先日、IDCから「2013年第3四半期(7~9月期)の世界のタブレット出荷台数」が発表されましたので、概要を整理します。
これまでのシェア推移を見ても、Appleが減少傾向であるのに対し、Samsungを中心とした「Android」陣営の伸びが目立ちます。
また、AppleとSamsungの主なタブレットの発売履歴を整理してみると、Appleは「iPad」と「iPad mini」の2モデルに集中し、Samsungは「GALAXY」シリーズとして様々なモデルを断続的に展開しています。
更新
2013年12月29日 他サイトのレビュー記事:2013年のタブレットを冷静に振り返る
2013年11月03日
今回の発表では、タブレット端末の2013年第3四半期の世界のベンダー別出荷台数とシェア、さらにベンダー別シェアの四半期単位の推移がまとめられています。
発表によると、Samsungを中心とした「Android」陣営がAppleに迫る勢いで伸びています。
特に第3四半期は、Appleのシェアが初めて30%を下回り、Samsungは初めて20%を上回りました。
- ・2013年3Qの世界出荷台数の全体は、前年同期比36.7%増の4,760万台(2012年3Qは3,480万台)
- ・Appleの出荷台数が1,410万台(前年度同期1,400万台、0.6%増)に対し、Samsungは970万台(同430万台、123%増)
- ・ベンダー別シェアは、Appleが29.6%(前年同期40.2%)に対し、Samsungは20.4%(同12.4%)
Appleは、11月に「iPad Air」「iPad mini Retina」を販売します。
今のところ高評価を得ているようですので第4四半期の出荷台数は伸びるでしょうが、今や競争の激しいタブレット市場、年末商戦の結果が楽しみです。
世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移
- ・2013年3Qの出荷台数は、以下の通りとなっています。
1位のAppleは、前年同期比0.6%増の1,410万台(前年同期1,400万台)
2位のSamsungは、同123.0%増の970万台(同430万台)
3位のASUSは、同53.9%増の350万台(同230万台)
4位のLenovoは、同420.7%増の230万台(同40万台)
5位のAcerは、同346.3%増の120万台(同30万台)
- ・直近の出荷台数は5,000万台前後で推移していますが、やはりAppleが減少傾向であるのに対し、Samsungはスマートフォンでのブランド力、ASUSは「Nexus 7」を中心とした製品展開が貢献しているようで、両社とも伸びています。
また、4位のLenovoと5位のAcerは、第2四半期に再びランキング上位5社に入り、第3四半期もその順位を維持しています。
- ・Appleは「iPad Air」「iPad mini Retina」を11月から販売しますし、Samsung「GALAXY」シリーズの今年モデルを販売していますので、第4四半期の熾烈な争いは続きそうです。
- ・一方、AmazonやMicrosoftは「その他」に含まれていると考えられます。
しかし、Amazonは「Kindle Fire HDX」シリーズを11月に、Microsoftは「Surface」シリーズを10月に発売しています、上位に食い込めるか今後の動向に注目したいところです。
世界のタブレット、ベンダー別シェアの推移
- ・2013年3Qのシェアは、以下の通りとなっています。
1位のAppleは、29.6%(前年同期40.2%)
2位のSamsungは、20.4%(同12.4%)
3位のASUSは、7.4%(同6.6%)
4位のLenovoは、4.8%(同1.1%)
5位のAcerは、2.5%(同0.9%)
- ・直近の推移も出荷台数と同様、Appleは減少して30%を下回ったのに対し、Samsungは毎四半期2ポイントの伸びてきた結果20%を上回り、ASUSとLenovoもシェアを伸ばしています。
Apple対「Android」陣営、さらにはAmazonや「Windows」陣営。
各社、年末商戦に向けて新しいタブレットを発売していますので、第4四半期の結果が楽しみです。
補足:AppleとSamsungのタブレット展開履歴
以下に、AppleとSamsungの主なタブレットの発売履歴を整理してみました。
Appleは「iPad」と「iPad mini」の2モデルに集中し、Samsungは「GALAXY」シリーズとして様々なモデルを断続的に展開しています。
Apple | Samsung | ||
---|---|---|---|
モデル | 発売日 | モデル | 発売日 |
iPad | 米:2010年4月3日 日:2010年5月7日 |
||
GALAXY Tab | 2010年11月26日 | ||
iPad 2 | 米:2011年3月11日 日:2011年3月25日 |
||
GALAXY Note | 2011年9月1日 | ||
GALAXY Tab 10.1 | 2011年10月15日 | ||
GALAXY Tab 7.0 Plus | 2011年12月10日 | ||
iPad 3 | 2012年3月16日 | ||
GALAXY NoteⅡ | 2012年9月26日 | ||
GALAXY Tab 7.7 | 2012年10月25日 | ||
iPad 4 iPad mini |
2012年11月2日 | ||
GALAXY NoteⅡ | 日:2012年11月16日 | ||
GALAXY Note 8.0 | 2013年4月11日 | ||
GALAXY Tab 3 | 2013年7月7日 | ||
GALAXY Note 10.1 | 2013年10月10日 | ||
iPad Air | 2013年11月1日 | ||
iPad mini Retina | 2013年11月12日 |
以前当サイトで、スマートフォンの「2013年第1四半期(1Q)営業利益別のシェア」を整理しましたが、タブレットでも同様の構図になっていると想像しています。
- ・営業利益の総額は125億ドルで、その内の71億ドル(シェア57%)がApple、53億ドル(シェア42%)がAndroid。
- ・Androidに限定すると、Samsungが51億ドル(Android全体の96%)
スマートフォン全体でもAppleの57%に次いでSamsungが41%。
Appleの「シンプルで最高の製品」、Samsungは「選択肢の多さと機能の豊富さ」
この様な表現を思い浮かべてしましますが、両社の戦略の違いが今後どのような結果をもたらすのか継続して確認していく予定です。
参考
Android Growth Drives Another Strong Quarter for the Worldwide Tablet Market, According to IDC
30 Oct 2013
他サイトのレビュー記事
本田雅一のクロスオーバーデジタル:2013年のタブレットを冷静に振り返る
2013年12月29日 ITmedia PC USER
関連情報(当サイト)
世界のスマートフォン出荷台数とシェア、2013年1QのOSシェア1位はAndroidで75%、営業利益シェアはiOSで57%
2013年5月22日
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