2023年4Qと変わっていません。

AppleとSamsungが前年同期に対して減少したものの、Huawei、Lenovo、Xiaomiの増加が全体の前年同期比増に貢献しています。

IDCでは、従来型のタブレット「スレート型」とキーボード着脱式2in1「デタッチャブル型」の2つに分けて分析しています。

「スレート型」は2014年をピークとして減少に転じ、この傾向は今後も続くと予測しており、一方の「デタッチャブル型」は、市場の盛り上がりを牽引すると期待されています。

「デタッチャブル型」は、生産性や柔軟性など、使いやすさ重視への需要が高まっており、ノートPCとすみ分けしているだけでなく、一部ではノートPCの代わりのデバイスとして購入したことも貢献しています。

しかし、タブレットは、PCとスマートフォンの間の位置づけとなっています。

最近のタブレットメーカーは、タブレットをPCやスマートフォンとを組み合わせるのではなく、ペアリングしたときに効果的に機能することを認識し始めているようです。

多くのタブレットメーカーも同様の傾向で、統一したソフトウェアとサービスを提供することを目指していますが、その実現には多少の時間がかかりそうです。

この様な状況の中で、2024年1Qにおける上位5ベンダーの顔ぶれは2023年4Qと変わらず、各ベンダーの状況は以下の通りです。

AppleとSamsungが前年同期に対して減少したものの、Huawei、Lenovo、Xiaomiの増加が全体の前年同期比増に貢献しています。

1位はAppleで、シェアは前年同期から3.2ポイント減の32.0%(前年同期:35.2%)で、出荷台数は前年同期比8.5%(90万台)減の990万台で依然トップを維持しています。

Appleは、2024年第2四半期に予定されている新モデルの発売に先立って、古いモデルの在庫を一掃することに重点を置いているのが影響しているようです。

一方、Samsungは2位で、シェアは1.5ポイント減の21.7%(同23.2%)、出荷台数は同5.8%(40万台)減の670万台となっています。

Samsungは、欧州およびアジア太平洋地域の競合ブランドによるプロモーションと新製品の不足がサムスンの成長を妨げましたが、最新製品にAI機能を組み込むことや今後の買い替えサイクルを活かすプレミアム製品に注力することでユーザーエクスペリエンスを向上させることに注力しているようです。

3位はHuaweiで、シェアは2.8ポイント増の9.4%(同6.6%)、出荷台数は同43.6%(90万台)増の290万台となりました。

スマートフォン事業の復活の恩恵を受けて、拡大することに成功したようです。

4位はLenovoで、シェアは0.8ポイント増の7.0%(同6.2%)、出荷台数は同13.2%(20万台)増の210万台となっています。

他のベンダーと同様に、パンデミック以降に「Tab P シリーズ」の出荷を伸ばし、着脱式モデルを拡大することができたようです。(但し、スレート タブレットは依然として出荷台数の約80%を占めています。)

5位はXiaomiで、シェアは2.8ポイント増の5.9%(同3.1%)、出荷台数は同92.6%(90万台)増の180万台となりました。

積極的なマーケティングに加えて世界中に拠点を拡大してきた結果、最大の市場である中国以外では、出荷先のほぼすべての地域で3桁の成長を遂げたようです。

2024年1Q(1~3月期)のベンダー別出荷台数とシェア

2024年1Q(1~3月期)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。

タブレット全体の出荷台数は、前年同期に対し20万台(0.5%)増の3,080万台となりました。

上位5社のベンダーの顔ぶれは2023年4Qと変わっていませんが、AppleとSamsungが前年同期に対して減少したものの、Huawei、Lenovo、Xiaomiの増加が全体の前年同期比増に貢献しています。

出荷台数は、Appleが前年同期に対して8.5%減の990万台で依然トップを維持し、2位がSamsungで同5.8%減の670万台、3位はHuaweiで同43.6%増の290万台、4位がLenovoで同13.2%増の210万台となり、5位がXiaomiで同92.6%増の180万台となっています。

世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移

2024年1Qの世界タブレット出荷台数の推移

2024年1Q(1~3月期)の出荷台数は、以下の通りです。

ベンダー今期前年同期増減数増減率
1位 Apple 990万台 1,080万台 △90万台 △8.5%
2位 Samsung 670万台 710万台 △40万台 △5.8%
3位 Huawei 290万台 200万台 90万台 43.6%
4位 Lenovo 210万台 190万台 20万台 13.2%
5位 Xiaomi 180万台 90万台 90万台 92.6%
全体 3,080万台 3,060万台 20万台 0.5%

2024年1Q(1~3月期)の世界出荷台数の全体は、前年同期に対して20万台(0.5%)増の3,080万台(2023年1Qは3,060万台)です。

上位5ベンダーの顔ぶれは、Xiaomiが5位に再登場し、2023年3Qは3位のLenovoと4位のHuaweiが入れ替わっています。

1位はAppleで、990万台(前年同期に対し8.5%減、前年同期 1,080万台)

2位はSamsungで、670万台(同 5.8%減、同 710万台)

3位はHuaweiで、290万台(同 43.6%増、同 200万台)

4位はLenovoで、210万台(同 13.2%増、同 190万台)

5位はXiaomiで、180万台(同 92.6%増、同 90万台)

世界のタブレット、ベンダー別シェア推移

2024年1Qの世界タブレットのシェア推移

2024年1Q(1~3月期)のシェアは、以下の通りです。

ベンダー今期前年同期増減
1位 Apple 32.0% 35.2% △3.2
2位 Samsung 21.7% 23.2% △1.5
3位 Huawei 9.4% 6.6% 2.8
4位 Lenovo 7.0% 6.2% 0.8
5位 Xiaomi 5.9% 3.1% 2.8

1位はAppleで、32.0%(前年同期に対して 3.2ポイント減、前年同期 35.2%)

2位のSamsungで、21.7%(同 1.5ポイント減、同 23.2%)

3位はHuaweiで、9.4%(同 2.8ポイント増、同 6.6%)

4位はLenovoで、7.0%(同 0.8ポイント増、同 6.2%)

5位はXiaomiで、5.9%(同 2.8ポイント増、同 3.1%)

参考

Tablet Shipments Show Signs of Recovery in Q1 2024, According to IDC

関連情報(当サイト)

世界のタブレット出荷台数の2023年4Qは17.4%減の3,680万台

2023年4Qの世界タブレット出荷台数とシェア

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