富士通の2026年度(2027年3月期)第1四半期は増収増益、サービスソリューションの国内伸長が貢献

富士通の2026年度(2027年3月期)第1四半期は増収増益、サービスソリューションの国内伸長が貢献

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富士通の2026年度(2027年3月期)第1四半期決算

富士通が、2026年度(2027年3月期)第1四半期決算(2026年4月1日~6月30日)と通期予想を発表しましたので、概況を整理します。

前年度の反動があったユビキタスソリューションが減収減益、海外向けの為替影響と国内基地局が増収したものの前年度の反動により減益したハードウェアソリューションが増収減益、国内のUvanceとモダナイゼーション商談が伸長したサービスソリューションが増収増益となり、全体の累計では前年同期に対して増収増益となりました。

調整後営業利益は前年度比 +56.4%、営業利益率は +2.3%改善しています。

特にサービスソリューションは、売上収益が前年度比 +6.7%(国内ビジネス +7.5%)、調整後営業利益は、増収効果に加え採算性向上により、同 +31.3%、営業利益率 +2.1%改善しました。

調整後連結業績

  • ・売上収益は、前年同期に対して 295億円(3.9%)増の 7,794億円
  • ・調整後営業利益は、同 198億円増の 549億円
    (調整後営業利益率は、前年同期比 2.3%改善して 7.0%)
  • ・親会社の所有者に帰属する調整後当期利益は、同 121億円増の 419億円

連結業績(調整前)

  • ・売上収益は、前年同期に対して 295億円(3.9%)増の 7,794億円
  • ・営業利益は、同 190億円増の 525億円
  • ・税引前利益は、同 224億円増の 594億円
  • ・親会社の所有者に帰属する当期利益は、同 1,316億円減の 401億円

2026年度(2027年3月期)の通期決算予想は以下の通りで、4月の前回予想を据え置いています。

調整後営業利益、当期利益ともに、引き続き過去最高益の更新を計画しています。

  • ・売上収益は、前年比 70億円(0.2%)増の 3兆5,100億円
  • ・調整後営業利益は、同 344億円増の 4,250億円
  • ・親会社の所有者に帰属する調整後当期利益は、同 217億円増の 3,200億円

なお、2026年度からサービスソリューションのサブセグメントをエンタープライズとパブリックに再編しています。

富士通の2026年度第1四半期(2026年4月~6月)連結業績

富士通の2026年度(2027年3月期)第1四半期決算

前年度の反動があったユビキタスソリューションが減収減益、海外向けの為替影響と国内基地局が増収したものの前年度の反動により減益したハードウェアソリューションが増収減益、国内のUvanceとモダナイゼーション商談が伸長したサービスソリューションが増収増益となり、全体の累計では前年同期に対して増収増益となりました。

なお、親会社の所有者に帰属する当期利益の 1,316億円減は、前年同期に非継続事業(新光電気工業)の売却益 約1,400億円を計上した反動によるものです。

調整後連結業績

  • ・売上収益は、前年同期に対して 295億円(3.9%)増の 7,794億円
  • ・調整後営業利益は、同 198億円増の 549億円
    (調整後営業利益率は、前年同期比 2.3%改善して 7.0%)
  • ・親会社の所有者に帰属する調整後当期利益は、同 121億円増の 419億円

連結業績(調整前)

  • ・売上収益は、前年同期に対して 295億円(3.9%)増の 7,794億円
  • ・営業利益は、同 190億円増の 525億円
  • ・税引前利益は、同 224億円増の 594億円
  • ・親会社の所有者に帰属する当期利益は、同 1,316億円減の 401億円
セグメント別の業績

セグメント別の業績(累計)は以下の通りで、サービスソリューションが増収増益、ハードウェアソリューションが増収減益、ユビキタスソリューションが減収減益となっています。

■サービスソリューションは増収増益

売上収益が前年同期比 343億円(6.7%)増の 5,489億円、調整後営業利益は同 149億円増の 628億円

国内市場を中心にUvanceおよびモダナイゼーションを中心に伸長したとしています。

  • ・売上収益は、国内市場においてUvance・モダナイ商談が伸長、エンタープライズは製造、パブリックは金融・自治体・公営競技・防衛を中心に伸長
  • ・調整後営業利益は、増収効果に加え、採算性改善も進捗

調整後営業利益 149億円増益の内訳は、以下の通りです。

  • ・AIデリバリ基盤・経営基盤強化 △28億円に対し、
  • ・売上増収効果で+99億円(売上収益+343億円)と採算性改善で+78億円で、計 +177億円

採算性改善 +78億円(グロスマージン率は 1.5%の改善)は、以下の状況です。

  • ・Oneデリバリ体制の進化
    お客様への提供価値最大化に向け、従来のJGG/GDCにお客様フロントSEを加え、さらに大きく強いデリバリへ進化
  • ・AIドリブンデリバリ
    1. 裾野の拡大:SIプロジェクトのほぼ全てにおいてAIを活用
    2. 適用の深掘:AIトップガンプロジェクト
    3. 商談へ展開:AIドリブンモダナイゼーションサービス(2026年7月~)
  • ・プライシング戦略
    1. 人月型から提供価値ベースプライシングへ
    2. オファリングビジネスの拡大

国内の受注状況(累計)の分野別は以下の通りで、全体では前年同期に対して 110%です。(契約期間が複数年に及ぶ1件当たり25億円以上の大型商談受注額を、直近12ヶ月の引渡し額に置き換えた引渡ベースでは 108%)

国内サービスはDXを中心に旺盛な需要が継続し、複数年大型商談を除くと全業種で前年を上回る伸長です。

引き続きDX・モダナイゼーションのデマンドが広い範囲で継続しています。

  • ・エンタープライズは同 101%(引渡ベース 101%)
    1. 製造(自動車・組立・化学 他)は同 106%(引渡ベース 106%)
    2. 流通(小売・商社・食品 他)は同 96%(引渡ベース 96%)
  • ・パブリックは同 114%(引渡ベース 111%)
    1. 金融(銀行・証券・保険 他)は同 91%(引渡ベース 87%)
    2. パブリック&ヘルスケアは同 115%(引渡ベース 114%)
    3. ミッションクリティカル・ナショナルセキュリティ 他は同 139%(引渡ベース 131%)

売上収益の前年度比 343増の 5,489億円(調整後営業利益 同 149億円増の 628億円)の内、サブセグメント別内訳は以下の通りです。

  • エンタープライズ
    売上収益は前同期比 154億円増の 2,130億円(調整後営業利益 同 20億円増の 193億円)
    1. 売上収益の国内は、同 122億円増の 1,732億円
    2. 海外は、同 31億円増の 397億円
    3. 国内は製造を中心に増収、増収効果・採算性改善により 12%増益
  • パブリック
    売上収益は前同期比 189億円増の 3,359億円(調整後営業利益 同 128億円増の 434億円)
    1. 売上収益の国内は、前年同期比 164億円増の 2,363億円
    2. 海外は、同 24億円増の 996億円
    3. 国内は金融・自治体・公営競技・防衛を中心に増収、増収効果・採算性改善により 42%増益
■ハードウェアソリューションは増収減益

売上収益が前年同期比 90億円増の 2,112億円、調整後営業利益は同 50億円減の △37億円(赤字)

  • ・システムプロダクトの売上収益は、同 79億円増の 1,750億円
    売上収益は、海外向けが為替影響を中心に増収、国内向けは前年大型商談反動により減収、売上構成変化に部材コスト上昇もあり減益
  • ・ネットワークプロダクトの売上収益は、同 11億円増の 361億円
    売上収益は国内向け基地局が増収
■ユビキタスソリューションは減収減益

売上収益が前年同期比 134億円減の 344億円、調整後営業利益は同 37億円減の 44億円

  • ・前年あったWindows10サポート切れ需要の反動
  • ・金融機関向けロット商談の反動
■消去・全社

調整後営業利益は同 136億円増の △86億円

  • ・川崎地区再開発に伴う不動産売却益
  • ・フィジカルAI・次世代CPU・量子などのテクノロジー開発投資の増加
Fujitsu Uvanceの状況

2023年5月24日に発表した、2025年度を最終年度とする中期経営計画では、Fujitsu Uvanceを成長のドライバーとして、サービスソリューションを中心に全社の収益性拡大を目指すとして、2026年度の売上収益 8,400億円(前年度比 18%増)を計画しています。

社会課題を起点として、クロスインダストリーでお客様の成長に貢献するデジタルサービスを提供するとして、社会課題を解決するクロスインダストリー4分野(Vertical)と支える3つのテクノロジー基盤(Horizontal)を定めています。

  • ・Vertical:Sustainable Manufacturing、Consumer Experience、Healthy Living 、Trusted Society
  • ・Horizontal:Digital Shifts、Business Applications、Hybrid IT

2025年度通期の売上収益は、計画値 7,000億円に対して前年同期比 47%増の 7,093億円(売上構成:比 30%)となりました。

コンサルティングブランドであるUvance Wayfindersが立ち上がり、従来のSI商談とは異なり、経営変革のアジェンダ策定から実装までの商談が生まれているとしています。

また、グローバルでのオファリングの標準化、商談におけるリカーリング比率の向上、海外ではGK SoftwareなどのVertical領域が伸長しているようです。

  • ・2024年度通期
    4,828億円(Vertical:1,752億円、Horizontal:3,076億円)
    → 2025年度通期
    47%増の 7,093億円(Vertical:69%増の 2,968億円、Horizontal:34%増の 4,124億円)
  • ・売上構成比は、2024年度通期:21% → 2025年度通期:30%

なお、売上収益の年度推移は、以下の通りとしています。

  • ・2022年度(実績):2,000億円(V 150億円、H 1,850億円)、構成比 10%
  • ・2023年度(実績):3,679億円(V 1,163億円、H 2,515億円)、構成比 17%
  • ・2024年度(実績):4,828億円(V 1,752億円、H 3,076億円)、構成比 21%
  • ・2025年度(実績):7,093億円(V 2,968億円、H 4,124億円)、構成比 30%
  • ・2026年度(計画):8,400億円(V 3,400億円、H 5,000億円)、構成比 34%

2030年度に向けては、サービスソリューション全体の半分近いものを、(Fujitsu Uvanceのような)オファリングのポートフォリオで占め、グロスマージン率を拡大していきたいとの考えを明らかにしています。

Uvanceによるオファリングビジネスを半分にすることで採算性が高まり、リカーリング型ビジネスの獲得にもつながるのに加え、第4四半期集中のビジネス構造を解消でき、事業効率を高めることもできるとしています。

なお、Uvanceの売上収益は、できれば2027年度には1兆円に、2028年度には確実に到達することになるとし、2030年度は少なくとも1兆5,000億円は達成したいとしています。

現在の2倍以上の規模となり、サービスソリューションの売上収益の50%を占めることになります。

2026年度からは、Verticalにおいて業種の色合いが強いものを市場投入していくが、すでに金融分野に特化したUvance for Financeを体系化し提供を開始していて、社内ではUvance Edgeと呼び、これらのオファリングを強化することでVertical領域の拡大につなげていくことになるとしています。

モダナイゼーションの状況

DX化・クラウド化への導線としてモダナイゼーション需要が拡大し、レガシー資産からDX移行を戦略的に進め、新市場・波及売上を創出するとしています。

2025年度通期の売上収益は、Fujitsu Uvanceの重複分を含むと、計画値 3,300億円に対して前年同期比 32%増の 3,921億円(売上構成比 11%)となりました。

なお、売上収益の年度推移は、以下の通りとしています。

  • ・2022年度(実績):1,100億円、構成比 4%
    (ハード 149億円、Uvance 136億円、サービス 815億円)
  • ・2023年度(実績):1,600億円、構成比 6%
    (ハード 217億円、Uvance 199億円、サービス 1,600億円)
  • ・2024年度(実績):2,969億円、構成比 9%
    (ハード 374億円、Uvance 585億円、サービス 2,010億円)
  • ・2025年度(実績):3,921億円、構成比 11%
    (ハード 280億円、Uvance 1,143億円、サービス 2,497億円)
  • ・2026年度(計画):4,700億円、構成比 12%
    (ハード 320億円、Uvance 1,390億円、サービス 2,990億円)

2025年度は、Fujitsu Uvanceにつながるモダナイゼーションと、Horizontalソリューションを統合したDXの提案を加速させるのに加え、生成AIを活用した効率化や自動化を行い、競争力を高めました。

今後数年で、Uvanceの構成比は50%となり、その先には70%へと上げていくことを目指すとしています。

これによって、人月ビジネスから脱却する実感や手応えは十分に感じており、ワークロードやデータ量などをベースに課金するなど、プライシングモデルにも工夫の余地はあるが、お客さまの理解を得ながら進めていきたいとしています。

また、提供するすべてのソリューションはAIが駆動するものへと進化し、それに向けて富士通自身も変革していくと、方向性を示しています。

その他

キャッシュフローの状況

  • ・コア・フリー・キャッシュフロー:前年同期比 125億円減の 2,177億円(法人税や賞与の支払い、不動産売却収入)
  • ・フリー・キャッシュフロー:前年同期比 1,873億円減の 2,144億円
    1. 営業活動によるキャッシュ・フロー:同 1億円減の 2,266億円
    2. 投資活動によるキャッシュ・フロー:同 1,871億円減の △121億円
      (2025年度の新光電気工業の事業売却)
  • ・財務活動によるキャッシュ・フロー:同 174億円改善の △716億円(短期借入金の返済 △490億円)

資産、負債、資本の状況

  • ・資産:前年同期比 1,080億円減の 3兆3,085億円
  • ・負債:同 1,142億円減の 1兆2,539億円
  • ・資本(純資産):同 61億円増の 2兆545億円
     親会社所有者帰属持分(自己資本):同 65億円増の 2兆353億円
  • ・(参考)有利子負債:前年同期比 6億円増の 1,336億円

2026年度(2027年3月期)の通期決算予想

富士通の2026年度(2027年3月期)通期決算予想

2026年度(2027年3月期)の通期決算予想は以下の通りで、4月の前回予想を据え置いています。

ハードウェアとユビキタスが減収減益を見込むものの、サービスソリューションが増収増益を見込んで、全体では増収増益を見込んでいます。

2026年度も売上収益を拡大する柱はUvanceとモダナイゼーションになり、過去最高益の更新を継続するとしています。

  • ・売上収益は、前年比 70億円増の 3兆5,100億円
  • ・調整後営業利益は、同 344億円増の 4,250億円
  • ・親会社の所有者に帰属する調整後当期利益は、同 217億円増の 3,200億円
セグメント別の業績予想

セグメント別の業績見通しは以下の通りで、ハードウェアソリューションとユビキタスソリューションは減収減益を見込むものの、サービスソリューションが増収増益を見込んで、全体で減収増益を見込んでいます。

■サービスソリューション

売上収益は前年比 1,230億円増の 2兆4,700億円

調整後営業利益は同 685億円増の 4,300億円(売上比 同 2.0%増の 17.4%)

なお、より深く業種・業務を理解し、業種軸のマネジメントを強化するため、2026年度からサブセグメントを2つに再編しました。

  • ・エンタープライズ
    1. 業種特化型オファリングの開発やコンサル強化への投資を強化
    2. 自動車、製造、流通、小売 他
    3. 実績と計画
      2024年度(実績) 売上収益:8,290億円、調整後営業利益:720億円
      2025年度(実績) 売上収益:8,663億円、調整後営業利益:1,012億円
      2026年度(計画) 売上収益:9,400億円、調整後営業利益:1,230億円
  • ・パブリック
    1. 生産性向上を徹底するとともに、採算性の高いマーケットに注力
    2. 官公庁・自治体、防衛、金融、ヘルスケア 他
    3. 実績と計画
      2024年度(実績) 売上収益:1兆4,169億円、調整後営業利益:2,179億円
      2025年度(実績) 売上収益:1兆4,806億円、調整後営業利益:2,601億円
      2026年度(計画) 売上収益:1兆5,300億円、調整後営業利益:3,070億円

なお、Fujitsu Uvanceの売上収益は前年比 18.4%増の 8,400億円(構成比 34%)、モダナイゼーションの売上収益は同 20%増の 4,700億円(構成比 12%)を見込んでいます。

これにより、サービスソリューションにおけるUvanceとモダナイゼーションの構成比は 46%(2025年度 41%)に増加し、従来型ITサービスは、2025年度の 59%から 54%に減少することになります。

■ハードウェアソリューション

売上収益は前年比 498億円減の 9,600億円

  • ・システムプロダクトは、外購品ビジネスの絞り込み、富士通フロンテックの再編により、同 662億円減の 7,500億円
  • ・ネットワークプロダクトは、国内・北米ともにフォトニクスの増収により、同 163億円増の 2,100億円

調整後営業利益は同 50億円減の 620億円

■ユビキタスソリューション

売上収益は前年比 698億円減の 1,600億円

調整後営業利益は同 108億円減の 280億円

Windows10サポート終了(2025年10月)に起因する需要増の反動減が影響

■消去・全社

売上収益は前年比 36億円増の △800億円

調整後営業利益は同 182億円減の △950億円

AI、次世代プロセッサMONAKA、量子コンピュータなど、先進的な先行研究開発投資の強化 +200億円

参考:電機各社の決算発表

富士通 株式会社(2026年7月30日発表)

日本電気 株式会社(2026年7月29日発表)

株式会社 日立製作所(2026年7月29日発表)

ソニー 株式会社(2026年7月31日発表予定)

パナソニック 株式会社(2026年7月30日発表)

三菱電機 株式会社(2026年7月31日発表予定)

シャープ 株式会社(2026年8月7日発表予定)

電機とITの決算

2026.07.30 2026年度第1四半期決算と通期予想:富士通

2026.07.29 2026年度第1四半期決算と通期予想:NEC

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