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2023年02月06日
現地時間2023年2月3日に「2022年4Q(10~12月期)と年間の世界タブレット出荷台数とシェア」を、IDCが発表しましたので概要を整理します。
2022年第4四半期の世界のタブレット出荷台数は、前年同期比0.3%の横ばいとなりました。
通年では3.3%減少で、2020年と2021年の過去2年の前年比増加から2022年は減少に転じましたが、コロナ前の2019年に対しては上回りました。
IDC発表によると、従来型タブレットと2in1デバイスの両方を対象にした2022年4Q(10~12月期)の世界の出荷台数は、前年同期(2021年4Q)の4,560万台に対して10万台(0.3%)増の4,570万台となっています。
タブレットは、新型コロナウィルスの影響で教育(遠隔学習)やエンターテイメントなどの分野で変革をもたらし、多くのユースケースを見出した結果、2020年から2021年にかけて大幅に成長しました。
しかし2022年は、前年の反動による需要の減速に加え、マクロ経済の逆風の影響により、市場の衰退を予想しています。
4Qの前年同期に対する世界の出荷台数は、トップ5の内AppleとSamsungが増加した他、AmazonとHuaweiおよびLenovoは減少しています。
特にAppleは、出荷台数を大きく伸ばしましたが、新モデルの投入とサプライチェーンの制約を比較的受けなかったことによるものです。
Samsungは、特に日本と中国を除くアジア/太平洋地域、西ヨーロッパにおいて、効果的なリソース管理が貢献しているようです。
Amazonは、プライムデー販売の効果で毎年4Qは出荷量が多い四半期ですが、今回は年2回の開催の影響なのか、大きく減少しています。
Huaweiは中国での大画面タブレット展開によって減少を食い止め、Lenovoはビジネス向けモデルの低迷により大幅に減少しています。
なお、2022年には、realme、OPPO、vivo、Xiaomiなどの新しいベンダーとの競合が激化してきています。
現時点では、その量は市場を動かすほど重要ではないようですが、これらのベンダーが既存のチャネルの存在を利用してエコシステムを構築するようになり、新興市場でのタブレットに対して存在感を増す可能性もあり、ベンダー各社は、消費者、教育、ビジネス向けの製品ポートフォリオを再考する必要があるとしています。
IDCでは、従来型のタブレット「スレート型」とキーボード着脱式2in1「デタッチャブル型」の2つに分けて分析しています。
「スレート型」は2014年をピークとして減少に転じ、この傾向は今後も続くと予測しており、一方の「デタッチャブル型」は、市場の盛り上がりを牽引すると期待されています。
「デタッチャブル型」は、生産性や柔軟性など、使いやすさ重視への需要が高まっており、ノートPCとすみ分けしているだけでなく、一部ではノートPCの代わりのデバイスとして購入したことも貢献しています。
この様な状況の中で、2022年4Qにおける上位5ベンダーの顔ぶれは変わっていませんが、3QはLenovoが5位のHuaweiを引き離して4位でしたが、4QではHuaweiと同数になっています。
Appleは、シェアは前年同期から10.9ポイント増の49.2%(前年同期:38.3%)で、出荷台数は前年同期比28.8%(500万台)増の2,250万台で依然トップを独走しています。
一方、Samsungは2位で、シェアは1.0ポイント増の16.8%(同15.8%)、出荷台数は同7.1%(30万台)増の770万台となっています。
なお、2021年3Q及び2022年3Qともに、Huaweiが売却したHonorの数値は含まれていません。
2022年4Q(10~12月期)のベンダー別出荷台数とシェア
2022年4Q(10~12月期)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。
タブレット全体の出荷台数は、前年同期に対し10万台(0.3%)増の4,570万台となりました。
上位5社のベンダーの顔ぶれは変わらず、前年同期に対してAppleとSamsungが増加した以外、他の3ベンダーは減少しました。
出荷台数は、Appleが前年同期に対して28.8%増の2,250万台で依然トップを維持し、2位がSamsungで同7.1%増の770万台、3位はAmazonで同31.1%減の250万台、4位はHuaweiで同8.6%減の230万台、同数でLenovoが同49.9%減の230万台と続いています。
世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移
2022年4Q(10~12月期)の出荷台数は、以下の通りです。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減数 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 2,250万台 | 1,750万台 | 500万台 | 28.8% |
2位 | Samsung | 770万台 | 720万台 | 50万台 | 7.1% |
3位 | Amazon | 250万台 | 360万台 | △110万台 | △31.1% |
4位 | Huawei | 230万台 | 250万台 | △20万台 | △8.6% |
4位 | Lenovo | 230万台 | 460万台 | △230万台 | △49.9% |
全体 | 4,570万台 | 4,560万台 | 10万台 | 0.3% |
2022年4Q(10~12月期)の世界出荷台数の全体は、前年同期に対して10万台(0.3%)増の4,570万台(2021年4Qは4,560万台)です。
上位5ベンダーの顔ぶれは変わっていませんが、3QはLenovoが5位のHuaweiを引き離して4位でしたが、4QではHuaweiと同数になっています。
1位はAppleで、2,250万台(前年同期に対し28.8%増、前年同期1,750万台)
2位はSamsungで、770万台(同7.1%増、同720万台)
3位はAmazonで、250万台(同31.1%減、同360万台)
4位はHuaweiで、230万台(同8.6%減、同250万台)
同数でLenovoが、230万台(同49.9%減、同460万台)
世界のタブレット、ベンダー別シェア推移
2022年3Q(10~12月期)のシェアは、以下の通りです。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減 | |
---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 49.2% | 38.3% | 10.9 |
2位 | Samsung | 16.8% | 15.8% | 1.0 |
3位 | Amazon | 5.1% | 7.9% | △2.5 |
4位 | Huawei | 5.1% | 5.5% | △0.4 |
4位 | Lenovo | 5.1% | 10.1% | △5.0 |
1位はAppleで、49.2%(前年同期に対して10.9ポイント増、前年同期38.3%)
2位のSamsungで、16.8%(同1.0ポイント増、同15.8%)
3位はAmazonで、5.4%(同2.5ポイント減、同7.9%)
4位はHuaweiで、5.1%(同0.4ポイント減、同5.5%)
同数でLenovoが、5.1%(同5.0ポイント減、同10.1%)
2022年(年間)のベンダー別出荷台数とシェア
2022年(年間)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。
上段:出荷台数、下段:シェア
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減数 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 6,180万台 | 5,780万台 | 400万台 | 7.0% |
38.0% | 34.3% | 3.7 | |||
2位 | Samsung | 3,030万台 | 3,060万台 | △30万台 | △0.8% |
18.6% | 18.2% | 0.4 | |||
3位 | Amazon | 1,600万台 | 1,610万台 | △10万台 | △0.7% |
9.8% | 9.6% | 2.0 | |||
4位 | Lenovo | 1,160万台 | 1,770万台 | △610万台 | △34.6% |
7.1% | 10.5% | △3.4 | |||
5位 | Huawei | 910万台 | 980万台 | △70万台 | △7.0% |
5.6% | 5.8% | △0.2 | |||
全体 | 16,280万台 | 16,830万台 | △550万台 | △3.3% | |
100.0% | 100.0% | - |
参考:世界Chromebook、ベンダー別出荷台数とシェア
2022年4Qのベンダー別出荷台数とシェア
上段:出荷台数、下段:シェア
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減数 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | HP | 100万台 | 50万台 | 50万台 | 116.7% |
28.5% | 9.9% | 18.6 | |||
2位 | Acer | 70万台 | 130万台 | △60万台 | △43.4% |
19.9% | 26.6% | △6.7 | |||
3位 | Lenovo | 50万台 | 70万台 | △20万台 | △24.6% |
15.1% | 15.1% | - | |||
4位 | DELL | 50万台 | 100万台 | △50万台 | △50.7% |
13.4% | 20.5% | △7.1 | |||
5位 | Samsung | 30万台 | 70万台 | △40万台 | △52.4% |
9.3% | 14.7% | △5.4 | |||
全体 | 360万台 | 470万台 | △110万台 | △24.3% | |
100.0% | 100.0% | - |
2022年(年間)のベンダー別出荷台数とシェア
上段:出荷台数、下段:シェア
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減数 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Acer | 420万台 | 640万台 | △220万台 | △33.8% |
22.0% | 17.3% | 4.7 | |||
2位 | DELL | 410万台 | 540万台 | △130万台 | △24.3% |
21.3% | 14.6% | 6.7 | |||
3位 | Lenovo | 370万台 | 820万台 | △450万台 | △54.4% |
19.5% | 22.3% | △2.8 | |||
4位 | HP | 350万台 | 1,020万台 | △670万台 | △65.6% |
18.4% | 27.8% | △9.4 | |||
5位 | ASUS | 130万台 | 160万台 | △30万台 | △20.9% |
6.8% | 4.5% | 2.3 | |||
全体 | 1,920万台 | 3,690万台 | △1,770万台 | △48.0% | |
100.0% | 100.0% | - |
参考
Worldwide Shipments of Tablets and Chromebooks Declined Sharply in 2022, According to IDC Tracker
関連情報(当サイト)
世界のタブレット出荷台数の2022年3Qは8.8%減の3,860万台
2022年11月5日
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