世界のタブレット出荷台数の2023年1Qは19.1%減の3,070万台 | 需要低迷で全ベンダーが前年に対して減少

2023年1Qの世界タブレット出荷台数とシェア

関連情報
 2023年08月07日 関連情報:世界のタブレット出荷台数の2023年2Qは29.9%減の2,830万台
 2023年07月13日 関連情報:IDC「2023年度第2四半期 世界PC出荷台数」、出荷台数は6,160万台(13.4%減)
 2023年07月12日 関連情報:Gartner「2023年度第2四半期 世界PC出荷台数」、出荷台数は5,965万台(16.6%減)
 2023年06月01日 関連情報:MM総研「2022年度通期 国内PC出荷台数」、出荷台数は1,123.4万台(4.4%減)
 2023年05月06日

現地時間2023年5月5日に「2023年1Q(1~3月期)の世界タブレット出荷台数とシェア」を、IDCが発表しましたので概要を整理します。

2023年第1四半期の世界のタブレット出荷台数は、前年同期比19.1%減の3,070万台となりました。

出荷台数の減少は、世界中で出社率が向上したうえ、慎重な支出傾向が続いたことなど、需要が低下したのが主な要因としています。

IDC発表によると、従来型タブレットと2in1デバイスの両方を対象にした2023年1Q(1~3月期)の世界の出荷台数は、前年同期(2022年1Q)の3,800万台に対して730万台(19.1%)減の3,070万台となっています。

タブレットは、新型コロナウィルスの影響で教育(遠隔学習)やエンターテイメントなどの分野で変革をもたらし、多くのユースケースを見出した結果、2020年から2021年にかけて大幅に成長しました。

そして、2022年は2021年の状態が横ばいで続きましたが、2023年1Qは世界中で出社率が向上したうえ、慎重な支出傾向が続いたことなど、需要が低下したことが主な減少要因としています。

今回の出荷台数は、コロナ前の2019年1Qの3,010万台、2018年1Qの3,160万台に匹敵しています。

2023年1Qの前年同期に対する世界の出荷台数は、トップ5のベンダーの顔ぶれは変わりませんが、全社減少しています。

特にAmazonの出荷台数は前年同期比62.0%減と大きく減少して、5位に転落しました。

このAmazonの出荷台数はコロナ禍以来の最低となり、この要因は季節性のものでもありますが、在庫の積み上げや需要低迷が影響しているようです。

また、Lenovoも前年同期比37.1%減となり、その要因も需要低迷によるものです。

一方、Huaweiは同9.7%減で減少を食い止めていますが、それは大画面タブレットなどの競争力あるモデルを展開したことによります。

特に新モデルのMatePad SE 10.4インチとMatePad 11インチのタブレットは中国需要を取り込みましたが、世界的な需要低迷をカバーすることろまでには至りませんでした。

なお、スマートフォンメーカーOnePlusがブランド初のタブレット発売を発表しており、GoogleもPixel Tabletの発売が予想されますが、それなりの需要があるとしています。

特にGoogleの再参入は、Androidタブレット市場の活性化に貢献するかもしれないと予想しています。

IDCでは、従来型のタブレット「スレート型」とキーボード着脱式2in1「デタッチャブル型」の2つに分けて分析しています。

「スレート型」は2014年をピークとして減少に転じ、この傾向は今後も続くと予測しており、一方の「デタッチャブル型」は、市場の盛り上がりを牽引すると期待されています。

「デタッチャブル型」は、生産性や柔軟性など、使いやすさ重視への需要が高まっており、ノートPCとすみ分けしているだけでなく、一部ではノートPCの代わりのデバイスとして購入したことも貢献しています。

なお、リモート学習やハイブリッドワークなどに最適化した大画面タブレットは、コロナ禍の最中、そしてコロナ後のユーザーニーズを取り込み、コロナ前よりもシェアが拡大しているようです。

現在の低迷状態は2023年上半期は続きそうですが、後半には経済の回復予想に伴って出荷量も回復していくと予想しています。

この様な状況の中で、2023年1Qにおける上位5ベンダーの顔ぶれは変わっていませんが、全ベンダーが前年同期に対して減少しています。

特に、2022年4Qは3位だったAmazonが、2023年1Qでは前年同期比62.0%減と大幅に減少したため5位に転落しています。

Appleは、シェアは前年同期から3.4ポイント増の35.2%(前年同期:31.8%)で、出荷台数は前年同期比10.2%(130万台)減の1,080万台で依然トップを独走しています。

一方、Samsungは2位で、シェアは1.3ポイント増の23.1%(同21.8%)、出荷台数は同14.3%(120万台)減の710万台となっています。

AppleとSamsungの上位2ベンダーが、全体の58.3%のシェアを確保しています。

なお、2022年1Q及び2023年1Qともに、Huaweiが売却したHonorの数値は含まれていません。

2023年1Q(1~3月期)のベンダー別出荷台数とシェア

2023年1Q(1~3月期)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。

タブレット全体の出荷台数は、前年同期に対し730万台(19.1%)減の3,070万台となりました。

上位5社のベンダーの顔ぶれは変わらず、前年同期に対して全ベンダーが減少しました。

出荷台数は、Appleが前年同期に対して10.2%減の1,080万台で依然トップを維持し、2位がSamsungで同14.3%減の710万台、3位はHuaweiで同9.7%減の200万台、4位がLenovoで同37.1%減の190万台となり、2022年4Qは3位だったAmazonが同62.0%減と大幅に減少して140万台となって5位に転落しています。

世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移

2023年1Qの世界タブレット出荷台数

2023年1Q(1~3月期)の出荷台数は、以下の通りです。

ベンダー今期前年同期増減数増減率
1位 Apple 1,080万台 1,210万台 △130万台 △10.2%
2位 Samsung 710万台 830万台 △120万台 △14.3%
3位 Huawei 200万台 220万台 △20万台 △9.7%
4位 Lenovo 190万台 300万台 △110万台 △37.1%
5位 Amazon 140万台 370万台 △230万台 △62.0%
全体 3,070万台 3,800万台 △730万台 △19.1%

2023年1Q(1~3月期)の世界出荷台数の全体は、前年同期に対して730万台(19.1%)減の3,070万台(2022年1Qは3,800万台)です。

上位5ベンダーの顔ぶれは変わっていませんが、2022年4Qは3位だったAmazonが大幅に減少して5位に転落しました。

1位はAppleで、1,080万台(前年同期に対し10.2%減、前年同期1,210万台)

2位はSamsungで、710万台(同14.3%減、同830万台)

3位はHuaweiで、200万台(同9.7%減、同220万台)

4位はLenovoで、190万台(同37.1%減、同300万台)

5位はAmazonで、140万台(同62.0%減、同370万台)

世界のタブレット、ベンダー別シェア推移

2023年1Qの世界タブレットのシェア

2023年1Q(1~3月期)のシェアは、以下の通りです。

ベンダー今期前年同期増減
1位 Apple 35.2% 31.8% 3.4
2位 Samsung 23.1% 21.8% 1.3
3位 Huawei 6.6% 5.9% 0.7
4位 Lenovo 6.2% 7.9% △1.7
5位 Amazon 4.6% 9.8% △5.2

1位はAppleで、35.2%(前年同期に対して3.4ポイント増、前年同期31.8%)

2位のSamsungで、23.1%(同1.3ポイント増、同21.8%)

3位はHuaweiで、6.6%(同0.7ポイント増、同5.9%)

4位はLenovoで、6.2%(同1.7ポイント減、同7.9%)

5位はAmazonで、4.6%(同5.2ポイント減、同9.8%)

参考:世界Chromebook、ベンダー別出荷台数とシェア

2023年1Qのベンダー別出荷台数とシェア

上段:出荷台数、下段:シェア

ベンダー今期前年同期増減数増減率
1位 HP 110万台 80万台 30万台 35.5%
27.8% 14.2% 13.6
2位 Lenovo 80万台 140万台 △60万台 △41.6%
21.3% 25.1% △3.8
3位 Acer 80万台 110万台 △30万台 △27.1%
21.2% 20.1% 1.1
4位 DELL 50万台 120万台 △70万台 △57.9%
12.9% 21.2% △8.3
5位 Samsung 30万台 30万台 △11.4%
7.8% 6.0% △1.8
全体 380万台 550万台 △170万台 △31.0%
100.0% 100.0%

参考

Tablet Shipments Returns to Pre-Pandemic Levels, According to IDC

関連情報(当サイト)

世界のタブレット出荷台数の2022年4Qは0.3%増の4,570万台

2022年4Qの世界タブレット出荷台数

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