世界のタブレット出荷台数の2020年2Qは18.6%増、新型コロナウィルス感染症の影響からの回復で増加

2020年2Qの世界タブレット出荷台数とシェア

現地時間2020年7月30日に「2020年2Q(4~6月期)の世界タブレット出荷台数とシェア」が、IDCより発表されましたので概要を整理します。

更新
 2020年11月05日 関連情報:世界のタブレット出荷台数の2020年3Qは24.9%増、リモートワーク需要がけん引
 2020年09月03日 関連情報:国内トラディショナルPC出荷台数(2020年2Q)、0.7%減の396万台
 2020年08月05日

IDC発表によると、従来型タブレットと2in1デバイスの両方を対象にした2020年2Q(4~6月期)の世界の出荷台数は、前年同期(2019年2Q)の3,260万台に対して600万台(18.6%)増の3,860万台となっています。

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)によるロックダウンの影響はあったものの、エンターテイメント、ビジネスやeラーニングなどの需要を取り込んだことによります。

前年同期に対する世界の出荷台数は、トップ5ベンダー全てが増加しています。

特に、Appleが前年同期に対して10万台(1.3%)と微増だったのに対し、Samsungが210万台(42.5%)、Huaweiが150万台(43.5%)、Amazonが120万台(52.0%)、Lenovoが90万台(51.0%)と、大きく伸ばしています。

IDCでは、従来型のタブレット「スレート型」とキーボード着脱式2in1「デタッチャブル型」の2つに分けて分析しています。

「スレート型」は2014年をピークとして減少に転じ、この傾向は今後も続くと予測しており、一方の「デタッチャブル型」は、市場の盛り上がりを牽引すると期待されています。

この様な状況の中で、Appleは、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の影響による物流上の問題が解消に向かい、前年同期に対して微増となりました。

一方、他の4ベンダーは前年同期に対して大幅に伸ばし、中でも2020年1Qでは5位に転落したAmazonがコンテンツ利用に適した低価格デバイスとして市場を取り込んで今期は4位に返り咲き、代わってLenovoが5位に転落しました。

なお以下のLenovo数値は、今年2018年5月に富士通のPC事業を受け入れたことにより、Lenovoと富士通を合算しています。

2020年2Q(4~6月期)のベンダー別出荷台数とシェア

2020年2Q(4~6月期)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。

タブレット全体の出荷台数は、前年同期に対し600万台(18.6%)増の3,860万台となりました。

上位5社のベンダーの顔ぶれは変わっていませんが、前年同期に対して全ベンダーが増加しました。

Appleがシェア32.2%、出荷台数は前年同期に対して1.3%増の1,240万台で依然トップを維持していますが、Amazonが360万台(同52.0%増、シェア9.3%)と増加したため4位に繰り上がり、Huaweiと激しく競合したLenovoが5位に転落しました。

世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移

2020年2Q(4~6月期)の出荷台数は、以下の通りとなっています。

2020年2Qの世界タブレット出荷台数

ベンダー今期前年同期増減数増減率
1位 Apple 1,240万台 1,230万台 100万台 1.3%
2位 Samsung 700万台 490万台 210万台 42.5%
3位 Huawei 480万台 330万台 150万台 43.5%
4位 Amazon 360万台 240万台 120万台 52.0%
5位 Lenovo 280万台 190万台 90万台 51.0%
全体 3,860万台 3,260万台 600万台 18.6%

2020年2Q(4~6月期)の世界出荷台数の全体は、前年同期600万台(18.6%)増の3,860万台(2019年2Qは3,260万台)となっています。

上位5位までのベンダーでは、全ベンダーがが前年同期に対して増加しています。

ベンダー別の状況は、以下の通りです。

Appleの出荷台数は1,240万台(前年同期1,230万台:10万台増、1.3%増)

  • ・物流上の問題が解消に向かい、チャネルへの出荷が回復したことによります。
  • ・10.2インチ「iPad」がキーボード接続を可能にした手ごろな価格のデバイスとして依然ベストセラーを続けており、「iPad Air」「iPad Pro」も勢いを維持したことが貢献しています。

Samsungは700万台(同490万台:210万台増、42.5%増)

  • ・「デタッチャブル型」「スレート型」の両方で販売増となり、これまで減少傾向が続いていましたが増加を維持しています。
  • ・特に、在庫の補充に加え、一般家庭の需要を取り込んだことが貢献しています。

Huaweiは480万台(同330万台:150万台増、43.5%増)

  • ・Android搭載の「デタッチャブル型」の割合が増えてきており、前年同期から2ポイント以上のシェアを獲得しましたが、Windows搭載モデルは、価格と機能面において従来のノートPCとの競合が激しく、後退しています。
  • ・最近の米中貿易摩擦の影響もあり、中国以外では苦戦していますが、欧州やアジア/太平洋地域の両方で前年同期を上回っています。

Amazonは360万台(同240万台:120万台増、52.0%増)

  • ・2020年1Qは5位に転落しましたが、今期は4位に返り咲きました。
  • ・8インチ「Fire HD」の発売もあり、Amazonコンテンツ利用に最適化した低価格デバイスとして、需要を取り込んだのが貢献しています。

Lenovoは280万台(同190万台:90万台増、51.0%増)

  • ・2020年1Qは4位に食い込みましたが、今期再び5位となりました。
  • ・売上の大半は低価格セグメントで、世界中の市場に参入することができましたが、Huaweiとの激しい競争により苦戦したようです。
世界のタブレット、ベンダー別シェア推移

2020年2Q(4~6月期)のシェアは、以下の通りとなっています。

2020年2Qの世界タブレットのシェア

ベンダー今期前年同期増減
1位 Apple 32.2% 37.6% △5.4
2位 Samsung 18.1% 15.1% 3.0
3位 Huawei 12.4% 10.3% 2.1
4位 Amazon 9.3% 7.3% 2.0
5位 Lenovo 7.3% 5.7% 1.6

1位はAppleで、32.2%(前年同期に対し5.4ポイント減、前年同期37.6%)

2位のSamsungで、18.1%(同3.0ポイント増、同15.1%)

3位はHuaweiで、12.4%(同2.1ポイント増、同10.3%)

4位はAmazonで、9.3%(同2.0ポイント増、同7.3%)

5位はLenovoで、7.3%(同1.6ポイント増、同5.7%)

参考

Worldwide Tablet Shipments Recorded Solid Growth in Q2 2020, According to IDC
30 Jul 2020

Appleの2020年第3四半期決算(4~6月)、現地時間2020年7月30日

売上高は596億8500万ドル(前年同期比10.9%増)
第3四半期の決算としては過去最高の売上高で、2014年通期の売り上げを3期で達成

iPhone、Mac、iPad、ウェアラブル・ホーム・アクセサリ、サービスの全部門で売上高が上昇(6月期としては最高の売上高)

  • ・Macの売上高が前年同期比21.6%増
  • ・iPadは同31.0%増
  • ・iPhone SE発売によって、iPhoneも同1.7%増
  • ・ウェアラブルも、潜在的な需要は高く同16.7%増

iPhoneの遅れは、通常9月第2週に発表、第3週に発売という予定であるが、数週間遅れる見込み。
製造の問題というよりは、ロックダウンの影響による検査の遅れが影響

関連情報(当サイト)

世界のタブレット出荷台数の2020年1Qは18.2%減
2020年5月3日

2020年1Qの世界タブレット出荷台数とシェア

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