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富士通が、2025年度(2026年3月期)第3四半期決算(2025年4月1日~12月31日)と通期予想を発表しましたので、概況を整理します。
ハードウェアとユビキタスの両セグメントが減収増益となったものの、国内のDXやモダナイゼーション商談が伸長したサービスソリューションが増収増益となり、全体の累計では前年同期に対して増収増益となりました。
なお、親会社の所有者に帰属する当期利益は、非継続事業(富士通ゼネラル・新光電気工業)の売却益を計上したため前年比 2,556億円増となりました。
調整後連結業績
- ・売上収益は、前年同期に対して 431億円(1.8%)増の 2兆4,512億円
- ・調整後営業利益は、前年同期に対して 920億円増の 2,292億円
(調整後営業利益率は、前年同期比 3.6%改善して 9.3%)
- ・親会社の所有者に帰属する調整後当期利益は、前年同期に対して 645億円増の 1,715億円
連結業績(調整前)
- ・売上収益は、前年同期に対して 431億円(1.8%)増の 2兆4,512億円
- ・営業利益は、前年同期に対して 1,052億円増の 2,110億円
- ・税引前利益は、前年同期に対して 1,509億円増の 2,651億円
- ・親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期に対して 2,556億円増の 3,437億円
2025年度(2026年3月期)の通期決算予想は、前回予想から上方修正しています。
増収効果と採算改善による当3Q累計実績の改善を踏まえたものです。
- ・売上収益は、前年比 201億円(0.6%)減の 3兆5,300億円
(前回予想から 800億円上方修正)
- ・調整後営業利益は、同 727億円増の 3,800億円
(過去最高益、前回予想から 200億円上方修正)
- ・親会社の所有者に帰属する調整後当期利益は、同 340億円増の 2,750億円
(前回予想から 250億円上方修正)
なお、2024年度第4四半期から非継続事業へ分類を変更したデバイスソリューションを除いています。
富士通の2025年度第3四半期(2024年4~12月)連結業績

ハードウェアとユビキタスの両セグメントが減収増益となったものの、国内のDXやモダナイゼーション商談が伸長したサービスソリューションが増収増益となり、全体の累計では前年同期に対して増収増益となりました。
なお、売上収益の前年比は 1.8%増ですが、再編などを除く実質ベースでは 4.4%増であったとしています。
また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、非継続事業(富士通ゼネラル・新光電気工業)の売却益を計上したため前年比 2,556億円増となりました。
調整後連結業績
- ・売上収益は、前年同期に対して 431億円(1.8%)増の 2兆4,512億円
- ・調整後営業利益は、前年同期に対して 920億円増の 2,292億円
(調整後営業利益率は、前年同期比 3.6%改善して 9.3%)
- ・親会社の所有者に帰属する調整後当期利益は、前年同期に対して 645億円増の 1,715億円
連結業績(調整前)
- ・売上収益は、前年同期に対して 431億円(1.8%)増の 2兆4,512億円
- ・営業利益は、前年同期に対して 1,052億円増の 2,110億円
- ・税引前利益は、前年同期に対して 1,509億円増の 2,651億円
- ・親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期に対して 2,556億円増の 3,437億円
セグメント別の業績
セグメント別の業績(累計)は以下の通りで、サービスソリューションが増収増益、ハードウェアソリューションとユビキタスソリューションが減収増益となっています。
■サービスソリューションは増収増益
売上収益が前年同期比 946億円(6.1%)増の1兆6,577億円、調整後営業利益は同 545億円増の2,161億円
(事業再編などを除く実質ベースでは、売上収益は前年同期比7.5%増)
国内市場を中心にDXおよびモダナイゼーション商談が力強く伸長したとしています。
- ・売上収益は、国内市場においてDX・モダナイ商談が伸長(国内ビジネス+10.4%)、海外市場は前年大型商談の反動により減収(海外ビジネス△1%)、Fujitsu Uvanceの売上は前年から53%伸長
- ・調整後営業利益は、増収効果に加えて、採算性改善も着実に進捗
調整後営業利益545億円増益の内訳は、以下の通りです。
- ・Uvanceオファリングやモダナイゼーションおよびコンサルティングの投資拡大など△112億円に対し、
- ・売上増収効果で+346億円(売上収益+946億円)と採算性改善で+311億円で、計+545億円(売上収益+946億円)
採算性改善+311億円(売上総利益率は1.9%の改善)は、以下の状況です。
- デリバリ強化
- ジャパングローバルゲートウェイ(JGG)活用により、プロセスの標準化
- 生成AI活用として、国内SE 3万人と協力会社に生成AIツールChat AI for Project等の利用環境を提供済、海外36ケ国へも利用環境を提供開始、国内PJの内、生成AIを利用(2Q末 3割 → 3Q末 6割)
- 標準化、AI活用の推進に伴う品質やスピード向上を付加価値として訴求
- ・人材ポートフォリオ最適化として、人材の最適配置による生産性を向上
国内の受注状況(累計)の分野別は以下の通りで、全体では前年同期に対して104%です。(大型商談除くと107%)
国内サービスはDXを中心に旺盛な需要が継続し、複数年大型商談を除くと全業種で前年を上回る伸長です。
- ・エンタープライズ(産業・流通・小売)は前年同期に対して100%
前年同期の大口複数年契約の反動、特に流通は、DXやSX、モダナイゼーション案件などの引き合いが旺盛
- ・ファイナンス(金融・保険)は同95%
金融機関向けの営業店システムの大型更新商談を獲得
- ・パブリック&ヘルスケア(官公庁・自治体・医療)は同104%
1Qは主に官公庁向けの大型案件の反動があったものの、第2四半期や第3四半期に獲得した大型案件を積み上げ
- ・ミッションクリティカル他(ミッションクリティカル・ナショナルセキュリティ他)は同125%
公営競技向け更新案件を獲得し、防衛省向け受注も高い水準を継続
一方、海外の受注状況(累計)の分野別は以下の通りです。
- ・Europeは前年同期に対して114%
データセンター関連で複数年契約の大型更新案件を受注
- ・Americasは同74%、Asia Pacificは同91%
前年にBusiness Applicationの複数年契約の大型受注の反動
なお、2025年4月からは国ごとの体制へと変更して利益体質の確立に向けた構造改革を進め、Uvanceを中心としたサービスビジネスの拡大を図り、すべてのエリアでの収益性向上を図っています。
- ・Europeは、構造改革完了に向けて採算性の低い事業のカーブアウトや地域戦略の見直しを実行
- ・Americasは、サービスビジネスに注力し、2024年度にコンサルティング事業を立ち上げ
- ・Asia Pacificは、採算性の高いビジネスと地域にフォーカスした構造改革に着手
サブセグメント別の内訳は、以下の通りです。
特に、Japanは、売上収益はDXおよびモダナイゼーション案件が伸長し、調整後営業利益も増収効果に加え、採算性向上により増益となったのが貢献しています。
- グローバルソリューションは増収増益
- 売上収益が前年同期比 128億円増の3,798億円、調整後営業利益が同 179億円改善して131億円(黒字転換)
- 売上収益は、Uvanceオファリングを中心に増収
- 調整後営業利益は、増収効果に加え、オファリング毎に開発投資の見極めも進め増益
- リージョンズ(Japan)は増収増益
- 売上収益が前年同期比 477億円増の9,530億円、調整後営業利益は同 259億円増の1,799億円
- 売上収益は、DXビジネスや基幹システム刷新によるモダナイゼーションの案件が伸長して増収
- 調整後営業利益は、デリバリ強化や価値訴求により採算性改善
- リージョンズ(海外)は減収増益
- 売上収益が前年同期比 42億円減の4,176億円、調整後営業利益は同 106億円増の 230億円
- 売上収益は、主にOceaniaの前年公共系大型商談の反動により減収
- 調整後営業利益は、事業ポートフォリオ改革の効果により利益改善
■ハードウェアソリューションは減収増益
売上収益が前年同期比 399億円減の 6,729億円、調整後営業利益は同 229億円増の370億円
(売上基準変更の影響やアジアパシフィックにおける小規模事業、低採算事業の縮小により減収となったものの、コスト効率化が進展して大きく増益)
- ・システムプロダクトの売上収益は、同 509億円減の5,425億円
売上基準変更影響を除いて △1.9%、アジアで小規模・低採算事業を縮小、メインフレーム増収の影響やエフサステクノロジーズの製販一体体制による事業効率向上効果もあり増益
- ・ネットワークプロダクトの売上収益は、同 109億円増の1,304億円
売上収益は主に基地局納入スケジュールの前倒しによる増収、増収効果により増益、7月1日に新会社(1FINITY株式会社)を設立
■ユビキタスソリューションは減収増益
売上収益が前年同期比 35億円減の 1,779億円、調整後営業利益は同111億円増の314億円
- ・Windows10サポート終了(2025年10月)に起因する需要増に加え、前年の大口商談の反動により減収
- ・高付加価値商品の販売へシフトを進めたことにより増益
■消去・全社
調整後営業利益は同 34億円改善の△555億円
- ・AIや量子コンピューターなどの先進的先行研究、中長期的な事業成長投資を引き続き計画的に実施(先進的先行研究・経営基盤強化)
Fujitsu Uvanceの状況
2023年5月24日に発表した、2025年度を最終年度とする中期経営計画では、Fujitsu Uvanceを成長のドライバーとして、サービスソリューションを中心に全社の収益性拡大を目指すとして、2025年度の売上収益 7,000億円(2022年度実績:2,000億円、2023年度実績:3,679億円、2024年度実績:4,828億円)を目標にしています。
社会課題を起点として、クロスインダストリーでお客様の成長に貢献するデジタルサービスを提供するとして、社会課題を解決するクロスインダストリー4分野(Vertical)と支える3つのテクノロジー基盤(Horizontal)を定めています。
- ・Vertical:Sustainable Manufacturing、Consumer Experience、Healthy Living 、Trusted Society
- ・Horizontal:Digital Shifts、Business Applications、Hybrid IT
2025年度第3四半期の売上収益は、前年同期に対して 53%増の 4,927億円(売上構成:比 30%)となっています。
コンサルティングブランドであるUvance Wayfindersが立ち上がり、従来のSI商談とは異なり、経営変革のアジェンダ策定から実装までの商談が生まれているとしています。
また、グローバルでのオファリングの標準化、商談におけるリカーリング比率の向上、海外ではGK SoftwareなどのVertical領域が伸長しているようです。
- ・2024年度3Q:3,217億円(Vertical:1,147億円、Horizontal:2,069億円)
→ 2025年度3Q:53%増の 4,927億円(Vertical:77%増の 2,025億円、Horizontal:40%増の 2,902億円)
- ・売上構成比は、2024年度3Q:21% → 2025年度3Q:30%
なお、売上収益の年度推移は、以下の通りとしています。
- ・2022年度(実績):2,000億円(V 150億円、H 1,850億円)、構成比 10%
- ・2023年度(実績):3,679億円(V 1,163億円、H 2,515億円)、構成比 17%
- ・2024年度(実績):4,828億円(V 1,752億円、H 3,076億円)、構成比 21%
- ・2025年度(計画):7,000億円(V 2,800億円、H 4,200億円)、構成比 30%
2030年度に向けては、サービスソリューション全体の半分近いものを、(Fujitsu Uvanceのような)オファリングのポートフォリオで占め、グロスマージン率を拡大していきたいとの考えを明らかにしています。
Uvanceによるオファリングビジネスを半分にすることで採算性が高まり、リカーリング型ビジネスの獲得にもつながるのに加え、第4四半期集中のビジネス構造を解消でき、事業効率を高めることもできるとしています。
モダナイゼーションの状況
DX化・クラウド化への導線としてモダナイゼーション需要が拡大し、レガシー資産からDX移行を戦略的に進め、新市場・波及売上を創出するとしています。
2025年度第3四半期の売上収益は、Fujitsu Uvanceの重複分を含むと前年同期比 43%増の 2,665億円(売上構成比 11%)となりました。
なお、売上収益の年度推移は、以下の通りとしています。
- ・2022年度(実績):1,100億円、構成比 4%
(ハード 149億円、Uvance 136億円、サービス 815億円)
- ・2023年度(実績):1,600億円、構成比 6%
(ハード 217億円、Uvance 199億円、サービス 1,600億円)
- ・2024年度(実績):2,969億円、構成比 9%
(ハード 374億円、Uvance 585億円、サービス 2,010億円)
- ・2025年度(計画):3,300億円、構成比 10%
(ハード 370億円、Uvance 620億円、サービス 2,310億円)
受注、売上とも順調に拡大しており、リソースを効率的、機動的にアサインするほか、モダナイゼーションマイスターと認定している専門人材の育成、言語の自動変換ツールの整備など、業務の高度化、効率化を図っているとしています。
2025年度は、Fujitsu Uvanceにつながるモダナイゼーションと、Horizontalソリューションを統合したDXの提案を加速させるのに加え、生成AIを活用した効率化や自動化を行い、競争力を高める計画です。
その他
キャッシュフローの状況
- ・コア・フリー・キャッシュフロー:前年同期比 1,332億円増の 1,757億円(利益の拡大、棚卸資産圧縮など運転資本の効率化、設備投資の減)
- ・フリー・キャッシュフロー:前年同期比 4,134億円増の 3,903億円
営業活動によるキャッシュ・フロー:同 918億円増の 1,910億円
投資活動によるキャッシュ・フロー:同 3,216億円増の 1,993億円(新光電気工業・ゼネラルの株式売却による一過性の収入 約2,900億円、ブレインパッドの株式取得による一過性の支出 約△460億円)
- ・財務活動によるキャッシュ・フロー:同 2,622億円減の △2,810億円(短期借入金の返済)
資産、負債、資本の状況
- ・資産:前年同期比 2,848億円減の 3兆2,129億円
- ・負債:同 4,016億円減の 1兆1,940億円
- ・資本(純資産):同 1,168億円増の 2兆188億円
親会社所有者帰属持分(自己資本):同 2,581億円増の 1兆9,991億円
- ・(参考)有利子負債:前年同期比 1,122億円減の 1,348億円
2025年度(2026年3月期)の通期決算予想

2025年度(2026年3月期)の通期決算予想は、全指標において前回予想を上方修正しています。(デバイスソリューションの非継続事業への分類変更後)
増収効果と採算改善による当3Q累計実績の改善を踏まえたものです。
- ・売上収益は、前年比 201億円(0.6%)減の 3兆5,300億円
(前回予想から 800億円上方修正)
- ・調整後営業利益は、同 727億円増の 3,800億円
(過去最高益、前回予想から 200億円上方修正)
- ・親会社の所有者に帰属する調整後当期利益は、同 340億円増の 2,750億円
(前回予想から 250億円上方修正)
2025年度は中期経営計画の最終年度となり、サービスソリューションを中心とした利益拡大と採算性改善に取り組むことで中期経営計画を達成し、その先に持続的な企業価値拡大につなげるとしています。
セグメント別の業績予想
セグメント別の業績見通しは以下の通りで、ハードウェアソリューションとユビキタスソリューションは減収減益を見込むものの、サービスソリューションが増収増益を見込んで、全体で減収増益を見込んでいます。
■サービスソリューション
売上収益は前年比 1,040億円増の 2兆3,500億円(前回予想から 200億円上方修正)
調整後営業利益は同 750億円増の 3,650億円(売上比 15.5%、前回予想から 50億円上方修正)
- ・グローバルソリューションは、FujitsuUvanceを中心に売上拡大して、売上収益は同 187億円増の 5,300億円、調整後営業利益は同 223億円増の 280億円の見込み(前回予想から 10億円上方修正)。
- ・リージョンズ(Japan)は、DX、モダナイゼーション案件が伸張増収効果に加え採算性も引続き向上して、売上収益は同 1,195億円増の 1兆4,300億円、調整後営業利益は同 456億円増の 3,060億円の見込み。
- ・リージョンズ(海外)は、為替影響による減収に加え、欧州のデマンド減事業ポートフォリオ改革効果により利益改善して、売上収益は同 997億円減の 5,500億円(前回予想から 200億円上方修正)、調整後営業利益は同 70億円増の 310億円の見込み(前回予想から 40億円上方修正)。
特にサービスソリューションの調整後営業利益は、中期経営計画の目標利益(3,600億円)を50億円上回る見込みとしています。
- ・2023年度(実績)
売上収益 2兆1,375億円、調整後営業利益 2,372億円(利益率 11.1%)
- ・2024年度(実績)
売上収益 2兆2,459億円、調整後営業利益 2,899億円(利益率 12.9%)
- ・2025年度(計画)
売上収益 2兆3,500億円、調整後営業利益 3,650億円(利益率 15.5%)
■ハードウェアソリューション
売上収益は前年比 899億円減の 1兆300億円(前回予想から 650億円上方修正)
調整後営業利益は同 13億円減の 600億円(前回予想から 50億円上方修正)
■ユビキタスソリューション
売上収益は前年比 267億円減の 2,250億円
調整後営業利益は同 13億円減の 300億円(前回予想から 100億円上方修正)
■消去・全社
調整後営業利益は同 74億円減の△750億円(前回予想から 50億円下方修正)
参考:電機各社の決算発表
2026.01.29 2025年度第3四半期決算と通期予想:富士通
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