先週2013年3月15日、「Surface RT」が日本でも発売されました。
マイクロソフトの「Windows RT」が搭載されたタブレットですが、Windows 8との互換性は限られるものの、端末ハードウェアも直接市場に展開した意味においては動向が気になります。
発売に合わせて、製品紹介サイトもリニューアルしたり、発売記念レセプションを開催したりと、力の入れようが伝わってきます。
しかし、他メーカーの「Windows 8」搭載、iOSやAndroid搭載のタブレット、さらにはウルトラブックとの比較の中で、一定の市場を確保できるのか疑問が残ります。
発売記念レセプションにはSurface担当のジェネラルマネージャーが登壇し、Surface RTの利点として以下の4つを挙げています。
1.背面に接続したキックスタンド
- ・見やすい角度で机の上に簡単に設置でき、キーボードを組み合わせることにより、使い勝手が良くなる。
- ・背面カメラは、キックスタンドで机の上に置いた状態で、水平に撮影できるよう角度が調整されている。
2.複数の利用者で共用可能
- ・利用者が、別々にアカウントを作って1台を共用できる。
- ・家族内でも各自のアカウントで利用でき、特に子供の利用には制限をかけるペアレンタルコントロールもできる。
3.Office製品(Word、Excel、PowerPoint、OneNote)が標準で付属
- ・仕事で使用しているOfficeが利用できる。
4.高い拡張性
- ・microSDカードスロットやフルサイズUSB2.0などで、USBメモリーやデジタルカメラ、プリンターなどの周辺機器を直接接続することができる。
「Surface RT」は、一般の方向けというよりも、様々な場面でOfficeを利用したい方には魅力的かもしれません。
「Office 2013 RT」と既存のOfficeとは、マクロやアドインなど一部の機能以外はほとんど互換性があるようですし、既存の周辺機器が接続できるなどの拡張性もありますが、PCと同等に快適に動作するとは言えないでしょう。
また、Windows向けのソフトウェアを完全には使えないし、ストアに用意されているアプリケーションの数も限られています。
現時点では「Surface RT」を搭載する機種はNECの「LaVie Y」などメーカーも少ないため、ソフトウェアや周辺機器が充実してくるかも疑問が残ります。
モバイルでOffice利用という視点では、他メーカーの「Windows 8」搭載タブレットに加え、ウルトラブックも比較対象になります。
「Surface RT」の57,800円に対し、「Windows 8/Pro」搭載タブレットやウルトラブックが100,000円前後。
この価格の差を、どのように判断するかです。
今回発売の「Surface RT」は、
- ・32GBモデル:49,800円、64GBモデルが57,800円
- ・感圧式のキーボードカバー「Touch Cover」をセットモデルは、
32GB本体+Touch Cover:57,800円、64GB本体+Touch Cover:65,800円
他の「Windows RT」搭載では、NEC「LaVie Y」が76,860円
CPU:1.3GHz、RAM:2GB、ROM:64GB、画面:11.6インチ(1366X768)、Office RT、キーボード付
これらに対し、「Windows 8/Pro」搭載タブレットは、Office搭載で100,000円前後、非搭載で60,000円前後というところです。
CPU:1.5GHz、RAM:2GB、ROM:64GB、画面:10.1インチ(1366X768)、Office
一方、「Windows 8/Pro」搭載のウルトラブックの一般的な構成では、100,000~150,000円です。
CPU:1.8GHz、RAM:4GB、ROM:128GB、画面:13.3インチ(1600X900)、Office
今のところマイクロソフトは、「Windows 8」搭載タブレットの国内での販売時期は未定としています。
他メーカーの「Windows 8」搭載タブレット、さらにはiOSやAndroid搭載のタブレットとの競争の中、「Surface RT」が一定のポジションを確保するのか、「Surface Pro」の国内展開はあるのかなど、今後も注目しています。
参考
Office 2013 RT Preview のご紹介(マイクロソフト)
関連情報(当サイト)
他サイトのレビュー記事
Surface RT対LaVie Y、Windows RTマシンを選ぶならさてどっち?
2013年4月4日 日経トレンディネット
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