現地時間2019年10月31日に「2019年3Q(7~9月期)の世界タブレット出荷台数とシェア」が、IDCより発表されましたので概要を整理します。
更新
2020年01月31日 関連情報:世界タブレット2019年4Qの出荷台数は0.6%減、年間では1.5%減
2020年01月13日 関連情報:「世界の2019年第4四半期のPC出荷台数」Gartner、年間で前年比0.6%増
2019年11月11日 関連情報:「世界のPC及びタブレットの出荷、2019年~2023年予測」IDC
2019年11月11日 関連情報:「2019年度タブレット端末国内出荷実績(上半期)」電子情報技術産業協会
2019年11月11日
IDC発表によると、従来型タブレットと2-in-1デバイスの両方を対象にした2019年3Q(7~9月期)の世界の出荷台数は、2018年3Qの3,690万台に対して70万台(1.9%)増の3,760万台となっています。
前年同期に対する世界の出荷台数は、トップ5ベンダー中ではAppleとAmazon及びLenovoが増加したのが貢献して、全体で増加に転じました。
前年同期に対して、2014年4Q以来減少傾向が続いていましたが、当期で久々に増加に転じました。
IDCでは、従来型のタブレット「スレート型」とキーボード着脱式2-in-1「デタッチャブル型」の2つに分けて分析しています。
「スレート型」は2014年をピークとして減少に転じ、この傾向は今後も続くと予測しており、一方の「デタッチャブル型」は、市場の盛り上がりを牽引すると期待されています。
この様な状況の中で、AppleとAmazonが新モデルを投入したことにより、前年同期に対する増加に大きく貢献しています。
Appleは、「iPad」の新モデルを3Q後半に投入したことにより、前年同期の970万台(シェア26.3%)に対して、210万台増の1,180万台(シェア31.4%)になりました。
また、Amazonは、2Qの「Fire 7」投入に加え、年間プライムデイセール(Prime Day Sale)が組み合わされた効果で、 前年同期の440万台(シェア11.8%)に対して、110万台増の550万台(シェア14.5%)で、Samsungを抜いて2位となりました。
なお以下のLenovo数値は、今年2018年5月に富士通のPC事業を受け入れたことにより、Lenovoと富士通を合算しています。
2019年3Q(7~9月期)のベンダー別出荷台数とシェア
2019年3Q(7~9月期)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。
タブレット全体の出荷台数は、前年同期に対し70万台(1.9%)増の3,760万台となりました。
上位5社のベンダーの顔ぶれは変わっていませんが、今期はAppleとAmazon及びLenovoが前年同期に対して増加しました。
Appleがシェア31.4%、出荷台数は前年同期に対して21.8%増の1,180万台で依然トップを維持して2位以下を大きく引き離しており、Samsungが460万台(同13.9%減、シェア12.3%)であったのに対し、Amazonが550万台(同25.6%増、シェア14.5%)と飛躍して2位となりました。
世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移
2019年3Qの出荷台数は、以下の通りとなっています。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減数 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 1,180万台 | 970万台 | 210万台 | 21.8% |
2位 | Amazon | 550万台 | 440万台 | 110万台 | 25.6% |
3位 | Samsung | 460万台 | 540万台 | △80万台 | △13.9% |
4位 | Huawei | 360万台 | 370万台 | △10万台 | △4.4% |
5位 | Lenovo | 250万台 | 230万台 | 20万台 | 7.6% |
全体 | 3,760万台 | 3,690万台 | 70万台 | 1.9% |
2019年3Qの世界出荷台数の全体は、前年同期70万台(1.9%)増の3,760万台(2018年3Qは3,690万台)となっています。
上位5位までのベンダーでは、AppleとAmazon及びLenovoが前年同期に対して増加し、他の2ベンダーは減少しています。
ベンダー別の状況は、以下の通りです。
Appleの出荷台数は1,180万台(前年同期970万台:210万台増、21.8%増)
- ・3月の「iPad Air」投入に続き、3Q後半に「iPad」を投入したことにより、前年同期に対して大幅に増加しました。
- ・特に、「iPad mini」を除く全ての「iPadシリーズ」に、オプションとして着脱式キーボードが用意され、「デタッチャブル型」として利用することができるようになりました。
- ・さらに、iPad OSの新バーションのリリースも増加に貢献したようです。
Amazonは550万台(同440万台:110万台増、25.6%増)
- ・Amazonは、2Qの「Fire 7」投入に加え、年間プライムデイセール(Prime Day Sale)が組み合わされた効果で、前年同期に対して大幅に増加し、Samsungを抜いて2位となりました。
- ・4Qには「Fire HD 10」も投入しており、次のホリデーシーズン(holiday season)に向けて、現状の勢いを継続して販売を維持できると予想しています。
Samsungは460万台(同540万台:80万台減、13.9%減)
- ・依然として減少傾向が続いており、今期はAmazonに2位の座を譲って3位となりました。
- ・「スレート型」の減少が、全体の減少に影響したようです。
- ・ローエンドモデルの「Galaxy Tab A」シリーズは出荷全体の半分以上となる人気モデルで、「Galaxy Tab S」シリーズはプレミアムAndroidタブレットとして貢献しています。
Huaweiは360万台(同370万台:10万台減、4.4%減)
- ・前年同期に対して減少して、4位となりました。
- ・最近の米中貿易摩擦により、出荷の大部分が中国となっていることが影響しているようです。
Lenovoは250万台(同230万台:20万台増、7.6%増)
- ・2Qは四半期200万台を下回りましたが、3Qは250万台と過去の200万台に戻しています。
- ・日本、ヨーロッパ、中東、アフリカを含むアジア太平洋地域での販売好調が牽引しているようです。
世界のタブレット、ベンダー別シェア推移
2019年3Qのシェアは、以下の通りとなっています。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減 | |
---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 31.4% | 26.3% | 5.1 |
2位 | Amazon | 14.5% | 11.8% | 2.7 |
3位 | Samsung | 12.3% | 14.6% | △2.3 |
4位 | Huawei | 9.5% | 10.2% | △0.7 |
5位 | Lenovo | 6.7% | 6.3% | 0.4 |
1位はAppleで、31.4%(前年同期に対し5.1ポイント増、前年同期26.3%)
2位はAmazonで、14.5%(同2.7ポイント増、同11.8%)
3位のSamsungは、12.3%(同2.3ポイント減、同14.6%)
4位はHuaweiで、9.5%(同0.7ポイント減、同10.2%)
5位はLenovoで、6.7%(同0.4ポイント増、同6.3%)
参考
関連情報(当サイト)
世界のタブレット出荷台数の2019年2Qは5.0%減
2019年8月9日
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