現地時間1月29日に「2013年4Q(10~12月期)の世界のタブレット出荷台数」と同3月6日に「世界のタブレットの成長予想」が、IDCより発表されましたので概要を整理します。
2013年4Qの世界の出荷台数は2012年4Qに対して1,690万台(28.2%)増の7,690万台、2013年全体で2億1,710万台(2012年は1億4,420万台)となっています。
さらに2014年は2億6,090万台で、2013年から19.4%増に鈍化すると予想しています。(2013年は前年比50.6%増)
更新
2014年5月04日 更新情報:2014年1~3月の出荷台数とシェア、補足:AppleとSamsungの決算
2014年3月14日 他サイトの関連情報:スマートフォン・タブレットの世界市場に関する調査結果
2014年3月11日
今回発表の「2013年4Q(10~12月期)の世界のタブレット出荷台数」と「世界のタブレットの成長予想」の概要は、以下の通りです。
2013年4Qの出荷台数と成長予想の概要
2013年4Q(10~12月期)の世界のタブレット出荷台数
発表では、タブレット端末の2013年第4四半期の世界のベンダー別出荷台数とシェア、さらにベンダー別シェアの四半期単位の推移がまとめられています。
年末商戦を迎え、Appleは11月に発売した「iPad Air」「iPad mini Retina」、Samsungも「GALAXY」シリーズを中心に好調であったのに加え、特にLenovoはAndroidからWindowsまで幅引く展開した効果で大幅に増加しています。
- ・2013年4Qの世界出荷台数の全体は、前年同期比28.2%増の7,690万台(2012年4Qは6,000万台)
- ・Appleの出荷台数が2,600万台(前年度同期2,290万台、13.5%増)に対し、Samsungは1,450万台(同780万台、85.9%増)
- ・ベンダー別シェアは、Appleが33.8%(前年同期38.2%)に対し、Samsungは18.8%(同13.0%)
タブレットの成長予想
2014年の世界におけるタブレット出荷台数(2-in-1型も含む)は、前年比19.4%増の2億6,090万台となる見通しとしています。
2014年の伸び率19.4%増は、2013年の前年比50.6%増よりも鈍化する見通しで、主な要因は先進国市場の一巡に伴う新規購入や買い替え需要の減速としています。
また、タブレット端末の平均販売価格(ASP)は、下落に歯止めがかかりつつあるとしています。
- ・2012年のASPは前年比で18.3%低下し、さらに2013年は同14.6%低下
- ・そして2014年は同3.6%低下と、小幅な下落にとどまる見通し
その主な要因は、高価格帯の法人向け製品の伸びと、消費者の「超低価格端末」離れとしています。
さらに、法人向け端末の出荷が伸びていくと予測しています。
- ・全体に占める法人向けの台数比率は、2013年の11%に対し2014年は14%
- ・2018年は、18%になると予測
- ・法人向けタブレットは、これまで教育市場など特定分野で伸びてきましたが、今後は小企業から大企業までの企業に浸透していくと予想しています。
世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移
- ・2013年4Qの出荷台数は、以下の通りとなっています。
- 1位のAppleは、前年同期比13.5%増の2,600万台(前年同期2,290万台)
- 2位のSamsungは、同85.9%増の1,450万台(同780万台)
- 3位はAmazonで、同1.7%減の580万台(同590万台)
- 4位はASUSで、同25.8%増の390万台(同310万台)
- 5位はLenovoで、同325.0%増の340万台(同80万台)
- ・Appleは11月に「iPad Air」「iPad mini Retina」を発売し、「iPad」は四半期としては過去最高を記録したようです。
しかしApple全体の伸び率13.5%増は、市場全体の28.2%増を大きく下回っています。
- ・Samsungも、「GALAXY」シリーズを中心に幅広い製品ラインアップと通信キャリアへの対応強化で拡大しています。
- ・そしてLenovoは、AndroidからWindowsまで幅引く展開したことにより、前年同期比325.0%増の340万台(前年同期80万台)と大幅に伸びました。
- ・一方Amazonは、「Kindle Fire HDX」シリーズを11月に発売しましたが、前年同期にから微減となっています。
なおMicrosoftも「Surface」シリーズを10月に発売しましたが、上位5社には食い込めず、「その他」に含まれています。
世界のタブレット、ベンダー別シェアの推移
- ・2013年3Qのシェアは、以下の通りとなっています。
- 1位のAppleは、33.8%(前年同期38.2%)
- 2位のSamsungは、18.8%(同13.0%)
- 3位はAmazonで、7.6%(同9.9%)
- 4位はASUSで、5.1%(同5.1%)
- 5位はLenovoで、4.4%(同1.3%)
- ・Appleは、3Qに30%を下回りましたが4Qは33.8%に回復し、Samsungは3Qに20%を上回りましたが4Qは再び18.8%となっています。
ベンダーではAppleとSamsung、OSではiOSとAndroidが、タブレット市場を引き続き牽引することになるのでしょうが、平均価格低下に歯止めがかかりつつある中で、ベンダー各社は新たな差別化の訴求と法人需要の取り込みが成長のポイントになりそうです。
2013年の世界のタブレット台数(ベンダー別)
今回IDC発表の出荷台数と先日当サイトでもご紹介したGartner発表の販売台数を、以下に整理します。
台数は多少異なりますが、同様の傾向を示しています。
出荷台数(IDC)
販売台数(Gartner)
IDCの発表情報
関連情報
他サイト
スマートフォン・タブレットの世界市場に関する調査結果 2014
2014年3月14日 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
当サイト
タブレットの世界販売台数とシェア(2013年)、OS別ではAndroidが初の首位、ベンダー別ではAppleが首位を維持(Gartner)
2014年3月5日
世界のタブレット出荷台数、2013年3QもAppleシェアが減少(IDC発表)、AppleとSamsungの製品展開の違い
2013年11月3日
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