世界のタブレット出荷台数の2020年4Qは19.5%増の5,220万台、年間では13.6%増の1億6,410万台

2020年4Qの世界タブレット出荷台数とシェア

現地時間2021年2月1日に「2020年4Q(10~12月期)と年間の世界タブレット出荷台数とシェア」が、IDCより発表されましたので概要を整理します。

更新
 2021年04月30日 関連情報:世界のタブレット出荷台数の2021年1Qは前年比55.2%の3,990万台
 2021年04月12日 関連情報:「2021年第1四半期のPC出荷台数とシェア」を発表(IDC)
 2021年03月12日 関連情報:「2021年の世界のノートPCの出荷台数見込み」を発表(IDC)
 2021年03月02日 関連情報:国内の「GIGAスクール向け端末メーカーシェア」を発表(MM総研)
 2021年02月03日

IDC発表によると、従来型タブレットと2in1デバイスの両方を対象にした2020年4Q(10~12月期)の世界の出荷台数は、前年同期(2019年4Q)の4,360万台に対して860万台(19.5%)増の5,220万台となっています。

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による影響はあったものの、2017年4Qの4,990万台以来の勢いを取り戻しました。

前年同期に対する世界の出荷台数は、トップ5の内Huaweiが前年同期に対して減少した以外は、他の4ベンダー全ては増加しています。

特に、前年同期に対してAppleが310万台(19.5%)の増加に対し、Samsungが310万台(44.9%)、Lenovoが310万台(120.6%)と、大きく伸ばしています。(Amazonは30万台(7.6%)の微増)

IDCでは、従来型のタブレット「スレート型」とキーボード着脱式2in1「デタッチャブル型」の2つに分けて分析しています。

「スレート型」は2014年をピークとして減少に転じ、この傾向は今後も続くと予測しており、一方の「デタッチャブル型」は、市場の盛り上がりを牽引すると期待されています。

「デタッチャブル型」は、生産性や柔軟性など、使いやすさ重視への需要が高まっており、ノートPCとすみ分けしているだけでなく、一部ではノートPCの代わりのデバイスとして購入したことも貢献しています。

「デタッチャブル型」では、MicrosoftとAppleを中心にけん引して当期27.9%増加したのに対し、「スレート型」は娯楽用として同13.7%増加したようです。

この様な状況の中で、Appleは、10.2インチ「iPad」や10.9インチ「iPad Air」を新たに投入したのに加え 教育分野への需要を取り込んだことにより、前年同期に対して増加しました。

2020年3Qは410万台(前年同期比62.4%増)の出荷で5位となっていたLenovoが、「スレート型」を中心に560万台(同120.6%増)と大幅に伸ばして、3位に食い込みました。

一方Huaweiは、米中貿易摩擦の影響で330万台(前年同期比25.7%減)で、5位に転落しました。

なお以下のLenovo数値は、今年2018年5月に富士通のPC事業を受け入れたことにより、Lenovoと富士通を合算しています。

2020年4Q(10~12月期)のベンダー別出荷台数とシェア

2020年4Q(10~12月期)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。

タブレット全体の出荷台数は、前年同期に対し860万台(19.5%)増の5,220万台となりました。

上位5社のベンダーの顔ぶれは変わっていませんが、Huawei以外のベンダーが前年同期に対して増加しました。

Appleがシェア36.5%、出荷台数は前年同期に対して19.5%増の1,900万台で依然トップを維持していますが、Samsungが1,010万台(同44.9%増、シェア19.4%)と増加して復調の兆しを見せています。

2020年3Qは5位だったLenovoが560万台(同120.6%増、シェア10.7%)で大幅に伸ばして3位に食い込み、微増のAmazonは360万台(同7.6%増、シェア6.8%)の出荷を確保して4位、唯一減少したHuaweiが330万台(同25.7%減、シェア6.3%)で5位に転落しました。

世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移

2020年4Q(10~12月期)の出荷台数は、以下の通りとなっています。

2020年4Qの世界タブレット出荷台数

ベンダー今期前年同期増減数増減率
1位 Apple 1,900万台 1,590万台 310万台 19.5%
2位 Samsung 1,010万台 700万台 310万台 44.9%
3位 Lenovo 560万台 250万台 310万台 120.6%
4位 Amazon 360万台 330万台 30万台 7.6%
5位 Huawei 330万台 440万台 △110万台 △25.7%
全体 5,220万台 4,360万台 860万台 19.5%

2020年4Q(10~12月期)の世界出荷台数の全体は、前年同期860万台(19.5%)増の5,220万台(2019年4Qは4,360万台)となっています。

上位5位までのベンダーの顔ぶれは変わりませんが、Huaweiを除くベンダーが前年同期に対して増加しています。

ベンダー別の状況は、以下の通りです。

Appleの出荷台数は1,900万台(前年同期1,590万台:310万台増、19.5%増)

  • ・遠隔教育を中心とした教育分野への好調が継続しています。
  • ・10.2インチ「iPad」や10.9インチ「iPad Air」の投入が、ホリデーシーズンでの売上拡大に貢献しています。

Samsungは1,010万台(同700万台:310万台増、44.9%増)

  • ・「Galaxy Tab A」や「Galaxy Tab S6 Lite」などのAndroid搭載の「スレート型」の展開が貢献しています。
  • ・Android搭載の「スレート型」のブランド力を活かして、市場の需要に対応して「デタッチャブル型」の存在感を得て増加を維持しています。

Lenovoは560万台(同250万台:310万台増、120.6%増)

  • ・「スレート型」が大部分を占め、出荷量を伸ばしています。
  • ・新たに投入したChromebookが勢いを増しており、「デタッチャブル型」を約2.5%増加しています。

Amazonは360万台(同330万台:30万台増、7.6%増)

  • ・依然として米国が最大の市場であり、西ヨーロッパが続いています。
  • ・「Kids Edition」が、コロナ禍における子供の家庭内需要を取り込んでことも貢献しています。

Huaweiは330万台(同440万台:110万台減、25.7%減)

  • ・米中貿易摩擦が影響しています。
  • ・しかし、中国では存在感を得ています。
世界のタブレット、ベンダー別シェア推移

2020年4Q(10~12月期)のシェアは、以下の通りとなっています。

2020年4Qの世界タブレットのシェア

ベンダー今期前年同期増減
1位 Apple 36.5% 36.5%
2位 Samsung 19.4% 16.0% 3.4
3位 Lenovo 10.7% 5.8% 4.9
4位 Amazon 6.8% 7.6% △0.8
5位 Huawei 6.3% 10.1% △3.8

1位はAppleで、36.5%(前年同期と同等、前年同期36.5%)

2位のSamsungで、19.4%(前年同期に対して3.4ポイント増、同16.0%)

3位はLenovoで、10.7%(同4.9ポイント増、同5.8%)

4位はAmazonで、6.8%(同0.8ポイント減、同7.6%)

5位はHuaweiで、6.3%(同3.8ポイント減、同10.1%)

2020年(年間)のベンダー別出荷台数とシェア

2020年(年間)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。

2020年の世界タブレットの出荷台数とシェア

上段:出荷台数、下段:シェア

ベンダー今期前年同期増減数増減率
1位 Apple 5,320万台 4,990万台 330万台 6.7%
32.5% 34.6% △1.9
2位 Samsung 3,130万台 2,170万台 960万台 44.4%
19.1% 15.0% 4.1
3位 Huawei 1,600万台 1,480万台 120万台 8.5%
9.8% 10.2% △0.4
4位 Lenovo 1,410万台 850万台 560万台 66.4%
8.6% 5.9% 2.7
5位 Amazon 1,400万台 1,300万台 100万台 7.5%
8.5% 9.0% 0.5
全体 16,410万台 14,450万台 1,960万台 13.6%
100.0% 100.0%

参考

Worldwide Tablet Shipments Return to Growth in 2020, Fueled by Unprecedented Demand
01 Feb 2021

関連情報(当サイト)

世界のタブレット出荷台数の2020年3Qは24.9%増
2020年11月5日

2020年3Qの世界タブレット出荷台数とシェア

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