現地時間2017年8月3日に「2017年2Q(4~6月期)の世界タブレット出荷台数」が、IDCより発表されましたので概要を整理します。
更新
2017年11月11日 関連情報:世界タブレット2017年3Q出荷台数とシェア、4社増加も全体は減少
2017年09月21日 関連情報:2017年2Q 国内タブレット端末市場実績値(IDC Japan)
2017年08月18日
IDC発表によると、従来型タブレットと2-in-1デバイスの両方を対象にした2017年2Qの世界の出荷台数は、2016年2Qの3,930万台に対して140万台(3.4%)減の3,790万台となっています。
前年同期に対する世界の出荷台数は、2014年4Q以来11四半期連続で減少したことになります。
IDCでは、従来型のタブレット「スレート型」とキーボード着脱式2-in-1「デタッチャブル型」の2つに分けて分析していま。
「スレート型」は2014年をピークとして減少し、この傾向は今後も続くと予測しています。
一方の「デタッチャブル型」は成長しており、その多くはノートパソコンと共通点を持つ製品へと進化しつつあるとし、タブレット市場の回復はデッチャブル型の成功にかかっているとしています。
この2Q(4~6月期)では、Appleが「iPad Pro」の新モデルを、Microsoftも「Surface Pro」の新モデルを、両社ともデタッチャブル型を発表しました。
しかし、いずれも投入時期が6月であったため、今回の2Q統計には出荷台数の一部しか反映されなかったようです。
但し、Appleだけは「iPad Pro」の新モデル投入の効果が出ているようで、この効果が今年後半の世界タブレット市場に反映されると予測しています。
iPadの販売台数は、今年の1Q(1~3月期)まで13四半期連続で前年実績を下回っていましたが、今回の2Q(4~6月期)は14.7%増となり、前年割れに歯止めがかかりました。
2017年2Q(4~6月期)のベンダー別出荷台数とシェア
2017年2Q(4~6月期)の世界のタブレット出荷台数及びシェアの概要は、以下の通りです。
タブレット全体の出荷台数は、前年同期に対し140万台(3.4%)減の3,790万台となりました。
シェアは、Appleは30.1%と依然トップを維持し、前年同期に対し4.7ポイント増加し、2014年1Q以来久々にシェア30%を確保しました。
世界タブレット、ベンダー別出荷台数の推移
2017年2Qの出荷台数は、以下の通りとなっています。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減数 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 1,140万台 | 1,000万台 | 140万台 | 14.7% |
2位 | Samsung | 600万台 | 600万台 | 微減 | △0.8% |
3位 | Huawei | 300万台 | 210万台 | 90万台 | 47.1% |
4位 | Amazon | 240万台 | 160万台 | 80万台 | 51.7% |
5位 | Lenovo | 220万台 | 250万台 | △30万台 | △14.6% |
全体 | 3,790万台 | 3,930万台 | △140万台 | △3.4% |
2017年2Qの世界出荷台数の全体は、前年同期140万台(3.4%)減の3,790万台(2016年2Qは3,930万台)となっています。
上位5位までのベンダーでは、AppleとHuawei及びAmazonが前年同期に対し増加し、SamsungとLenovoが減少しています。
ベンダー別では、
Appleの出荷台数は1,140万台(前年度同期1,000万台:140万台増、14.7%増)
- ・9.7インチ新型「iPad」投入の効果もあり、前年同期比での13四半期連続の減少に歯止めがかかり、今回増加に転じました。
- ・Appleが8月1日(現地時間)に発表した第3四半期(4~6月)決算では、iPadの販売台数は前年同期比15%増の1,142万4,000台で増加に転じ、売上高は同2%増の49億6,900万ドルとしています。
Samsungは600万台(同600万台:微減、0.8%減)
- ・依然として減少傾向が続いていますが、市場での存在感を確保しながら微減にとどまっています。
- ・「デタッチャブル型」にポートフォリオを移行しつつあり、今年に入って3つの製品を発表しましたが、今期も大きな効果は出ていないようです。
Huaweiは300万台(同210万台:90万台増、47.1%増)
- ・Android搭載モデルから、Windows10搭載の「デタッチャブル型」モデルに移行しながら、増加しています。
- ・低価格や携帯対応のオプションを用意すなど、積極的に新型モデルを発表して買い替え需要を狙い、特にLenovoなどからシェアを獲得したようです。
Amazonは240万台(同160万台:80万台増、51.7%増)
- ・挑戦的な価格戦略が功を奏して、増加しています。
- ・特に、子供に優しいコンテンツの専用バンドルを提供することによって、子供をターゲットとした取組みが成功しているようです。
Lenovoは220万台(同250万台:30万台減、14.6%減)
- ・これまでのアジアを中心とした低価格戦略は勢いを失いつつあり、減少しています。
- ・販売価格の高い「デタッチャブル型」にポートフォーリオを移行しつつあり、シャアを高めているようです。
世界のタブレット、ベンダー別シェア推移
2017年2Qのシェアは、以下の通りとなっています。
ベンダー | 今期 | 前年同期 | 増減 | |
---|---|---|---|---|
1位 | Apple | 30.1% | 25.4% | 4.7 |
2位 | Samsung | 15.8% | 15.4% | 0.4 |
3位 | Huawei | 8.0% | 5.3% | 2.7 |
4位 | Amazon | 6.4% | 4.1% | 2.3 |
5位 | Lenovo | 5.7% | 6.5% | △0.8 |
Appleは依然トップを維持し、前年同期に対し4.7ポイント増の30.1%(前年同期25.4%)となり、2014年1Q以来の30%を確保しました。
2位のSamsungは、同0.4ポイント増の15.8%(同15.4%)
3位にHuaweiが入り、同2.7ポイント増の8.0%(同5.3%)
4位はAmazonで、同2.3ポイント増の6.4%(同4.1%)
5位はLenovoで、同0.8ポイント減の5.7%(同6.5%)
参考
Apple Reports Third Quarter Results
AUGUST 1, 2017
他サイトの関連情報
2017年第2四半期 国内タブレット端末市場実績値を発表
2017年9月14日 IDC Japan
2017年第2四半期のタブレット端末の出荷台数は、前年同期比27.5%増の229万台
- ・家庭市場向けタブレットは前年同期比36.3%増の193万台
通信事業者向け出荷を中心とするファーウェイ、LGの出荷が大きく市場を牽引し、回線付きモデルの出荷が前年同期比57.1%増
- ・ビジネス市場向けタブレットは5.2%減の36万台
金融向け案件や学校案件などがあったものの、一般企業では外出先でのメールなどは携帯電話やスマートフォンが多く、タブレットの需要は低迷しマイナス成長
出荷台数の上位5社は、Apple、Huawei、LG、富士通、ASUS
- ・Appleは、前年同期比21.7%増と新型iPad及びiPad Proの発売に伴い出荷台数を増加
- ・Huaweiは、前年同期比41.8%増と通信事業者向け出荷を中心に増加
関連情報(当サイト)
世界のタブレット出荷台数、2017年1Qも対前年同期8.5%減少
2017年5月23日
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