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現地時間2023年8月4日に「2023年2Q（4～6月期）の世界タブレット出荷台数とシェア」を、IDCが発表しましたので概要を整理します。

2023年第2四半期の世界のタブレット出荷台数は、前年同期比29.9％減の2,830万台となりました。

当四半期もタブレットの需要は引き続き低迷し、消費者信頼感と購買力が依然として低いことから、上位ベンダーのほとんどが2桁の減少したのが主な要因としています。

IDC発表によると、従来型タブレットと2in1デバイスの両方を対象にした2023年2Q（4～6月期）の世界の出荷台数は、前年同期（2022年2Q）の4,030万台に対して1,200万台（29.9％）減の2,830万台となっています。

タブレットは、新型コロナウィルスの影響で教育（遠隔学習）やエンターテイメントなどの分野で変革をもたらし、多くのユースケースを見出した結果、2020年から2021年にかけて大幅に成長しました。

そして、2022年は2021年の状態が横ばいで続きましたが、2023年1Qは世界中で出社率が向上したうえ、慎重な支出傾向が続いたことなどにより、需要が低下しました。

2023年2Qもタブレットの需要は引き続き低迷し、消費者信頼感と購買力が依然として低いことから、Xiaomi以外の4ベンダーが2桁減少しています。

また、チャネルの在庫レベル上昇もタブレット出荷においては逆風となっていますが、この問題は今後の数カ月で緩和されると予想しています。

2023年2Qの前年同期に対する世界の出荷台数は、トップ5のベンダーの顔ぶれはAmazonが5位圏外となり、代わりにXiaomiが食い込んでいます。

Xiaomiが前年同期に対して30万台（41.6％）増加したのに対して、他の4ベンダーは大幅に減少しています。

また、順位では、HuaweiとLenovoの順位が入れ替わり、Lenovoが3位でHuaweiが4位となっています。

IDCでは、従来型のタブレット「スレート型」とキーボード着脱式2in1「デタッチャブル型」の2つに分けて分析しています。

「スレート型」は2014年をピークとして減少に転じ、この傾向は今後も続くと予測しており、一方の「デタッチャブル型」は、市場の盛り上がりを牽引すると期待されています。

「デタッチャブル型」は、生産性や柔軟性など、使いやすさ重視への需要が高まっており、ノートPCとすみ分けしているだけでなく、一部ではノートPCの代わりのデバイスとして購入したことも貢献しています。

なお、リモート学習やハイブリッドワークなどに最適化した大画面タブレットは、コロナ禍の最中、そしてコロナ後のユーザーニーズを取り込み、コロナ前よりもシェアが拡大しているようです。

現在の低迷状態は2023年上半期は続きそうですが、後半には経済の回復予想に伴って出荷量も回復していくと予想しています。

この様な状況の中で、2023年2Qにおける上位5ベンダーの状況は以下の通りです。

特に、Amazonが5位圏内から外れ、代わってXiaomiが5位に食い込んでいます。

1位はAppleで、シェアは前年同期から5.8ポイント増の37.0％（前年同期：31.2％）で、出荷台数は前年同期比16.8％（210万台）減の1,050万台で依然トップを独走しています。

Appleは高価格帯モデルをある程度余裕のある顧客向けに展開しているため、景気低迷の影響が少なかったとしています。

一方、Samsungは2位で、シェアは2.9ポイント増の20.6％（同17.7％）、出荷台数は同18.3％（130万台）減の580万台となっています。

Samsungは、需要低迷の影響を受けていますが、2023年下半期にプレミアム製品や大画面製品を含むハイエンド分野の需要を拡大することを目指しています。

3位はLenovoで、シェアは0.9ポイント減の7.6％（同8.7％）、出荷台数は同38.8％（140万台）減の210万台となり、1つ順位を上げました。

会計年度の初期段階でもあり、様々なプロモーション・イベントを展開してマーケティング活動を強化したことが寄与しています。

4位はHuaweiで、シェアは0.6ポイント増の5.9％（同5.3％）、出荷台数は同22.9％（40万台）減の170万台となりました。

中国の消費需要が低迷しているのに加え、直近で開催されたイベントも予想を下回り、在庫過剰の状態になっているようです。

5位はXiaomiで、シェアは1.8ポイント増の3.6％（同1.8％）、出荷台数は同41.6％（30万台）増の100万台となりました。

戦略的モデルの発売に加え、チャネルの確立が寄与したようです。

なお、2022年2Q及び2023年2Qともに、Huaweiが売却したHonorの数値は含まれていません。

2023年2Q（4～6月期）のベンダー別出荷台数とシェア

2023年2Q（4～6月期）の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。

タブレット全体の出荷台数は、前年同期に対し1,200万台（29.9％）減の2,830万台となりました。

上位5社のベンダーの顔ぶれは、Amazonが5位圏外となり、代わってXiaomiが5位に食い込みました。

出荷台数は、Appleが前年同期に対して16.8％減の1,050万台で依然トップを維持し、2位がSamsungで同18.3％減の580万台、2023年1Qは4位だったLenovoが3位で同38.8％減の210万台、変わってHuaweiが4位で同22.9％減の170万台となり、5位がXiaomiで同41.6％増と大幅に増加して100万台となっています。

世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移

2023年2Q（4～6月期）の出荷台数は、以下の通りです。

2023年2Q（4～6月期）の世界出荷台数の全体は、前年同期に対して1,200万台（29.9％）減の2,830万台（2022年2Qは4,030万台）です。

上位5ベンダーの顔ぶれは、Amazonが5位圏外となり、代わってXiaomiが5位に食い込みました。

また、2023年1Qは3位だったHuaweiが4位に、同4位だったLenovoが3位と、入れ替わりました。

1位はAppleで、1,050万台（前年同期に対し16.8％減、前年同期 1,260万台）

2位はSamsungで、580万台（同 18.3％減、同 710万台）

3位はLenovoで、210万台（同 38.8％減、同 350万台）

4位はHuaweiで、170万台（同 22.9％減、同 210万台）

5位はXiaomiで、100万台（同 41.6％増、同 70万台）

世界のタブレット、ベンダー別シェア推移

2023年2Q（4～6月期）のシェアは、以下の通りです。

1位はAppleで、37.0％（前年同期に対して 5.8ポイント増、前年同期 31.2％）

2位のSamsungで、20.6％（同 2.9ポイント増、同 17.7％）

3位はLenovoで、7.6％（同 1.1ポイント減、同 8.7％）

4位はHuaweiで、5.9％（同 0.6ポイント増、同 5.3％）

5位はXiaomiで、3.6％（同 1.8ポイント増、同 1.8％）

参考：世界Chromebook、ベンダー別出荷台数とシェア

2023年2Qのベンダー別出荷台数とシェア

上段：出荷台数、下段：シェア

参考

Tablet Shipments Decline Sharply in Q2 2023 While Chromebook Shipments Show Some Resilience, According to IDC

関連情報（当サイト）

世界のタブレット出荷台数の2023年1Qは19.1％減の3,070万台