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企業を取り巻く環境変化の激しい近年において、企業が継続的に経営していく上でのリスクの幅が非常に大きくなってきている。
そのため、企業は置かれている状況に応じてリスクを特定し、そのリスクのペリルやハザードを明確化し対策を講じてリスクの発生を予防する。
さらにリスクが発生した場合の対策を事前に準備することが必要であり、これらの一連の活動としてのリスクマネジメントが重要となってくる。
企業経営における主なリスクは、経済的・社会的・組織的リスクに分けられると考える。
経済的リスクは原価の急激な変動や取引先の倒産等であり、社会的リスクは天災による生産ラインの崩壊やトップ自らの粉飾決済等があげられ、最も消費者が注目する部分である。
また組織的リスクは、社員が事故に巻き込まれたり、トップが病気になったりすること等である。
リスクを特定することで対策を立案することが可能になり、どの様に特定するかによって対策も変わってくる。
そこで、それぞれのリスクが企業にとってどのような存在なのかをきちんと特定し対応することも企業経営の重要な要素であり、ツリー化で漏れを防ぎ、能動的にリスクに接する事が重要である。
なお、リスクマネジメント実践のポイントは、以下の3つをあげることができる。
リスクの評価と対策
ポイント1:多角的な視点でリスクを評価し、対策を講じる。
リスクというと、経済的リスクに目が行きがちであるが、生活者は社会的リスクにも非常に敏感であり、コンプライアンスを踏まえたリスクマネジメントは欠かせない。
一度落ちた信頼はなかなか取り戻せない。
標準的な手順の活用や過去の事故・リスクマネジメントのベストプラクティスからも学べる点は多い。
制度・業務プロセスや全社員の意識の改革
ポイント2:適切にバランスポイントを見極め、制度・業務プロセスや全社員の意識を改革する。
リスクの発生によるコストとリスクを未然に防ぐための管理コストからなるトータルコストについて、常に把握しておくことが必要である。
リスク発生コストは、顧客の信頼失墜等の単純に金額として置き換えることが困難で、かつ深刻なダメージをもたらすものもある。
リスクを最小限に抑える設備投資や運用管理水準を持ち、全社員が共通の意識の基で業務を運営することが重要である。
ポリシーの制定と実現に向けて全社的に取り組み
ポイント3:ポリシーの制定と実現に向けて全社的に取り組み、随時モニタリング・コントロールする。
リスクをマネジメントする考え方は、これからの時代には必須である。
リスクに対して何の意思決定もできないことは、企業経営とはいえない。
ハザードをコントロールしながら、安定した事業継続と業績向上を実現していかなければ、ステークホルダーの期待に応えることができない。
この様に、企業経営におけるリスクマネジメントは重要な存在であるが、その中で近年特に重要性が高まっているのが情報セキュリティに対するリスクマネジメントである。
近年の企業経営においては、情報は重要な経営資源の一つとして位置づけられており、経営戦略実行には情報システムを戦略的に活用することが欠かせなくなってきていることが大きな要因である。
特に情報のデジタル化に伴い、蓄積された情報にかかわるリスク幅が拡大している状況の中で、情報セキュリティをいかにマネジメントしていくかが重要なリスクマネジメントである。
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