現地時間2019年8月1日に「2019年2Q(4~6月期)の世界タブレット出荷台数とシェア」が、IDCより発表されましたので概要を整理します。
更新
2019年11月11日 関連情報:世界タブレット2019年3Qの出荷台数とシェアは1.9%増
2019年08月09日
IDC発表によると、従来型タブレットと2-in-1デバイスの両方を対象にした2019年2Q(4~6月期)の世界の出荷台数は、2018年2Qの3,390万台に対して170万台(5.0%)減の3,220万台となっています。
前年同期に対する世界の出荷台数は、トップ5ベンダー中ではAppleとAmazonが増加したものの、他の3ベンダーの減少が影響して全体でも減少となり、2014年4Q以来の減少傾向は続いています。
IDCでは、従来型のタブレット「スレート型」とキーボード着脱式2-in-1「デタッチャブル型」の2つに分けて分析しています。
「スレート型」は2014年をピークとして減少に転じ、この傾向は今後も続くと予測している通り、Appleは「iPad」の新モデルを投入しましたが対前年比7.5%減少しています。
なお季節的ですが、Amazonは7月の「Prime Day」に向けた準備のため、出荷が増加しています。
一方の「デタッチャブル型」は、市場の盛り上がりを牽引すると期待されていますが、2019年に発売された「iPad Air」がAppleの出荷増に貢献したのみで、目立った動きはなかったようです。
なお以下のLenovo数値は、今年2018年5月に富士通のPC事業を受け入れたことにより、Lenovoと富士通を合算しています。
2019年2Q(4~6月期)のベンダー別出荷台数とシェア
2019年2Q(4~6月期)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。
タブレット全体の出荷台数は、前年同期に対し170万台(5.0%)減の3,220万台となりました。
上位5社のベンダーの顔ぶれは変わらず固定しつつありますが、今期はAppleとAmazonが前年同期に対して増加しているものの、他の3社は減少しています。
Appleがシェア38.1%、出荷台数は前年同期に対して6.1%増の1,230万台で依然トップを維持して2位以下を大きく引き離しており、Samsungが490万台(同3.1%減、シェア15.2%)と減少したにもかかわらず2位を維持しています。
また、Amazonが7月の「Prime Day」に向けた準備のために出荷を増やしたため、前年同期に対して46.3%増の240万台となり4位に位置付けています。
世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移
2019年2Qの出荷台数は、以下の通りとなっています。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減数 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 1,230万台 | 1,160万台 | 70万台 | 6.1% |
2位 | Samsung | 490万台 | 500万台 | △10万台 | △3.1% |
3位 | Huawei | 330万台 | 350万台 | △20万台 | △6.5% |
4位 | Amazon | 240万台 | 160万台 | 80万台 | 46.3% |
5位 | Lenovo | 190万台 | 200万台 | △10万台 | △6.9% |
全体 | 3,220万台 | 3,390万台 | △170万台 | △5.0% |
2019年2Qの世界出荷台数の全体は、前年同期170万台(5.0%)減の3,220万台(2018年2Qは3,390万台)となっています。
上位5位までのベンダーでは、AppleとAmazonが前年同期に対して増加し、他の3ベンダーは減少しています。
ベンダー別の状況は、以下の通りです。
Appleの出荷台数は1,230万台(前年度同期1,160万台:70万台増、6.1%増)
- ・「iPad Air」を3月に投入し、キーボード着脱式2-in-1「デタッチャブル型」の出荷を2倍に増やしています。
- ・一方、「iPad」の新モデルも投入していますが、従来型のタブレット「スレート型」は対前年比で7.5%減少したようです。
Samsungは490万台(同500万台:10万台減、3.1%減)
- ・依然として減少傾向が続いているものの、今期も2位を維持しました。
- ・「スレート型」の減少が、全体の減少に影響したようです。
- ・Androidタブレットを中心に展開していますが、出荷の大部分はローエンドモデルの「Galaxy Tab A」「Galaxy Tab E」シリーズとなっているようです。
Huaweiは330万台(同350万台:20万台減、6.5%減)
- ・前年同期に対して減少しましたが、3位を維持しています。
- ・最近の米中貿易摩擦において、今後の動向は不透明としています。
Amazonは240万台(同160万台:80万台増、46.3%増)
- ・7月の「Prime Day」に向けた準備で、出荷を大幅に増やしています。
- ・3Qは、現状の勢いを継続して販売を維持できるかどうかにかかっています。
Lenovoは190万台(同200万台:10万台減、6.9%減)
- ・これまで四半期200万台を維持していましたが、今期も減少となって200万台を下回りました。
- ・米国、西ヨーロッパ、日本などの成熟市場で、成長しているようです。
世界のタブレット、ベンダー別シェア推移
2019年2Qのシェアは、以下の通りとなっています。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減 | |
---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 38.1% | 34.1% | 4.0 |
2位 | Samsung | 15.2% | 14.9% | 0.3 |
3位 | Huawei | 10.3% | 10.5% | △0.2 |
4位 | Amazon | 7.4% | 4.8% | 2.6 |
5位 | Lenovo | 5.8% | 5.9% | △0.1 |
1位はAppleで、38.1%(前年同期に対し4.0ポイント増、前年同期34.1%)
2位のSamsungは、15.2%(同0.3ポイント増、同14.9%)
3位はHuaweiで、10.3%(同0.2ポイント減、同10.5%)
4位はAmazonで、7.4%(同2.6ポイント増、同4.8%)
5位はLenovoで、5.8%(同0.1ポイント減、同5.9%)
参考
Tablet Shipments See a Modest Decline of 5.0% in the Second Quarter of 2019, According to IDC
01 Aug 2019
関連情報(当サイト)
世界のタブレット出荷台数の2018年3Qは8.6%減
2018年11月5日
関連記事
前へ
「MT-WN1004-Pro-EDU」マウスの文教向けWin10搭載10.1型着脱式2-in-1、同サイズNEC・富士通と比較
次へ
「14T990-GA75J」LGのgramシリーズ初のWin10搭載14.0型回転式2-in-1、同サイズの他モデルと比較