現地時間5月1日に「2014年1Q(1~3月期)の世界のタブレット出荷台数」が、IDCより発表されましたので概要を整理します。
合わせて、先週発表されたAppleとSamsungの四半期(2014年1~3月期)決算概要も整理します。
IDC発表によると、従来型タブレットと2in1タブレットの両方を対象にした2014年1Qの世界の出荷台数は、2013年1Qの4,860万台に対して1,800万台(3.9%)増の5,040万台となっています。
更新
2015年2月25日 関連情報:世界のタブレット出荷台数、2014年4Qは初めて対前年同期比減
2014年8月12日 他サイトの関連情報:サムスンとアップルに切り込む中国メーカー
2014年8月04日 他サイトの関連情報:アップルがASUSに負けた! タブレット市場でシェア逆転
2014年5月04日
今回の発表では、世界のタブレット端末の2014年第1四半期(1~3月期)の「ベンダー別出荷台数とシェア」、さらに「ベンダー別シェアの四半期単位の推移」がまとめられています。
2014年1Q(1~3月期)のベンダー別出荷台数とシェア
2014年1Q(1~3月期)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。
年末商戦を終えた反動もあるようですが、タブレット全体では前年同期比3.9%増と微増にとどまっています。
特にAppleのシェアは依然とトップを維持しましたが、Samsungの激しい追い上げで差は縮まってきています。
- ・2014年1Qの世界出荷台数の全体は、前年同期比3.9%増の5,040万台(2013年1Qは4,860万台)
- ・Appleの出荷台数が1,640万台(前年度同期1,950万台、15.9%減)に対し、Samsungは1,120万台(同850万台、31.8%増)
- ・ベンダー別シェアは、Appleが32.5%(前年同期40.2%)に対し、Samsungは22.3%(同17.5%)
世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移
- ・2014年1Qの出荷台数は、以下の通りとなっています。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 1,640万台 | 1,950万台 | △15.9% |
2位 | Samsung | 1,120万台 | 850万台 | 31.8% |
3位 | ASUS | 250万台 | 260万台 | △3.8% |
4位 | Lenovo | 210万台 | 60万台 | 250.0% |
5位 | Amazon | 100万台 | 180万台 | △44.4% |
全体 | 5,040万台 | 4,860万台 | 3.9% |
- ・Appleは11月に「iPad Air」「iPad mini Retina」を発売し、「iPad」は四半期としては過去最高を記録しましたが、今期は1,640万台で前年同期比15.9%減と減少に転じています。
- ・Samsungは、「GALAXY」シリーズを中心に幅広い製品ラインアップと通信キャリアへの対応強化で拡大しており、今期は過去の伸び率よりは低いものの前年同期比31.8%増の1,120万台となっています。
- ・またLenovoは、AndroidからWindowsまで幅引く展開したことが貢献し、前年同期比250.0%増の210万台(前年同期60万台)と大幅に伸びました。
- ・なおMicrosoftも「Surface」シリーズを10月に発売しましたが、上位5社には食い込めず、「その他」に含まれています。
世界のタブレット、ベンダー別シェア推移
- ・2014年1Qのシェアは、以下の通りとなっています。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減 | |
---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 32.5% | 40.2% | △7.7 |
2位 | Samsung | 22.3% | 17.5% | 4.8 |
3位 | ASUS | 5.0% | 5.4% | △0.4 |
4位 | Lenovo | 4.1% | 1.3% | 2.8 |
5位 | Amazon | 1.9% | 3.7% | △1.8 |
- ・Appleはシェア32.5%と依然トップを維持していますが、前年同期に対し7.7ポイント減少しています。
- ・一方Samsungは、シェア22.3%と前年同期に対し4.8ポイント増加し、激しく追い上げています。
AppleとSamsungの2014年1~3月期の四半期決算概要
先週、Appleが現地時間4月23日に2014年度第2四半期(3月29日締め)、Samsungが現地時間4月29日に2014年度第1四半期(3月31日締め)決算をそれぞれ発表していますので、その概要を整理します。
Appleの2014年度第2四半期決算(3月29日締め)概要
- ・主な指標(換算:ドル=102円換算)
- 売上高:前年同期比4.7%増の456億4,600万ドル(約4兆6,500億円)
- 営業利益:同8.2%増の135億9,300万ドル(約1兆3,800億円)
- 純利益:同7.1%増の102億2,300万ドル(約1兆400億円)
- 2012年初頭に最高値47.4%を記録して以来連続して減少中。
主な要因は、より低価格な製品を好む顧客が増えているためとしています。
- ・カテゴリー別の売上高と販売台数
- iPad販売の市場予測を下回った原因を流通在庫における変更としており、社内予測は満たしているとしています。
- 今後の予想は、「iPad」初代モデル投入以降に2億1,000万台以上を販売していること、iPad版「Microsoft Office」が提供可能になったことが販売増加を後押しするとしています。
第2四半期(今期) | 前年同期比 (販売台数) | 第1四半期 | ||
---|---|---|---|---|
売上高 | 販売台数 | |||
iPhone | 260.6億ドル | 4,372万台 | 16.8%増 | 5,103万台 |
iPad | 76.1億ドル | 1,635万台 | 16.0%減 | 2,600万台 |
Mac | 55.2億ドル | 413万台 | 4.6%増 | 484万台 |
iPod | 4.6億ドル | 276万台 | 51.0%減 | 605万台 |
iTunes/ ソフトウェア/ サービス |
45.7億ドル | - | - | - |
- ・株式関連
- 2015年までに買い戻すことが既に決定されている600億ドル分に加えて、さらに300億ドル相当の株式を買い戻す予定としています。
- また、配当率を8%引き上げ、1株あたりの配当を3.29ドルとして、5月15日から支払いが開始されます。
Samsungの2014年度第1四半期(3月31日締め)決算概要
- ・主な指標(換算:ウォン=0.1円換算)
- 売上高:前年同期比1.5%増の53兆6,800億ウォン(約5兆3,700億円)
- 営業利益:同3.3%減の8兆4,900億ウォン(約8,500億円)
2四半期連続での減益は、2011年4~9月期以来の2年半ぶり
- 純利益:同5.9%増の7兆5,700億ウォン(約7,570億円)
- ・スマートフォンの販売は、一時の勢いを失っているものの、「GALAXY S4」や昨年9月発売の「GALAXY NOTE3」などの主力製品は堅調な売れ行きのようです。
- ・4~6月期の見通し
新製品の「GALAXY S5」が4月に本格発売し、業績改善が予想される見通しとしています。
参考
Worldwide Tablet Shipments Miss Targets as First Quarter Experiences Single-Digit Growth, According to IDC
01 May 2014 IDC
Apple Reports Second Quarter Results
Apr 23, 2014 Apple
Samsung Earnings Release 1Q 2014(PDF)
Apr 29, 2014 Apple
他サイトの関連情報
サムスンとアップルに切り込む中国メーカー--2014年下半期、スマホ業界をめぐる動き
2014年8月12日 CNET Japan
アップルがASUSに負けた! タブレット市場でシェア逆転劇発生
2014年8月4日 日経トレンディネット
関連情報(当サイト)
世界のタブレット出荷台数、2013年4Q拡大も2014年は伸び率鈍化、平均販売価格下落に歯止め(IDC発表)
2014年3月11日
関連記事
前へ
「Miix 2 11」LenovoがWindows8.1(11.6インチ)タブレットを発表、JBL製スピーカー搭載で動画や音楽も堪能
次へ
「Xperia Z2 Tablet」ソニーがAndroid4.4(10.1インチ)タブレットを発表、さらに進化した充実のスペック